2016年7月25日 アラン・ギルバート/都響 のマーラー交響曲第5番 at サントリーホール ★★★


今日(都響定期B)はコンサートでよく聴きに行く曲No.1のマーラーの第5番です。前回は一ヶ月前のカンブルラン/読響、会場は同じサントリーホールでした。
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このコンサートを前にマーラー5番のCDを10枚聴き比べ(Total:150CD)してきましたが、実はアラン・ギルバートはまだ録音を残していません。(アダージェットのみあり)
ギルバートは特別マーラー振りというわけではありませんね。でも特別な感じがするのは現ニューヨークフィル(NYP)常任指揮者だからでしょう。ちなみに手兵NYPとのマーラー5番はニコニコ動画で見ることができます。(*下記インプレあり) 母親で第一ヴァイオリンの建部洋子さんも映りますね。
実はこれでギルバートの方向性はわかったと思いましたが...

マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
 cbが刻むリズムを生かした特徴的な葬送行進曲、迫力と情熱漲る第二主題、出し入れを効かせた第一楽章。第二楽章も感情迸るダイナミックさと弱音スローの対比が見事な演奏でした。
第三楽章は速めでリズミカルなスケルツォとまさにワルツのレントラー、第2トリオ以降もスピード感に情熱溢れる強音パートとスローな静音パートのコントラストが飽きさせませんでしたね。hrの弱点は目を瞑りますw
第四楽章は速めでアゴーギクとディナーミクの強いダイナミックさ。珍しいアダージェットです。
最終楽章も速め、一二主題を力感強く絡めながら登ります。中間部とラストの山場でパワーを集結させ、最後はハイスピードで迫力のコーダから見事なアッチェレランドで締めくくりました。
・・・・・
事前に聴いたNYPとのライヴ(下記)からの変化が凄い。真面目な指揮者と手堅いオケの正統派マーラー5番かと思ったら、コントラストの強い爆裂 感情溢れる素晴らしい演奏でした。
コンサートならではの漲る情熱が味わえ、近年のマラ5では最高でしょう。


こういうコンサートの後は気持ち良く帰途につけますね。
ただ各楽章ともメリハリ強いコンサート向きな演奏だったのは確かで、録音で聴いたらどうなのかは気になる処です。


[P.S.]
*ギルバート/NYP (ライプツィヒ・ゲヴァントハウス、マーラーフェス2011年5月23日)
緩やかな第一楽章葬送行進曲、キレある第二主題の第一楽章。第二楽章も重厚さよりもキレとスマートさ。第三楽章は牧歌調のスケルツォと美しいレントラー、第2トリオ以降も正統派の流れです。第四楽章アダージェットは透明感高く、でも甘美さは適度な流れです。コーダは力が入り過ぎw 最終楽章は両主題を気持ち良く折り重ねながら上り、ラスト山場はパワーを振りコーダでは流石NYPの迫力を見せます。
(今回のコンサートも弦のボウイング付けはNYP/Gilbertを使っているとの事)
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微細微妙なアゴーギクはあるものの、演奏精度の高い生真面目正統派なマラ5です。
その2年前の北ドイツ放送交響楽団(NDR Sinfonieorchester)との5番はYouTubeに細切れUPされています。





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2016年7月14日 マイスター/読響 の マーラー交響曲第6番 at サントリーホール ★★

暑さも増しての梅雨の中、グッタリしますがコンサートホールは環境が良いので嬉しいですね。
今日はひどい夕立をなんとかかわして、サントリーホールでした。
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さて、マーラーの交響曲第6番「悲劇的」ですが、コンサートでよく行きます。激情的な演奏、クールな演奏、「悲劇的」に関しては両者好演が存在するので楽しみですね。今回は激情の代表、カラヤンのシャンゼリゼ劇場のライヴCDを聴いてから来ました。
2017年度から読響の首席客演指揮となるコルネリウス・マイスター(Cornelius Meister)はどのように振ってくれたでしょうか。

<マーラー 交響曲 第6番>
 第一楽章、提示部の第一主題は抑えめ、特徴的なのは第二主題の華やかさでした。これが全体を表していたでしょう。展開部では緩やかですが再現部では激しさ回帰はなくスピード感でした。
第二楽章はアンダンテを採用、甘美な美しさから音の厚みを増し山場へつなげました。第三楽章スケルツォ。アンダンテを挟んだ事で 第一楽章変奏の呪縛から逃れ、激しさ重厚さを排してスケルツォらしさを表現しました。(マーラーの指示、重々しく、とは異なりますが)
第四楽章の序章は静ですが暗さは抑えられ、提示部でも第二主題が出ると華やかさがはじけます。展開部も同様で重厚さや激情は抑え気味で進み、ハンマーは二発。再現部はモットー和音からスロー、テンポアップはリズミカルでしたが山場は暴れる様な迫力も見せながらコーダから暗転、ラストの一撃。ピチカートは小さく納めました。

マイスターの指揮はスマートですね。楽章間は長く取り、タクトを下ろすだけで起立正面正視、一息つく様な休む姿勢を見せません。
オーディエンスもそれに応えて最後は両手が降りきるまでフラブラはありませんでした。
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第二主題の華やかさが印象的で、美しさやスピード感のマーラー第6番でした。マイスターの考えが伝わり、読響もそれに応えましたね。主席客演指揮者就任が楽しみです。
ただ、この曲は個人的に重厚激情的な疲れるパターンが好きなのでw



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2016年6月29日 カンブルラン/読響 の マーラー交響曲第5番 at サントリーホール ★★☆

梅雨ですが、期待値の高いコンサートにはワクワクするものです。今日は個人的なコンサート・ターゲット曲でCD140枚の聴き比べをしているマーラーの5番ですね。というわけで六本木まで行ってきました。
 読響 カンブルラン サントリーホール

現在国内の常任指揮者では最も好きな現代音楽を得意とするシルヴァン・カンブルラン、管楽器が華やかな読響でマーラー5番、前半にリストのピアノ協奏曲第2番ですから当然人気でチケットは完売、満席近い入りでした。

リスト:ピアノ協奏曲第2番 イ長調
 6パート(adagio-allegro-allegro-allegro-marziole-allegro)ですが全体一楽章的で20'のライヴ向き、コンサート受けするヴィルトゥオーゾ曲でしょう。
前半、優美さとエネルギッシュな微妙な和声のpfが切れ味良く生きました。
中盤第3パート(allegro-moderato)の美しいオケから派手な第4パート(allegro-deciso)では、いずれも叙情性を感じる流れ。
そして再現部マルツィアーレの短い行進曲、最終部の圧倒的コーダからフィニッシュもまとまりがありました。

読響もpfの小菅優さんも全体として見事な演奏なのですが、望むならこの曲らしい強音パートでの多少暴れるくらいの演奏が聴きたかったです。

マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
 カンブルランは必ず思いを入れてくると思っていました。マーラー7番では変化球ならぬ魔球を投げてきましたから。(笑)
ところが今回は正攻法のパワープレーで驚きました。
第一楽章、第一主題はスローで重厚な葬送行進曲に、風雲急を告げる様な展開の第二主題(第1トリオ)で迫力と重厚さのバランスの良さを、第二楽章では情熱と迫力を聴かせてくれました。この第二楽章が一番素晴しく象徴的でしたね。
第三楽章はスケルツォから出し入れの効いた展開で長さを感じさせず、スピード感あるラストも良かったですね。ホルンも良い音色を奏でました。
アダージェットはやや速めで、とろける様な甘美さは排しているのは展開にマッチ。
最終楽章はゆっくりと登り上がるのがやや中弛み的ではありましたが、コーダからラストのアッチェレランドまで見事なワクワクさ。切れ味良く決まりました。
もちろんブラボー大喝采でした。

まとまりには欠けたり、tpが⁇な事もあったり、何か一つ足りない様な感もありましたが、それを補う情熱と迫力のマーラー第5番を味わえたと思います。
オケのメンバーの様子はあまり満足さが感じられませんでしたが...

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まとまりの前半、情熱力感の後半で楽しいコンサートでした。

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2016年6月9日 大野和士 / 都響 の ブリテン、ドビュッシー、スクリャービン at サントリーホール ★☆

梅雨に入ってすっきりしない天気が続く東京ですが、今日は雷雨かもの予想がどうにか雨は降らずに助かりました。
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13〜20分程度と短めの曲の組み合わせなのですが、ブリテンの歌曲はさておき 割と好きな楽曲構成だった今日のコンサートです。さて大野和士さんはどの様に振ってくれたでしょう。

ブリテン / 歌劇『ピーター・グライムズ』より「4つの海の間奏曲」Op.33a (1945年)
 やや興味の薄いベンジャミン・ブリテンですが、その中で"Four Sea Interludes from Peter Grimes" は美しさから迫力への展開が明確でコンサート向きですね。
第1曲『夜明け(Dawn)』の広涼な美しさを、第2曲『日曜の朝(Sunday Morning)』では軽快さから華やかさへ、やや調性の薄さを見せながら、第3曲『月光(Moonlight)』では力感を高めて、第4曲『嵐(Storm)』で迫力の結び。が好みですが、第1第2曲は濃淡の色付けが濃くかえって平板に感じました。良かったのは第3曲で抑えの中に良い展開が感じられてましたね。嵐はドンガラガラであんな感じでしょう。

ブリテン / イリュミナシオン Op.18 (1939年)
 英テノールのイアン・ボストリッジ(Ian Bostridge)は、今年の1/16(土)のハーディング・新日フィルの「戦争レクイエム」に続いてのブリテンです。
その時の印象、今ひとつ切れ味不足、に対して声の伸びも表現も遥かに良かったですし、演奏も揃いが良く引き締まっていました。
どこかGBの民謡的なこの楽曲に興味が薄く ランボーの詩Les Illuminationsの邦訳も意味が掴めませんが、個人的な好みを別にすれば、かなり良かったのでは‼︎

ドビュッシー / 『夜想曲』より「」「」(1899年)
 頭にあるのはブーレーズのDG盤、(CBS盤に対し)情感を抑えた寒色系の美しさの"雲 Nuages"と軽快さの"祭 Fêtes"ですね。
ここでは "雲"は、微妙に振られたディナーミクでドビュッシーらしいこの曲独特の幽玄さが感じられませんでした。"祭"は躍動感溢れる流れから山場は重量級に展開しましたね。
全体としてはややつかみ所が薄かったです。

スクリャービン / 法悦の詩 交響曲第4番 Op.54 (1908年)
 事前に四人の指揮者で「法悦の詩」聴き比べをしてきました。好みは抑えの効いた静的エモーショナルと適度な山場迫力のバランス演奏ですね。
大野/都響は全体に音量過多のフラット。静音パートでも振られるディナーミクで、全体の流れの陰影が薄まり通して音量だけを感じました。爆演中心の法悦の詩は好みでないのでただ残念です。

・・・・・

期待した後半は残念ながら好みではなかったのですが、ブリテンが楽しめたのは嬉かったですね。
全パートにディナーミクの振りが気になりました。山場の迫力は歓迎ですが、静音パートは抑えの効いたエモーショナルな美しさを聴いてみたいですね。都響の演奏は安定していて良かったですね。



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2016年6月1日 ワーグナーのオペラ「ローエングリン」 at 新国立劇場 ★★☆

休憩を含めて上演時間約5時間、ワーグナーの歌劇*ですからこうなりますね。終演が22時なので、場所が京王新線の初台と近くて助かります。
*ワーグナー作品はこの後のトリスタンとイゾルデから楽劇(Musikdrama)となりますね。
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目的はやっぱりタイトルロールのヘルデンテノール、クラウス・フロリアン・フォークト(Klaus Florian Vogt)です。
前回「ローエングリン (Lohengrin)」を生で観たのは、3.11後のNHKホール、2011年のバイエルン歌劇場の来日公演でした。演出・タイトルロール共に失望でしたから、今回のフォークトは期待ですね。('12年の公演もそれで敬遠したのですが好評だったので今回リベンジですw)

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演出はシュテークマン(Matthias von Stegmann)で現代風ですが、アヴァンギャルドではありません。近年、バイロイトを中心として前衛的な演出が増えていますが、両刃の刃ですね。とても面白いかダメか。今回はストーリー展開に対して大きな違和感がないのは好感が持てましたね。ラストもちゃんとゴットフリートが現れます。でも、1人舞台に残ったりしますが。
残念なのは、エルザに疑念が生まれる度にローエングリンが弱々しいポーズを必要以上に取る事ですね。

舞台・衣装はバイロイトでも活躍のロザリエでシュテークマンの演出とともに前回と同じです。衣装はクールな感じで年代や地域を越えた設定、舞台の配置物は極シンプルでかつ抽象的です。吊り物や せり上がり、背景にはガラスキュービクルのブロックが設定されて色の変化を見せますが印象は弱いです。
もう少し陰影の強さや展開の刺激でもないと、衣装 舞台全体がシンプルなだけに第二幕などは平坦に感じられてしまいます。

配役何と言ってもフォークトのローエングリンですね。声も柔らかなハイトーンでまさに好みのローエングリン、そしてホワイトのロングコートが似合う容姿。そもそもローエングリンは、あのパルジファルの息子にして聖杯グラールの騎士ですからねぇ。今の時代最高のローエングリン役ですね。(ちょっと太ったかな)
エルザ役のウールは通して病的・陰鬱であってほしいのですが、演技から伝わる気配は弱いです。ソプラノの声が強いんですね。
このオペラを盛り上げる二人、テルラムント役のリンとオルトルートのラングは演技・歌共にピッタリです。
渋さが必要なハインリヒのバウアーはもう少しバスの落ち着いた声が好み。
ポイント的に光っていたのは、王の伝令役の萩原潤。このオペラが締まるかどうかは この役の良し悪しもかかると思いますが、決まってましたね。

演奏は当然 東京フィル、指揮はベテラン飯守泰次郎さんになります。お馴染みの第1幕3幕の前奏曲は、ちょっと緩さを感じましたし、管楽器に多少の不安感をかんじましたが。

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全体としては、フォークトの はまり役とでも言うようなローエングリンが楽しめ何よりでした。それだけでも満足でしたね。(時折見せる弱々しい演出は別にしてw)
ローエングリンはオペラの中では一番見る機会の多い作品ですが、その分個人的な好みがはっきりしてストライクゾーンが絞られます。近年では'12/'13ミラノ・スカラ座開幕公演のカウフマンも今ひとつだったので、今回は嬉しかったですね。

そう言えば、話題になった2011年バイロイトのネズミのローエングリンもフォークトでしたね。


[配役]
 ハインリヒ国王:アンドレアス・バウアー(Andreas Bauer)
 ローエングリン:クラウス・フロリアン・フォークト(Klaus Florian Vogt)
 エルザ・フォン・ブラバント:マヌエラ・ウール(Manuela Uhl)
 フリードリヒ・フォン・テルラムント:ユルゲン・リン(Jurgen Linn)
 オルトルート:ペトラ・ラング(Petra Lang)
 王の伝令:萩原 潤

[指揮] 飯守泰次郎
[管弦楽] 東京フィルハーモニー交響楽団
[演出] マティアス・フォン・シュテークマン(Matthias von Stegmann)
[美術・衣装] ロザリエ(rozalie)


2016年6月1日 新国立劇場 オペラパレス

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2016年5月18日 クリスチャン・ヤルヴィ/都響 で聴くアルヴォ・ペルトとスティーヴ・ライヒ at サントリーホール ★★

初夏の良い天気になった東京。定期コンサートで六本木まで行ってきました。
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クリスチャン・ヤルヴィ(Kristjan Järvi)といえば、お兄さんがN響のパーヴォ(Paavo Järvi)、お父さんがネーメ(Neeme Järvi)の指揮者一家が浮かびますね。お兄さんとお父さんの指揮の違いは頭にありますが、クリスチャンの指揮はありません。楽しみにしていました。

取り上げられたのが現代音楽で、マニエリスムのペルトとミニマルのライヒ。そして現存の作曲家であり、指揮者本人とも親しいという事がポイントでしょう。これは気持ちの入り方も違うでしょうね。
ただ、両者ともに苦手な(機能和声)方向の現代音楽ですねぇ。おまけに なぜか古い年代の選曲です。さて、どうだったでしょう。

◇ ペルト :フラトレス~弦楽オーケストラとパーカッションのための(1977/91年)
 パーカッション一人の弦楽曲ですね。徹底した弦楽の変奏と反復、静的な旋律は宗教的でまさにペルトの世界そのもの。神聖にしてヒーリングです。ちなみに打楽器は時折リズムを刻む程度です。

◇ ペルト:交響曲第3番(1971年)
 より古いこちらの方が出し入れの強さがあり聴きやすい管弦楽曲ですね。北欧風な気配とペルトらしい宗教風な感じが交錯します。
殊更にティンティナブリ様式を意識する必要もありません。演奏は悪くありませんが、曲に馴染みがなく摑みどころがありません。
これは父パーヴォに献呈された楽曲だそうですね。

◇ ライヒ :デュエット~2つの独奏ヴァイオリンと弦楽オーケストラのための(1993年)
 小弦楽団と第一第二vnソロの美しいミニマル
ですw

◇ ライヒ:フォー・セクションズ(1987年)【日本初演】
 大編成オケにWピアノandキーボード、Wヴィブラフォン、Wマリンバのミニマルです。
三つの打鍵盤楽器?が入るパートでの色彩感の凄さは格別でしたね。また二台のピアノの上にそれぞれ置かれたキーボードが、一つの和音をループ処理する様な感じで長音処理していましたね。そこも音の厚みを生み出して素晴らしかったです。
最後はラベルのボレロ風で盛り上がりましたし、都響もいい音を出していました。
この曲に★★☆、他の三曲でマイナス☆....って感じかな。ヾ^^;

・・・・・
ペルトの二曲目は古いのでまだ助かりましたが、一曲目や三曲目は辛いですね。最後の曲でミニマルの苦手意識が少し薄らいだ気がします。
K.ヤルヴィに対してはもう少し聴いてみたいですね。


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2016年4月24日 山田和樹 / 読響 の チャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」他 at 東京芸術劇場 ★☆

東京は葉桜になりましたが、今年はどうも天気が安定しません。春爛漫の好天気が続いて欲しいですね。今日は雨上がりの池袋、東京芸術劇場です。
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それにしても山田和樹さんは人気ですね。席は9割以上埋まっていました。でも実は山田和樹さんの指揮で良い好みの演奏に当たった事がありません。そこで今回は 派手でお馴染みの三曲が並んだコンサートを選んでみました。オケも読響で、二日連続同演目の演奏会ですしね。これならはっきりわかると思います。

1. オネゲルパシフィック231
 短い曲ですがオネゲルの代表曲で、重厚さでお馴染みですね。
入りから強さを感じるフラットさが気になりました。ラストはトゥッティで固まりながらの迫力で良いのですが、前半は調性の薄さの反復や変奏を味わい処。でも、そうは行きませんでした。

2. グリーグピアノ協奏曲 イ短調 Op.16
 第一楽章の派手なpf、小山実稚恵さんはカデンツァでも最終楽章でもヴィルトゥオーゾな演奏を見せてくれました。少々歯切れ良くない感じもしましたが、向いていますね。
ただオケはここでもフラットです。演奏は悪くないので、山田さんの考えるグリーグなのでしょう。
曲自体が派手なので、ラストは締まりますが何か特徴的なもの、一味が足りない様な...
お隣の方はあくびしてました。

3. チャイコフスキー:交響曲第6番 ロ短調 Op.74「悲愴
 事前のヤルヴィ/シンシナティSOのインプレでも書きましたが、頭の中にあるのはムラヴィンスキー(1960年DG盤)ですね。
第一楽章、第1主題と第2主題の冒頭はとてもスローでしたね。休止を挟む展開部からは迫力なのですがややモッサリ、でも再現部でのエモーショナルさは良い流れでした。
第二楽章のワルツは軽さはなく、湿度の高い重い感じでしたね。
第三楽章はスケルツォ風から行進曲なのですが、入りのスケルツォはともかく、その後の行進曲は歯切れが今ひとつ。クライマックスはティンパニーがリズムを刻むのでOK、その迫力が良かったですね。
第四楽章は 緩徐からの情感を緩やかに、が好みなのですが違いました。
でもここで素晴らしい演奏に出会えました。入りの緩徐は暑くるしかったですが、その後は情感のこもった最終楽章でした。

読響は良かったですが、珍しく管楽器に時々乱れがありましたね。第一クラリネットは後半で楽器の具合が悪くなり、ちょっと困った事をやったのがザンネンでした。

・・・・・
山田和樹さんは、エモーショナルなパートが素晴らしいのでしょうか。強音パートは暑くるしいフラットさを感じられましたが。今日の楽しさは、悲愴の最終楽章でしょうね。あの曲の一番厄介なパートを楽しめました。
マーラーの第9番は聴きに行ってみよう…か…



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2016年4月12日 ロト / 都響 の ストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」と「火の鳥」at 東京文化会館 ★★☆


春の桜の騒ぎも一段落の上野まで行って来ました。東京文化会館は昨年7月の二期会「魔笛」以来、久しぶりですね。

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フランソワ=グザヴィエ・ロト(François-Xavier Roth)も、昨年7月の読響とのコンサート以来です。
ロトは現代音楽にも明るく、2014年のドナウエッシンゲン音楽祭ではグランドピアノを破壊するサイモン・スティーン・アンダーセンのピアノ協奏曲を振っていますね。
今回の都響初登壇はBシリーズのベートーベンが持ちチケットでしたが、ここはストラヴィンスキーのバレエ曲を選択し振替えました。特に「火の鳥」は好きな楽曲の一つです。
ロトは前回の読響での印象が、メリハリが薄く感じ今ひとつでした。でも都響とのストラヴィンスキーでは、見事 印象を覆してくれましたね。

◆ バレエ音楽「ペトルーシュカ (1911年版)」
 4場構成ですが、場の移行は太鼓の音でわかるので助かりますね。その音が大きく驚きましたが。
『第1場:謝肉祭の市』は有名な主題から「ロシアの踊り」まで、微妙なアゴーギクが生かされて煌びやかな流れが作られましたね。メリハリもあり、引き込まれる演奏でした。
短い『第2場:ペトルーシュカの部屋』でもその流れは保たれて、鬱なペトルーシュカのイメージを振りほどく様なコントラストのある演奏でした。
『第3場:ムーア人の部屋』は色濃い入りから、ペトルーシュカが振られた踊り子とのワルツへと、ここでも表情豊かな展開。
『第4場:謝肉祭の夕暮れ』では前半の市場の通りの色鮮やかさが再現されて、「馭者と馬丁の踊り」では迫力ある音も聴かせてくれました。

アゴーギクとリズム感のロトの指揮と、都響のまとまりの良いシャープな演奏で、間違いなく好演だったでしょう。ただバレエ音楽と言うより演奏会パターンで、2場の鬱や3場のグロテスさが薄まり、一考の余地を残した気もします。

◆ バレエ音楽「火の鳥 (1910年版)」
 近年のコンサートでは、昨年のサロネン/フィルハーモニア管、'12年のインバル/都響 が良い印象ですね。この大編成ではバンダが入りますが、今回は途中からステージに入って来るパターンでした。

ここでは一転して、バレエのシーンが浮かぶ展開でした。
『火の鳥とイワン王子のシーン』では、押さえの効いた流れで まさにこのバレエ曲前半の展開。コンサートでは、ともすると長く単調に感じる『火の鳥の嘆願』は美しさが素晴らしく、『王女達のシーン』のロンドでも美しい流れは際立ちました。
後半は、見せ場『カスチェイと怪物、そして火の鳥のシーン』で約束どおりの迫力で演奏し、『火の鳥の子守唄』も見事にチェンジペースを見せてくれました。
『大団円』は霧が晴れる様に進み、最後はトゥッティの大迫力です。もちろん大喝采、ブラボーです。

前半は静的な中に美しさ、後半は豪快さと切れ味、バレエ曲として完成度の高い火の鳥DVDで何回も観たバレエのシーンがラップしましたね。演奏の充実感も見事でした。
大拍手を受けて指揮者がメンバーに起立をそくしてもオケは起立せずにコンマスがロト自身に拍手を受ける様に促したり、終演後のメンバー間での握手はオケも満足の表れでしょう。


・・・・・
聴きやすい演奏会的なペトルーシュカに対し、バレエ曲として見事な出来だった火の鳥。個人的にはロトの火の鳥の素晴らしさに★★★です。
それにしても都響の演奏は切れ味もあり見事でした。


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2016年2月12日 カンブルラン/読響 の マーラー交響曲第7番「夜の歌」at サントリーホール ★☆

少し暖かくなりましたでしょうかねぇ、立春を過ぎてから。今日の六本木一丁目も真冬の寒さではなかったですね。
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マーラー第七番のコンサートは、'14年3月23日のシャイーと手兵のゲヴァントハウス管が手の内にした素晴らしい演奏以来です。国内オケとしては期待値の大きいセット、シルヴァン・カンブルランと読響がどう聴かせてくれるのか楽しみでした。
結果はマーラー第7番らしくないマーラー第7番?!

◇ マーラー:交響曲 第7番「(通称)夜の歌」
第一楽章は、この楽章でしか使われない小型チューバの様なテノールホルン、その主題が象徴的なのですが、前半にある調性の弱い展開に焦点を当てた為か不安定さが強いです。でも後半からフィニッシュにかけては流麗で華々しい素晴らしい展開でした。結果的にこの楽章が一番良かったです。
一つ目の「夜の歌(Nachtmusik I)」第二楽章と第三楽章スケルツォは消化不良気味。独特で微妙なテンポ変化は不安定さと違和感を拭えません。そうなると二楽章の入りのホルン二人の破綻も余計に気になってしまいます。
ギターとマンドリンの音色が主役の第四楽章「夜の歌(Nachtmusik II)」は室内楽的な流れも出てましたが、ここでも違和感を感じました。もう一つの主役はホルン、これはもっと鳴らしてもいいですよね。
最終楽章は物議ある華燭な展開なのですが、この楽章で感じた大きな流れと細かい流れ両者のアゴーギクの振りがこの楽曲全体に仕込まれているようです。それが不安定感の元でしょう。
聴き慣れたはずのパートが馴染みません。ラストは物の見事に決めてくれましたが...

明らかに主張する何かを感じた演奏でした。カンブルランの狙いは何だったのでしょう。
変化球は球すじを見極められて楽しめますが、魔球を投げられたらお手上げです。慣れれば変化球かもしれませんが。

(レコーディングしていたようなので球すじが見極められるかもw)

休憩前の曲、個人的には時間調整分でNachtmusikからみ、とってつけた様なアイネ・クライネ・ナハトムジークは必要なかった気がします。それだったらカンブルランは仏本国やEUでは現代音楽の指揮で著名ですから、現代曲を取り上げて欲しかった処です。(賛同者は少ないでしょうがw)


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2016年1月27日 ダウスゴー・新日本フィル / マーラー 交響曲第5番 at サントリーホール ★★★

一気に冬らしい寒さがやってきましたが、今日は寒さが緩みましたね。六本木一丁目ポカポカ陽気?!に感じました、って言うと大げさですが手袋は不要でしたねw
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マーラーの交響曲第5番は個人的なコンサート ターゲット曲、指揮者やオケの個性を楽しむ為に出かけています。今回のポイントはトーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard)が、この曲の録音を残していないと言う事ですね*。デンマークを代表する人気指揮者、個人的にもファンです、のタクトがどう振られるのか とても楽しみなコンサートでした。
(この曲のCD聴き比べ140枚は以下です)
http:// マーラーの交響曲第5番 聴き比べ 140CDs
*Kaplan Foundation MAHLER DISCOGRAPHY による (net版による非正規盤確認も含め)

◇ マーラー / 交響曲第5番
情熱の伝わる演奏が、管楽器の弱さを補える素晴らしさでした。
第一楽章の出だしの強音パートでこれはきっと素晴らしいだろうと感じましたね。重厚さを抑えた葬送行進曲は美しささえ感じさせて、表情を転換する強烈な第二主題(第一トリオ)に繋げます。
白眉だった第二楽章。マーラーの指示通り、迸る猛々しさが見事‼︎ この楽章と最終楽章のフィニッシュが良かったですね。
でも第三楽章スケルツォではオケの金管楽器が馬脚を現し、不安定で締まりに欠ける音を出してしまいました。
第四楽章アダージェットでも弦楽群は甘美さを避けたクールな演奏でしたがハープが強く、静音の美しい弦五部の音色を殺してしまいました。
最終楽章は徐々に上げて、というよりも初めから切れ味良く走り半ばの山場は抑えめにコーダへ向かいます。後半の山場を荒々しく盛り上げ、駆け上がる様にフィニッシュへ。アッチェレランドをビシッと決めて大喝采です。
ここには、コンサートならではの情熱を実感させてくれる物がありました。マーラーの5番はそれなりに聴いているので好みがはっきりして難しくなってしまいます。でも、ダウスゴーは見事期待に応えてくれましたね。
NJPの管の弱さは目を瞑りましょうw

前半のモーツァルトにも一言触れておきましょう。今日1/27は生誕260年の記念日だそうですから。
◇ モーツァルト / 交響曲第35番 『ハフナー』
こういう機会以外で聴く事のないモーツァルト。この曲を聴いたのは過去の事で N.マリナー盤のカチッとしたイメージです。本来ピリオドじゃないの??などと言った事も今や昔、残念ながら興味の範疇ではありません…
第一・四楽章でやや早いテンポで流麗に、そして現代的な色合いを見せてくれました。特に第一楽章でそのダウスゴーらしさを感じられて良かったですね。

新年からNJPを続けて観たのですが、やや疑問を感じてしまいました。個人的な好みの問題かもしれませんし、自分の駄耳のせいかもしれませんが…
とは言え、今年は S.カンブルラン/読響 と A.ギルバート/都響 のマーラー5番もあって、期待値が増したかも。そんな事を考えて南北線から新宿線へ乗り換えて帰宅しました。

もう一つ目を瞑らないといけない事が。最前列でのひどい酔っ払いはやめてほしいです。


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ものずき、おっさん じいさん、わがままきまま、すきほうだい、しななきゃなおらない.

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1.このblogで言う現代音楽
2.マーラー交響曲第5番 150CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

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