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マーク・ヌープ(Mark Knoop)のピアノで聴く、マイケル・フィニスィー(Michael Finnissy) の「Choralvorspiele / Andersen- Liederkreis」


マイケル・フィニスィー
(Michael Finnissy, 1946/3/17 - )
「新しい複雑性」を標榜するイギリス人の現代音楽家にしてピアニストですね。代表作「音で辿る写真の歴史」のインプレで紹介済みですので、そちらを参考にしていただけると幸いです。


Choralvorspiele / Andersen- Liederkreis
現代音楽技巧派ピアニストを育てた事でも知られるフィニスィーですが、その一人と言っていいかもしれないマーク・ヌープ(Mark Knoop, b.1972 ノップとも)をフィーチャーしたアルバムですね。二曲目にはジュリエット・フレイザー(Juliet Fraser)がsopで入っています。

ちなみにヌープも「音で辿る写真の歴史 (1995-2001年)」の全曲演奏を残している様ですね。このアルバムでは2010年代に入っての作品が聴けるのが嬉しいですね。






Choralvorspiele (2012年)
「コラール前奏曲」ですね。タイトルを見ただけでも近年の作風が印象が浮かぶ感じです。8パートの小曲構成ですね。
 点描的なのはフィニスィーですが、旋律感が美しさを奏でます。もちろん調性はありませんから不思議な浮遊感が漂いますね。でも淡々とはしていません。強音パートも現れたり、印象派の引用の様な旋律、超絶技巧、左右のポリフォニー、と表情があります。ひと昔前の衣装を纏っている感は拭えませんが。


Andersen- Liederkreis (2016年)
「アンデルセンの連作歌曲」です。フィニスィーがアンデルセン博物館を訪れた際にインスパイアされて、二人の為に書かれています。12パートの小曲集です。
 まずピアノの曲調が似ているので、曲が替わったのに気が付きませんでした。もちろん声楽(sop)が入るのでわかりましたが。無調の声楽も音の跳躍が大きく、とは言っても途中に語りが入ったりしますがシュプレッヒゲザングでもなく、新しさはありませんね。フィニスィーだなって言う感じです。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  "Andersen-Liederkreis: IV." になります




無調のピアノ曲で、セリエル時代の名残を留めるフィニスィーらしさですね。ただ、より調性に近い旋律感が美しさを聴かせてくれます。基本は一昔前の前衛の印象です。

個人的には"Choralvorspiele: V"の様な超絶技巧性がやっぱり「新しい複雑性」らしさを感じられて好きですね。



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オスモ・ヴァンスカ(Osmo Vänskä)・ミネソタ管弦楽団 の「マーラー 交響曲 第1番」はまとまりの良さですね


マーラー交響曲 第1番
(オスモ・ヴァンスカ/ミネソタ管弦楽団)
ヴァンスカ/ミネソタ管のマーラーは過去, "第5番", "第6番" とインプレしています。
現在マーラー・サイクルの最中ですが、本ブログのターゲットの9番が出る前に1番を聴いてみましょう。もちろん「花の章, Blumine」も各楽章の表題もありません。第三稿四楽章版なので「巨人, Titan」のタイトルも不要ですね。




Osmo Vänskä
Minnesota Orchestra


第一楽章
序奏の下降動機で静かに入り、第一主題が穏やかな音色を紡ぎ、第二主題の絡みで華やかに広げます。第6番と同じく提示部反復。その後の展開部は静まって落ち着き、カッコー動機後hrの登場で明るさを広げます。一気に派手な山場を作って再現部はその流れから晴れやかに走って締めますね。第一楽章は心地良い流れです。


第二楽章
主部スケルツォ主題はリズミカルに主部は全体的に跳ねる様です。中間部レントラー主題は少し落ち着いて舞曲風にコントラストを付けていますね。短い主部回帰は一層華やかになって見晴らしがいいです。


第三楽章
有名な短調「グーチョキパーで何作ろ」の主要主題は弱音(ppに感じるくらい)からゆっくりと入ってきます。ob動機が加わると葬送の列の様な感じを与えますが、哀愁のある動機(トリオ)で色合いを変えてきます。中間部は静かな明るさを漂わせますが、主部回帰は変調とリズム変化をもう少し生かしても良かった感じがありますね。


第四楽章
第一主題は締まり良く、第二主題は少し鬱を見せる様な穏やかさになっています。もう少しコントラストがあっても良い様な感じもありますね。展開部は激しさを見せますがまとまり過ぎな気配です。再現部は表情変化は付けるのですが、コーダも含めてやはりきれいに始末を付けている感じが強いですね。



きれいにまとまった流れのマーラー1ですね。アゴーギクもディナーミクもほどほど。何か弾けたものがあれば生き生きとした感じが出た気がしますね。

前半は心地よく感じられるのですが、後半も同じ様なまとまり感で流れるとスパイスが欲しくなってしまします。



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『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» フランツ・ウェルザー=メスト指揮 / クリーヴランド管弦楽団 2019年12月29日


フランツ・ウェルザー=メスト, Franz Welser-Möst
(Cleveland Orchestra)
2002年より長期政権(首席指揮者)を担うウェルザー=メストが, 手兵クリーヴランド管を振ったマーラー5ですね。米オハイオ州クリーヴランドの公共放送の運営組織 Ideastream "WCLV On-Demand" から配信です。
現地放送ではもちろんウェルザー=ストと言ってますね。

▶️ WCLV On-Demand (賞味期限は短いと思われますのでお早めに)





マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at Severance Hall, 29 Dec. 2019)

WelserMost-Mahler5-20191229.jpg


第一部
第一楽章, 葬送行進曲は静に鎮めてファンファーレ動機を強くコントラストを付けています。そうなると当然第一トリオは強音を響かせます。荒れた感じはなくコントロール下にありますね。第二トリオは美しい哀愁で好印象です。第二楽章は第一主題は一楽章の強音パートの印象を続ける様に速めで揺さぶり荒々しく、第二主題(一楽章の第二トリオ)をスローの哀愁で対比させています。展開部のvc弱音パートも上手く、再現部のアップテンポも印象的ですね。マーラーの指示に従うコントラストを付けた第一部です。

第二部
スケルツォ主題は管楽器のバランスが少し気になりました。レントラー主題は弦楽器なので優美に流れます。第三主題は緩やかに鎮めてhrの動機を繋げて行きますが少しフラットです。ここでのオブリガートhrは朗々と鳴らしましたね。展開部で元気を取り戻し、再現部は元気なのですが主題の絡みがおとなしい感じでした。ややフラットな印象の第二部でしょうか。

第三部
やや速めで入る主要主題はテンポを落としながらクールな美しいさ、中間部では透明感ある流れを作ります。澄んだ流れの好きなアダージェットです。最終楽章第一・第二主題の絡みは速めの軽快さ、コデッタは軽妙です。展開部も主題や動機を速めのテンポでサッパリ味で進めます。山場から再現部は切れ味良く突き進み、コーダは疾走して派手に鳴らしてラストはアッチェレランドで締めくくります。上手い構成で最後を締めて拍手喝采!!


全体バランスに優れた聴きやすいマーラー5ですね。適度なアゴーギクによる揺さぶりが良く、ディナーミクにメリハリがあればもっと楽しめた気がします。速め基調なので胃もたれする様な要素はありませんね。そこが少し寂しいと言えば寂しいでしょうか?!



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『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» アントニー・ヘルムス指揮 / 北オランダ管弦楽団 2019年12月14日 は驚きの好演でした!


アントニー・ヘルムス, Antony Hermus
(North Netherlands Symphony Orchestra)
オランダ人指揮者のヘルムスが首席客演指揮者を務める北オランダ管を振ったマーラー9です。(首席指揮者は不在で, 名誉指揮者がいる様ですね)
オランダの公共ラジオ局"NPO Radio 4"からのweb配信です。

▶️ NPO Radio 4 (賞味期限は短いと思われますので、お早めに)





マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at TivoliVredenburg, 14 dec. 2019)

AntonyHermusNNO-Mahler9.jpg


第一楽章
第一主題はスローに澄んで、第二主題はティンパニを大きく鳴らして緊迫感を出します。反復から第三主題も見晴らしがいいですね。展開部は前半のスローな暗さからポリフォニカルな山場への流れは印象的です。その後も対位的な動機を絡めて混沌とさせるのも良いですね。再現部の第三主題回帰の穏やかさへの変化も極端に落とします。哀しみや優しさとは違う混沌の第一楽章を上手く作り上げている印象です。

第二楽章
主要主題は二つの動機を軽妙に絡ませ舞曲的に、第一トリオも演舞風に軽やかです。切れ味よく進んで第二トリオは緩やか優美です。この流れが第一楽章との対比になっていますね。後半も殊更に狂乱しません。

第三楽章
主要主題はまとまり良くリズミカル、副主題(第一トリオ)でも流れは軽快です。荒れた印象も上手くコントロールされています。中間部(第二トリオ)もあまりスロー化せずに流れをキープして、ラストも暴れすぎずに鳴り良く納めました。

第四楽章
主要主題は緩やかに優しさと哀しみを合わせた様に、ファゴットの動機で大きくスローに落とします。包み込む様な緊迫感が漂いますね。第一エピソードは導入部からターン音型を暗くしてラストへの印象を強く見せる流れです。見事ですね。第二エピソードも多声的な音色を静かに浮かび上がらせる上手さから、山場は壮絶に作ります。後半からコーダの静まりは言うまでもありませんね。

長い静寂のあと拍手喝采です!! 鳴り止まないそれも最後まで聞いてしまいました。


ローカルオケの演奏と思いきや見事な見晴らしの良さのマーラー9でした。指揮者の意図もオケの好演も大きく予想を裏切ってくれました、もちろん良い方にです。

混沌の第一楽章、軽妙さの中間楽章、静けさと哀しみの最終楽章。見事に揃えましたね。近年、素人が生意気なのはご容赦ください、マーラーの交響曲の演奏レベルが上がっているのを実感できます。素晴らしい演奏でクールです!! 欠点があるなら, まとまり過ぎの一点でしょうか。



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ワーグナーの序曲・前奏曲を楽しめる管弦楽曲集:クールなデ・ワールト vs 濃厚なエストラーダ


ワーグナー管弦楽曲集
①エド・デ・ワールト ②アンドレス・オロスコ=エストラーダ
リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner, 1813-1883)の楽劇の序曲や前奏曲を集めたアルバムですね。一昔前は人気があったと思うのですが、今やなんでも全曲版の時代。このパターンが少なくなった気がします。でもコンサートでの登場機会もあり、ワーグナーのお馴染みの曲を知っておきたい、聴いてみたい、と言ったニーズはあると思うのですが。

ちなみにワグナーが序曲から前奏曲に替えたのは"ローエングリン"から、歌劇を楽劇に替えたのは次の"トリスタンとイゾルデ"からですね。

色々ありますが 個人的に馴染んでいたのはEMIカラヤン盤('74)ですね。今更それもないと思いますので、今回は色合いの異なる二つのヴァージョン、"エド・デ・ワールト指揮/オランダ放送フィル"(2003) と "アンドレス・オロスコ=エストラーダ指揮/フランクフルト放送響"(2018) で聴き比べてみようと思います。

ワーグナー作品年代 w:ワールト, e:エストラーダ】
  1840年:リエンツィ e
  1842年:さまよえるオランダ人 w, e
  1845年:タンホイザー w, e
  1848年:ローエングリン w, e (eは第1幕前奏曲のみ)
  1848-1874年:ニーベルングの指環 (今回録音なし)
  1859年:トリスタンとイゾルデ w, e
  1867年:ニュルンベルクのマイスタージンガー w
  1882年:パルジファル w, e




① Edo De Waart
Radio Filharmonisch Orkest Holland


Orchestral Work I
 
(左はハイブリッド盤, 右はシングルレイヤーSACDです)


『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲
かの冒頭の"マイスタージンガーの動機"はやや速めの落ち着いた気配で入ってきますね。"求愛の動機"はフルートで静める様に、コラールの様な"ダヴィデ王の動機"で華やかに、"芸術の動機"から山場へ向かいますが、この曲としては落ち着いた流れでしょう。展開部以降も同様で曲構成のわりには落ち着いた前奏曲になっています。

余計な事ですが、この曲の再現部の動機(主題)の表情を変える変奏パターンはマーラーもよく使っていると思いますね。


『ローエングリン』第1幕への前奏曲
序奏で天上が奏でられて、繊細で透明感ある"聖杯の動機"が現れます。木管に動機が移ると明るい光を感じる様になり、さらに金管が入って緩やかな広がりにします。山場は自然な流れで迎えて、静かに弦楽でおさめられていきます。穏やかで心地良い前奏曲になっていますね。


『ローエングリン』第3幕への前奏曲
第3幕の結婚行進曲への短い導入曲ですから"歓喜の動機"を切れ味よく必要以上の興奮を避けながら入ります。"婚礼の動機"を優美に奏でて、再び"歓喜の動機"がシャープに出現します。派手な曲ですが、落ち着いた前奏曲になっていますね。


『パルジファル』第1幕への前奏曲
冒頭の"聖餐の動機"は澄んだ音色を奏でて不安の流れを保ち、二回目の全休符後に"聖杯の動機"がゆったりと鳴り渡ります。"信仰の動機"が明るい光を優しく与えて、全体的には落ち着いた流れで、寂しげな"聖餐の動機"が印象的な前奏曲です。


『さまよえるオランダ人』序曲
ホルンが響く"呪いの動機"は締まり良く入り、鬱に流れます。ゼンタの"救済の動機"は静かに奏され、対話をする様ですね。曲が混沌としながらコーダは"救済の動機"で鎮まります。とは言え、抑えの効いた序曲の印象です。


『トリスタンとイゾルデ』第1幕への前奏曲・愛の死
前奏曲」のトリスタン和声が現れる冒頭の"憧れの動機"は間を作りながらもクール、"愛のまなざしの動機"は徐々にくるおしさを増しながら大きな波となりますが、揺さぶりはなくスッと冒頭の動機に寝ります。緩やかで冷めた前奏曲になっています。

愛の死」では"愛の死の動機"で静かに入り、"愛のまなざしの動機"の変奏で徐々に上げて行きます。ラストに静かに"憧れの動機"を見せます。愛の濃厚さ気高く表す感じです。


『タンホイザー』序曲
冒頭の"巡礼の動機"は緩やかに光を感じます。そのまま大きく盛り上げて"バッカナールの動機"を劇的に、巡礼動機を挟んで"ヴェーヌスの動機"は陽気に現れますね。例によってクールなコントラストですね。動機を絡ませ山場は激しさを見せて、ラストは落ち着いた広がりですね。落ち着いた構成のタンホイザーです。



楽曲構成に忠実さを感じ、興奮を排したクールなワーグナーの序曲・前奏曲になっていますね。揺さぶりは少なく、唸らせる様な流れは避けている感じです。

序曲・前奏曲自体で勝負と言うよりも、あくまでも全曲への導入をする印象です。




② Andrés Orozco-Estrada
Frankfurt Radio Symphony


Overtures & Preludes


『さまよえるオランダ人』序曲
"呪いの動機"は華々しく激しく、この曲らしさを感じます。"救済の動機"では鬱的なゼンタを緩やかに表してコントラストが良いですね。その後も荒々しさを表に出して、コーダの"救済の動機"で心の鎮まりを見せます。ストーリー性を強調する様な序曲です。


『ローエングリン』第1幕への前奏曲
澄んだ天上の音色から"聖杯の動機"は細い弦音でやや速めの繊細さです。木管が入ると落ち着いた音色となってきます。さらに金管が入る事で重心を下げて、山場は雄大に奏でます。まるで天上界から降臨するかの様です。速めのテンポ設定と楽器編成を生かして、名曲の美しい流れに磨きをかけていますね。


『トリスタンとイゾルデ』第1幕への前奏曲
入りの"憧れの動機"から大きくスローにアゴーギクを振っています。そこから"愛のまなざしの動機"がチェロで緩やかに入ると、感情移入の強い流れで二人の絡み合う情感が伝わる様です。高みに登った二人の感情が最後は見つめ合いながら離れる様におさまります。ストーリー的で情熱溢れる愛の前奏曲になっていますね。


『トリスタンとイゾルデ』イゾルデの愛の死
"愛の死の動機"はゆっくりと光がさす様に、そして"愛のまなざしの動機"変奏を繰り返しながら感情を高めて山場は劇的です。静かに死を迎える様に音をまとめるのも上手いです。イゾルデの愛が溢れる「愛の死」で、思わずグッときます。


『パルジファル』第1幕への前奏曲
"聖餐の動機"は穏やかで緩やかな光の様です。一回目の全休符後は哀しみに色を変え、二回の全休符後の"聖杯の動機"は堂々と鳴り響きコントラストが見事ですね。"信仰の動機"は緩やかに大きく、静かな中から現れます。アゴーギクを排したスロー静の中に表情のある前奏曲になっていますね。後半やや中だるみ感があるのが少し残念です。


『タンホイザー』序曲
"巡礼の動機"は澄んだ哀愁の音色を感じます。"バッカナールの動機"・"ヴェーヌス"の動機は派手な鳴りで色合いを濃く奏します。山場は速目に刺激を与えて、ラストはもちろん壮大そのものです。本編並みに激しい流れになっていますね。


『リエンツィ』序曲
殆ど序曲でしか聴くことのない歌劇ですね。導入部の管楽器の動機は暗く落ち着き、リエンツィの祈りで広げる様に美しい流れを作ります。雄叫びでは大きく鳴らして流れに変化を付けています。その後もメリハリ主体で、この曲を派手に飾り立てていますね。



アゴーギクとディナーミクによる色付けがマッチしたメリハリのあるワーグナーの序奏・前奏曲になっています。

トリスタンとイゾルデ「愛の死」は気持ちが入ってしまいますし、ローエングリンの第1幕前奏曲は素晴らしい演奏です。エストラーダ侮れず!! と言った感じですね。




クールなワールト、濃厚なエストラーダと言うとても対照的な二枚ですね。ストーリーをイメージしながらゆったり聴くならワールト。感情移入しながらメリハリを楽しむならエストラーダでしょう。

ワールトのワグナーと言うとデ・ヴリーガー編曲の管弦楽版"指環"が知られる訳ですが、個人的には以前インプレしたジョナサン・ダーリントンの"ドレスラー編曲版"も侮れずだと思います。


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エウローパ・リトロヴァータ(Europa Ritrovata) の「Affect Is No Crime, 古楽器のための新しい音楽」を聴く


Affect Is No Crime New Music for Old Instruments
(Europa Ritrovata)
エウローパ・リトロヴァータ(Europa Ritrovata)はブリュッセルをベースに活躍する古楽器四重奏団ですね。古楽器フルート, 古楽器ヴァイオリン, 古楽器ヴィオラ, チェンバロ, が基本編成で、バロックから前衛まで演奏します。

古楽器で前衛現代音楽を作る・奏でる、と言うのは方向性から行けば"特殊奏法"的なアプローチの気がします。今更的な印象を受けるのも事実で、何か新しいアプローチがあれば期待値は高いですね。T.P.リオンティリス以外は古い現代音楽家が多いのが気になります。(古楽器でも特殊奏法を入れているそうですが)







ジョセリン・モーロック
(Jocelyn Morlock, 1969/12/14 - )
カナダの女性現代音楽家です。楽風はポストモダンですが、調性を大きく超える事は無いようですね。

Revenant (1969年)
 調性にほんの僅かな不協和音を交えた新古典主義風の室内楽ですね。チェンバロの響きに古楽器を感じますが、特異性はありません。バロックを意識した和声を用いたり、少し民族音楽の和声もあるかもしれません。面白さはありませんね。



ハンス=マルティン・リンデ
(Hans-Martin Linde, 1930/5/24 - )
ドイツのリコーダー, フルート奏者の音楽家ですね。今回もフラウト・トラヴェルソ(フルートの前身)の為のソロ曲が採用されています。

Anspielungen (1998年)
 一曲目に比べると遥かに面白い、特殊奏法を交えたトラヴェルソのソロです。前衛とは言えませんが、吹きながらvoiceを交えたり、抑揚を与えたり、テクニックを見せたり、と聴かせてくれます。



ジャクリーヌ・フォンティン
(Jacqueline Fontyn, 1930/12/27 - )
ベルギーの女性現代音楽家です。ブリュッセルとパリで作曲を学び、指揮もウィーンでH.スワロフスキに師事していますね。

La Fenêtre Ouverte (1996年)
 リズムを合わせたポリフォニカルな旋律が古楽器の個性を見せて楽しい導入部になっています。この編成で即興的ポリフォニーは面白いかもしれません。特にチェンバロはこのくらいやらないと全てバロック化して聴こえてしまいますね。そこを上手く処理したのがこの曲の良さだと感じます。その後もホモフォニーの関係を生かしながらも、基本は四つの古楽器の前衛無調ポリフォニーで、特殊奏法も含めて面白い音色を生かしている感じです。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



タノス・ポリメネアス・リオンティリス
(Thanos Polymeneas Liontiris, 1981 - )
オランダの若手現代音楽家でインスタレーションやパフォーマンスの表現をしますね。ロッテルダムで習った後、仏IRCAMで電子音楽を研鑽しています。まさに今の時代の現代音楽家ですね。

Sun Bleached (2018年)
 この曲だけリオンティリス本人によるエレクトロニクスが入ります。予想通りノイズになりますね。チェンバロはそれらしさを避けてトリル・トレモロの背景音と単音の響きが主になっています。無調混沌系の現代音楽で楽曲自体が面白いです。インスタレーション化しているのかは聴いただけではわかりません。



ユッカ・ティエンスー
(Jukka Tiensuu, 1948/8/30 - )
フィンランドのチェンバロ奏者で現代音楽家、演奏家の方がメインの様です。シベリウス音楽院で音楽全般を学んだ後、フライブルクやIRCAMでチェンバロの古典・前衛の演奏をしているそうです。

Tiet/Lots (2003年)
 "La Fenêtre Ouverte"の導入部と似たアプローチを感じます。いずれにしてもチェンバロにバロック感を与えないのがキーですね。ここでも調性感のある旋律でのチェンバロを前面に出す事は避けている感じです。楽曲的には強音でのモノフォニーの様な速い音出しが印象的で、最後のパートの混沌乱音は面白いです。



音色にクセのあるチェンバロをどう料理するかが、新しさを感じさせるポイントになる気がしました。そういった意味では前衛としては古典的な無調/特殊奏法と古楽器の組み合わせでの面白さがありましたね。

とは言え、"新しい酒を古い革袋に盛る"(新約聖書)ではありませんが、最終的には'新しい音楽は新しい楽器で'と言う事になるのでしょう。



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現代音楽の超絶ピアニスト:イアン・ペース(Ian Pace) の「Floating, Drifting」を聴く


Floating, Drifting
Ian Pace (イアン・ペース: pf)
イギリス人ピアニストのI.ペース(b.1968)は現代音楽を得意とする技巧派ですね。何と言っても、マイケル・フィニスィーのピアノ曲「音で辿る写真の歴史 (History of Photography in Sound)」で知られるところでしょう。そちらを参照下さいね。

今回は現代音楽家5人の作品ですが、メインは30'を超える二曲(J.L.アダムズとM.ピサロ)で、他三曲は3'に満たない小曲です。アダムズは電子ハロー(太陽の円光)であり、ピサロは静寂の島に囲まれた音だと言っていますね。後者はヴァンデルヴァイザー(Wandelweiser)ですからすぐに想像が付きますが。

パーカッションはサイモン・リンブリック(Simon Limbrick)です。







ジェルジ・リゲティ
(György Ligeti, 1923-2006)
今更紹介も不要なハンガリーのビッグネーム現代音楽家ですね。今回は初期作品の11パートのピアノ小曲集(バガテル)"ムジカ・リチェルカータ"から#7ですね。各曲には解説もありエチュードの様な感じです。#7も左右の手の動きの解説がありますね。

Musica Ricercata: No. 7 (1951-53)
 左手の速いトリルに右手が旋律を奏でます。その旋律は機能和声で美しいですね。2'40"はあっという間です。



マイケル・ゼヴ・ゴードン
(Michael Zev Gordon, 1963-)
ユダヤ系イギリス人現代音楽家で、元はオーボエ奏者だった様です。作曲はオリヴァー・ナッセンやフランコ・ドナトーニに師事していますね。

Crystal Clear (2003)
 1'04"の冷たく音数の少ない美しいピアノ曲ですね。一曲目からの繋がりを感じます。



ジョン・ルーサー・アダムス
(John Luther Adams, 1953-)
アラスカの自然に影響を受けた米現代音楽家ですね。若い頃はロックのドラマー、今でもティンパニスト(パーカッショニスト)としての活動もある様です。ポップベースでもありますね。

Four Thousand Holes (2010)
 'for piano, percussion and tape'という事で、テープによるノイズからフェードインしてきます。細かいパーカッション(サイモン・リンブリック)の音色と特徴的な左右協調和音のpfが透明感ある流れを作ります。pfは点描となりテープはロングトーンのシンセ音、ノイズは小さくポツポツといっています。澄んだ流れは変わりませんね。指が鍵盤を走り回る様な技巧性を見せつけるパートはありません。響く和音を中心としたpfで、終始澄んだ美しさを漂わせているのが印象的です。その和音が電子ハロー(太陽の円光)なのでしょうか。



ルチアーノ・ベリオ
(Luciano Berio, 1925-2003)
これまたビッグネームの伊現代音楽家ですね。今回の作品はソロ楽器曲と声楽曲を取り上げる事が多い年代からの一曲です。

Wasserklavier (1969)
 2'13"の澄んで静かなアルペジオのピアノ曲です。ほぼ調性の美しさです。



マイケル・ピサロ
(Michael Pisaro, 1961-)
米現代音楽家でギタリスト、ヴァンデルヴァイザー楽派の一人です。詩をテーマにした音楽やフィールドレコーディングも精通して、楽曲は欧米やアジアの音楽祭でも取上げられています。ノースウェスタン大学で作曲と音楽理論の教職にもついていました。

Floating, Drifting (2001)
 始めの55"は無音です。その後もポツポツと単音が静かに鳴らされます。殆どは無音か残響ですから、いつ音が出るのか…まさにヴァンデルヴァイザーです。普段は気にもしない部屋の中の"雑音"がケージの4'33"の様に気になります。
問題はオーディオのボリューム設定が正しいかがわからない事でしょう。それがヴァンデルヴァイザーの楽曲のを部屋で聴く際のハードルでしょうね。



ペースのアルバムなので無調の超絶技巧曲集かと思いきや、機能和声の美しさ溢れる優しいピアノ曲が並びました。音数も少なく、指が鍵盤を走り回る事はありません。驚くと共に素晴らしさを感じましたね。持っていて良かったと思わせてくれる一枚です。

今日はXmasイブですね。そんな日にかけておくにもマッチします。超クールなBGMとしても秀逸です。ヴァンデルヴァイザーに興味を持った方にもオススメですね。



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カイヤ・サーリアホ(Kaija Saariaho) の「Graal théâtre・Circle Map・Neiges・Vers toi qui es si loin」を聴く


カイヤ・サーリアホ
(Kaija Saariaho, 1952/10/14 – )
このブログではお馴染みのフィンランドを代表する女性現代音楽家で、活動拠点はフランスですね。来日時の印象は物静かで大きなオバさん、失礼!、という感じで、楽風は北欧現代音楽ではなく欧エクスペリメンタリズム系になります。若い頃、シベリウス音楽院の仲間M.リンドベルイやE.P.サロネンと"Toimii"という実験音楽グループを作っていたりもしますね。今やみんなビッグネームです。


Graal théâtre・Circle Map・Neiges・Vers toi qui es si loin
1990年代から2010年代までとスパンの広い楽曲が並んでいます。そしてヴァイオリン協奏曲二曲に、エレクトロニクス&管弦楽、12のチェロの音楽、とヴァリエーションも豊かです。

個人的な興味はもう一つあって、vnのペーテル・ヘルスタール(Peter Herresthal)で北欧の現代音楽家P.ノアゴーやA.ノールハイムのvn作品で良い演奏を残していて好きなヴァイオリニストです。
演奏はクレマン・マオ=タカーチュ指揮、オスロフィルの演奏になります。






Vers toi qui es si loin (2000/2018)
  for violin and orchestra
サーリアホの代表作「はるかな愛 (2000)」のアリアをヘルスタールの為に編曲(2018)した作品ですね。
第一印象は幽玄で美しい楽曲です。無調ですが、調性感のある旋律が静でスローに展開されて行きます。トリル・トレモロの弦楽奏を背景に、ヘルスタールのvnは暖色と寒色の間を、カリカリとマイルドの間を彷徨いますね。そこがヘルスタールらしさでしょうか。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?


Circle Map (2012)
  I. Morning Wind - II. Walls Closing - III. Circles - IV. Days Are Sieves - V. Dialogue - VI. Day and Night Music
旧ペルシャの詩人の詩を元にしたエレクトロニクスと管弦楽の楽曲です。
キラキラしたポリフォニカルさ、抑揚の強い弦楽奏、変奏反復、そこにエレクトロニクスがvoiceを入れたノイズで絡んで来ます。(多分w) それが編成楽器の違いで深く浅く6つのパートで表情を変えますね。基本的にDARK、そこに流れる幽玄さはサーリアホでしょう。エレクトロニクスとのバランスもイイですね。


Neiges version for 12 celli (1998)
8チェロの楽曲を12チェロver.にした作品です。
楽器構成が始めに目を引きますが、楽曲はサーリアホらしい弦のトリル・トレモロを下敷きにして演奏を載せて来ます。20世紀の作品なので旋律感はより低く、グリッサンドや特殊奏法的なノイズが主役となります。一部パートにミニマル的な流れもありますね。チェロ12挺に拘る必要性は感じません。


Graal théâtre (1994)
  for violin and orchestra
初演はG.クレーメル(vn)になるサーリアホ初めての協奏曲(二楽章)です。
まずは技巧性の高いカデンツァの様なvnパートで始まりますね。ヘルスタールらしい中庸性の高い演奏です。クレーメルはきっと繊細なテクを見せたのでしょう。曲はオケとの対位的な流れとなって激しい流れを作ります。主動機とその変奏と反復を感じますね。第二楽章でも入りは超絶技巧的vnからで、ここでは短いカデンツァですね。より技巧性が上がって激しさが増しています。
通してvnは演奏しっぱなしで技巧的、かなりハードなヴァイオリン協奏曲ですね。コンサートで一度聴きたいです。



サーリアホらしさ、ノイズから調性感ある幽玄な無調、が楽しめるアルバムですね。20世紀の欧エクスペリメンタリズムな流れから現在の調性を覗く多様性まで味わえますね。

無調ですが即興的なカオスはありませんから、この辺りから欧州前衛現代音楽を覗いてみるのも一興かと。



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『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» クリストフ・エッシェンバッハ指揮 / ケルンWDR交響楽団 2019年12月13日


クリストフ・エッシェンバッハ, Christoph Eschenbach
(WDR Sinfonieorchester Köln)
ドイツ人ピアニストで指揮者のエッシェンバッハが、ケルンWDR響に客演したマーラー9ですね。ドイツWDR3 Radioのウェブサイトからの配信です。

▶️ WDR3 Radio (2020年1月14日まで配信される様です)




マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Kölner Philharmonie 13 Dec. 2019)

ChristophEschenbach-Mahler9-13Dec2019.jpg


第一楽章
第一主題は主旋律より管楽器が強いです。流れが少し詰まり気味で、第二主題もその流れですが緊張感がありますね。楽器間のバランスがやや不自然さを感じさせる提示部です。展開部はややモッサリとした前半スローの暗さから、荒れ気味に緩急を付けてきます。その後も全体としてはやや掴み処がはっきりしない印象です。

第二楽章
クセのない主要主題はモワッとした感じで、第一トリオもテンポはゆっくり目で締まりが弱い感じがしますね。第二トリオも何か一つシャキっとしませんね。

第三楽章
主要主題は教科書的にスタンダートな印象で、第一トリオ(副主題)が真面目に入ってきます。王道的に絡みながら、中間部は表情が薄めですね。ラストは荒れ気味で良い感じ、この楽章が一番普通に聴けたかもしれません。

第四楽章
主要主題、第一エピソードははクセなく美しく、第二エピソードはやや速め淡白からの山場、いずれも個性に欠ける感じです。


全体的に間延び感が強い印象のマーラー9です。アゴーギク・ディナーミク共に薄く、出し入れやコントラストが弱いです。基調ややスローなので余計にフラットな印象です。ボ〜っとしている間に終わった感じでしょうか。駄耳には難しい構成でした。

演奏前にエッシェンバッハがインタビューに応えて熱弁をふるっていましたが、たとえ独語がわかったとしても難しくて理解できないでしょう。どんなに専門家の先生が腕を振るっても聴く側はド素人ジイさんの嗜好なので…申し訳ない気がします。



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素晴らしい『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» テオドール・クルレンツィス指揮 / 南西ドイツ放送交響楽団 2019年12月13日


テオドール・クルレンツィス, Teodor Currentzis
(SWR Symphonieorchester)
人気のギリシャ人指揮者クルレンツィスが、2108年より首席指揮者を務める南西ドイツ放送響を振ったマーラー9ですね。独SWR2 radioのウェブサイトから映像付きの配信です。

▶️ SWR2 radio (賞味期限は短いでしょうから、お早めにどうぞ)




マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Stuttgarter Liederhalle 13 Dec. 2019)

TeodorCurrentzis-Mahler9.jpg


第一楽章
第一主題はスローで余裕を感じます。第二主題は濃厚な色付け、反復から第三主題はアゴーギクで引っ張る様な波を作ります。クルレンツィスらしい印象ですね。変化の大きい展開部も微妙なアゴーギクを振ってきますね。導入部の暗さはスローに、アレグロ・リゾルートからは一気に上げて山場からは奈落へ落とします。その後もコントラスト付けが強烈です。スロー基調が少し気になります。

第二楽章
主要主題はスローの揺さぶりのレントラーで濃い味付けですね。第一トリオはリズミカルにテンポアップで現れ対比を強調します。第二トリオはスローに一休み感を付けています。主要主題回帰後の山場は切れ味鋭いですが抑え気味ですね。

第三楽章
主要主題は速くポリフォニカルにやや荒れた気配を作ります。そこに副主題(第一トリオ)が軽やかに出現します。中間部(第二トリオ)はターン音型で最終楽章を想像させ上手い構成です。ラストはアッチェレランド風に激走です。
主要主題と中間部の扱いは見事で、素晴らしい楽章になっています。

第四楽章
短い序奏のf指示を協調して入ると主要主題を波の様な揺さぶりで流します。クルレンツィスですね。そうなると第一エピソードはもちろん静暗のスローで繊細、コーダを想像させる良い流れです。第二エピソードは二つの山場を鳴り良く大きく広げます。そこからはターン音型でコーダへ向かって息を鎮めて行きます。コーダは静で引っ張ります。舞台演出もライトを落として、最後は真っ暗です。長い沈黙(1'15"!)の後、拍手が湧き上がります。
二つのエピソードが見事な最終楽章ですね。


いかにもクルレンツィスらしい陰影付けの明確なマーラー9です。特にアゴーギクの揺さぶりとコントラストが強く演奏上の表情は豊かですね。完成度が高くSWR SOの演奏も見事です。この配信に間に合った人はラッキーでしょう。

特に第三楽章は見事ですね。ただ個人的にはクルレンツィスは構成上の仕込みが強いのが気になってしまいます。



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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