『マーラー 交響曲 第9番』«ネット配信» スザンナ・マルッキ指揮 フィンランド放送交響楽団 2023年8月24日
Finnish Radio Symphony Orchestra
Susanna Mälkki (cond.)
Susanna Mälkki (cond.)
現代音楽を得意として、アンサンブル・アンテルコンタンポランで指揮者デビューしたフィンランドの女性指揮者マルッキ。現在はヘルシンキ・フィルの主席指揮者(2024からは名誉主席指揮者)を務めます。
もちろん好きな指揮者の一人で、LAフィルとのマーラー5(2019) は名演でした。
今回は先週FRSOに客演したマーラー9で、フィンランド国営放送(yle)からの映像付き配信です。
もちろん好きな指揮者の一人で、LAフィルとのマーラー5(2019) は名演でした。
今回は先週FRSOに客演したマーラー9で、フィンランド国営放送(yle)からの映像付き配信です。
Mahler Symphony No. 9

[Live at Helsinki Music Centre, 24 Aug 2023]
■ 第一楽章
第一主題はスロー静で緩やかに、第二主題でも緊張感は抑えて変化は少なめです。反復から厚く第三主題で始めのピークを鳴らします。展開部前半の鬱は鎮めてシュトラウス引用でも明るさは抑えめに、そして第三主題は華々しく。見事なコントラストで、後半でもこの対比を軸にしています。
静と鬱の美しさを軸にピークとのコントラストを付けた堂々王道の第一楽章でしょう。
静と鬱の美しさを軸にピークとのコントラストを付けた堂々王道の第一楽章でしょう。
■ 第二楽章
レントラー主題は木管の軽妙さに弦の力感のコントラストを明瞭に、第一トリオは切れ味を聴かせて、第二トリオはもちろん穏やかさです。回帰の主題ではテンポアップと狂乱をキッチリ魅せて来ます。
シャキッとした締まりある流れのレントラー楽章です。
シャキッとした締まりある流れのレントラー楽章です。
■ 第三楽章
主部主題はアレグロらしい力強さでテンポを上げ、第一トリオはテンポをキープしつつ少し軽妙化して進みます。第二トリオは穏やかさにチェンジ、tpのターン音型は最終楽章ラストの雰囲気を構築します。ラストは激走のストレットです!!
ハイテンポのアレグロとターン音型の静美のコントラストの第三楽章です。
ハイテンポのアレグロとターン音型の静美のコントラストの第三楽章です。
■ 第四楽章
主部主題は穏やかスローに哀しみの美しさを広げ、fg動機の後は音厚を程良く上げています。無理やりさが無いのが良いですね。
第一エピソードは静鬱で鎮めて緩やかに、ゆっくりと感情を深めてピークは哀しみが溢れます。その後の静音ターン音型も心に響きます。感情溢れる素晴らしい第一エピソードになりました。
第二エピソードは静の流れをそのままキープ、ここでもピークは感情が揺さぶれる音厚を効かせます。コーダは約束通り浮遊感のターン音型を静に鳴らして消え入ります。
近年流行りのラストの照明ダウンや、静寂の余韻を長々と引きずる事はしませんでしたね。
第一エピソードは静鬱で鎮めて緩やかに、ゆっくりと感情を深めてピークは哀しみが溢れます。その後の静音ターン音型も心に響きます。感情溢れる素晴らしい第一エピソードになりました。
第二エピソードは静の流れをそのままキープ、ここでもピークは感情が揺さぶれる音厚を効かせます。コーダは約束通り浮遊感のターン音型を静に鳴らして消え入ります。
近年流行りのラストの照明ダウンや、静寂の余韻を長々と引きずる事はしませんでしたね。
王道的で見晴らしの良いマーラー9です。主題や動機、そして楽章事の性格付けでメリハリをつけた結果でしょう。その全ては王道解釈であり、奇を衒った変則性はありません。
FRSOもマルッキの意図を表現して聴き応えある演奏になっています。特に最終楽章の第一エピソードは見事です👏
マルッキも見られますから、配信中に鑑賞される事をオススメします。
FRSOもマルッキの意図を表現して聴き応えある演奏になっています。特に最終楽章の第一エピソードは見事です👏
マルッキも見られますから、配信中に鑑賞される事をオススメします。