2018年1月20日 大野和士/都響 のメシアン「トゥーランガリラ交響曲」at 東京芸術劇場

楽しみにしていた大野さんの「トゥーランガリラ交響曲」です。
近年のメシアンでは昨年のカンブルラン/読響「彼方の閃光」が出色の出来でしたね。(アッシジの…には行けませんでした)

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個人的なこの曲の印象と楽しみは、下降音階、等拍的リズム、主題(特にStatue ThemeとLove Theme)で、その中に ある種のポリリズムとも言える「ペルソナージュ・リトミック」の複雑な絡みです。
「非可逆リズム」と「移調の限られた旋法」といったメシアン独自の対称性で構成されていて「群論」を思い浮かべますね。




告別の鐘と微笑み~オリヴィエ・メシアンの追憶に:ミュライユ

引用元のメシアンの最初期作品「八つの前奏曲」"6.苦悩の鐘と告別の涙 Cloches d' angoissse et larmes d'adieu (1929年)" も8'弱の小曲ですが、より短い4'ほどのピアノ曲です。美しく不思議な和声のメシアンに対してミュライユらしい残響音の響きが特徴的でした。
ただピアノは叩き過ぎ、ミュライユですからね。グリゼーだったらこれかもしれませんが。同じ事か「トゥーランガリラ交響曲」のpfでも言えた気がします。


トゥーランガリラ交響曲:メシアン

すぐに気になったのは強音側に振られたアゴーギクの速さです。これでは管楽器はメシアンらしい煌めきではなくパワープレイになってしまいますね。
第五楽章「彫像の主題」からの「ペルソナージュ・リトミック」はメシアンの色彩感ある複雑さよりも荒々しさの印象。
第六楽章はもっと弱音のほうが、四度下降が印象的な「愛の主題」の静的美しさが際立ったと思います。
第八楽章と最終楽章前半は元気さでもOKだったかもしれませんが、コーダ前の「愛の主題」は派手過ぎ、ラストは大野さん大好きの爆裂フィニッシュでした。
全体的に音の厚い、パワー系でしたね。


煌めく様な色彩感のメシアンではなく、爆音元気な「トゥーランガリラ交響曲」でした。
残念ですが、好みのメシアンではなかった感じです。これがマーラーだったら漲る興奮を生かした素晴らしいコンサートだったでしょう。



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2018年1月10日 大野和士/都響 の R.シュトラウス組曲《町人貴族》・ツェムリンスキー交響詩《人魚姫》at サントリーホール

今日が年明け初コンサート、都響第846回定期演奏会で冬晴れの六本木まで行ってきました。

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20世紀初頭のドイツ後期ロマン派作品、似たような演奏時間の標題音楽二つが並びました。
違うのは小編成オケと大編成。
大編成の『人魚姫』の方が曲調含めて大野さんが得意そうな気がしますが、どうでしょうか。事前インプレをしてから来ました。
 ・R.シュトラウスの『町人貴族』聴き比べ:テンシュテット / ライナー / シュトラウス
 ・ツェムリンスキーの交響詩『人魚姫』を聴く



組曲《町人貴族》 Op.60:R.シュトラウス

前奏曲冒頭の軽さを聴いた時はアレ?っと思いましたがその後はアゴーギクを使ったいい流れに、続く2.メヌエットではロココ・バロック調のこの曲とは思えない小編成オケながら重量感ある演奏になりました。
独奏vnは力感ある音色と切れ味を見せ、part9.宴会は素晴らしく、表情豊かにしてお喋りな演奏で楽しませてくれましたね。R.シュトラウスですからね、これでないと。
それにしても、この曲はピアノが響きませんねェ。


交響詩《人魚姫》:ツェムリンスキー

一言で言うと、大音響の人魚姫でしたね。各楽章共に、残った印象は大編成オケの鳴り響くパワー。弱音側の振りは極少なく、とにかく厚め。アゴーギクもあまり感じなかったので、印象は爆音フラット。
人魚姫の独奏vnは第一楽章はわかりましたが、第三楽章の弱音ソロはわかりませんでした。人魚姫のストーリーを想像する様な展開ではなかった感じです。
とは言え、これだけの音量は実に久しぶりの様な...
終演後のオケのメンバーの様子はかなりの満足気。またもや駄耳の証明⁈


何と言っても表情豊かな《町人貴族》が素晴らしかったですね。
事前予想では《人魚姫》だったのですが、こちらは久々の大爆音が楽しめたので、それもまた楽しでした。
今年の初コンサートとしたら上々でしたね。


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2017年11月8日 ハンヌ・リントゥ/都響 の シベリウス『クレルヴォ交響曲』at 東京文化会館

曇り空の東京 上野、今日は久しぶりの東京文化会館です。フィンランド・セット&都響の今夜は楽しみでした。

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ストーリー(あらすじ)や楽章の内容はベルグルンド/ボーンマス響の"KULLERVO"でインプレ済みですので、ご覧ください。今回は結構聴き込んできました。


クレルヴォ交響曲 Op.7

劇的なクレルヴォでした。何と言っても第三楽章の声と音の厚みに圧倒されましたね。主役はフィンランド ・ポリテク男声合唱団の百人合唱の迫力で、その声量声圧に負けないハンヌ・リントゥと都響の劇的展開も素晴らしかったです。ニーナ・ケイテル(sop)とトゥオマス・プルシオ(bar)も感情溢れる独唱で応えてくれました。

【第一楽章】導入部 Johdanto (Allegro moderato)
 全体やや速めで音の厚みを感じる流れ。でも再現部後半の激しさとコーダの静けさのコントラストは弱く感じられました。
【第二楽章】クレルヴォの青春 Kullervon nuoruus (Grave)
 ともすると間延び感のあるロンド形式の緩徐楽章前半ですが厚みのある音で聴かせましたね。主部の回帰では激しさと静けさのバランスを見せました。
【第三楽章】クレルヴォとその妹 Kullervo ja hänen sisarensa (Allegro vivace)
 踊る五拍子リズムから強く入り、圧倒的な大合唱が旅するクレルヴォを歌います。山場は、身の上を歌うN.ケイテルの後半からT.プルシオ。情感強く、また激しい調子で感情を歌い上げ、まるでオペラの様でした。特にプルシオは声量も見事でしたね。
リントゥは全体パワー系とも思える強烈な劇的表現で都響を鳴らしました。
【第四楽章】戦いに向かうクレルヴォ Kullervon sotaanlähtö (Alla marcia)
 軽快さよりもパワーのスケルツォ。何と言ってもコーダからフィニッシュが雄々しく爆裂で見事でした。
【第五楽章】クレルヴォの死 Kullervon kuolema (Andante)
 森の中を歩き妹の最後の場所へたどる道を歌う合唱には悲しみがこもりました。剣に死を問い その死までは激しく、ラストの管弦楽の後での合唱は大きく死を歌い劇的な締めくくりとなりました。


フィンランディア Op.26 (予告アンコール)

 中間部のフィンランディア賛歌合唱付きは初めて聴きますが、とても合っていました。ラスト1'の主部の再現では大迫力‼︎ もちろん大喝采!!


素晴らしい演奏会でした。クレルヴォは歌詞を知って聴くと悲しみ深く感じますが、リントゥは厚め側ディナーミクを最大限生かす激情型。好みは別れるかもしれません。でも、コンサートならではの一体感ある盛り上りが感じられました。そこが一番ですね。

『フィンランディア』に喰われるかと心配もありましたが、その心配は杞憂でした。アンコールにぴったりの位置付けで楽しませてく良かったです。



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2017年10月24日 小泉和裕/都響・イブラギモヴァのバルトーク、そしてフランクの交響曲 at サントリーホール ★★☆

台風が去って久しぶりに天気もそれなりに持ってくれた東京。今日は六本木へ行ってきました。

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コンサート受けする二曲が並びましたね。
何と言ってもヴァイオリンのテクニックが見せどろこのバルトーク。アリーナ・イブラギモヴァはティベルギアンとの10/8三鷹に続いてですが協奏曲ではどんな姿を見せてくれるかですね。
フランクの交響曲は定期コンサートでもないと今は殆ど聴く機会がありません。でも、各楽章の構成はまだ覚えていますから楽しめそうです。




バルトーク:ヴァイオリン協奏曲第2番 Sz.112
イブラギモヴァの印象が変わりますね。溢れるパワーで切れた弓の毛をちぎり、身体を揺さぶり髪振り乱す力演です。当然音も太くフルパワーでした。
小泉さんも、都響を鳴らしにかかるのでバルトークの微妙な味わいより力感の演奏でしたね。
ただ、視覚に圧倒されてvnの音の切れ味はよくわかりませんでしたが。
第一楽章:イブラギモヴァのvnは出だし第一主題から全開。セリエルを思わせる様な十二音全音階の第二主題も微妙な味わいは無く力感です。展開部の技巧やパッセージから再現部のカデンツァまで大暴れの演奏でした。
第二楽章:変奏主体の繊細で美しい緩徐楽章...とはいきません。テクパートでは強烈に見せにかかります。
第三楽章:アーチ構造で第一楽章的にvnテクの見せ場がいたる所にあり、イブラギモヴァのvnが唸りを上げます。とにかく驚きの力業でした。
エンディングがvnなしで終わるのは不思議でしたが…


フランク:交響曲 ニ短調
この曲はいかにも小泉さんが得意とする感じですが、結果も予想どおり。
都響もいつもの通り乱れのない好演でしたね。
第一楽章:序奏+第一主題はスローかつ重厚。第二主題と第三主題は短く感じましたが、展開部から再現部は華々しく朗々と大きく響かせましたね。
第二楽章:主部の緩徐さと中間部のスケルツォらしさは厚めでしたが、鳴りの良さがありました。
第三楽章:提示部のファンファーレから第一主題は軽やかに入り、第二主題からは重厚な音の厚みを生かして展開部の転調まで走ります。再現部は第一主題を華々しく盛り上げて、静寂からフィニッシュをビシッと決めました。




何と言ってもイブラギモヴァの稀に見る大熱演でしょう。人間は視覚に左右されますから微妙な処はありますが、良かったですね。
生でイブラギモヴァを見るのは3回目でコンチェルトは初です。コンチェルトは、今後肩の力が抜けてからが楽しみです。

小泉さんのチャイコフスキーやフランクは、大きく鳴らしてくれるので好みです。^^




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2017年10月8日 イブラギモヴァとティベルギアン の ベートーベン「クロイツェル」at 三鷹市芸術文化センター 風のホール ★★

今日はバスで15分のご近所、kokotonMAMAと二人でコンサートです。晴天の10月、昼のコンサートはいいですね。

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アリーナ・イブラギモヴァ(Alina Ibragimova / vn)とセドリック・ティベルギアン(Cedric Tiberghien / pf)のDuoコンサートは2013年9月20日王子ホール以来です。その時も「クロイツェル」がメインでしたね。

正直言うとイブラギモヴァとティベルギアンのDuoには「クロイツェル」は合わないと思うのですが、時を経てどうなっているのか楽しみでした。もちろんその時も二人のクロイツェルCDを聴いて行きました。(←印象は今でも同じです)



普段は聴くことの稀な古典ばかり三曲。特にモーツァルトはオペラ以外は…^^;
(個人的な嗜好はリストやショパンといった19世紀生まれのロマン派以降になります。除くブラームス…笑)

モーツァルトヴァイオリンとピアノのためのソナタ ト長調 K.379
 曲がフラットなので、演奏の冴えは分かりづらいですね。一楽章では柔らかさから適度なメリハリのvn。pfは硬めで、vnは鳴りが今ひとつに感じました。

シューベルト幻想曲 ハ長調 D934
 アンダンテ・モルトからアレグレットでは細く伸びの良い音色から小洒落た音色、そして切れ味の良さがありましたね。ラストのアレグロ・ヴィヴァーチェが良く、切れ味と鳴りの良いvnを聴かせてくれました。pfは全体的にやや角を感じましたね。

ベートーヴェン:『クロイツェル』ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 op.47
 まず感じたのは、この曲が二人の手の内に入っている事でした。演奏回数を重ねている事は明白で、二人の息はぴったり。ディナーミクの付け方からこの曲の魅惑的な旋律とその間の取り方まで隙がありません。ティベルギアンのpfも歯切れや情感も素晴らしく、vnとの駆け引きも楽しめました。CDはもちろん2013年のコンサートよりもユニットの完成度が明らかに高かったですね。
あとはもう好みの問題になるでしょうか。



東京のローカル・ホールでこれだけの演奏が楽しめた事に感謝しました。これ以上の二人のクロイツェルを望むならコンサートならではの感情の炸裂といった特別な世界になるでしょう。
ただ、今日一番はシューベルトの最終楽章だと思います。イブラギモヴァの音色の良さである繊細さが生きていました。クロイツェルは野太いvnが好みです。

個人的にはイブラギモヴァのDuoなら「Szymanowski:The Complete Music For Violin and Piano」とか好きですね。





PS:イブラギモヴァは丸くなりましたかねぇ、音じゃなくて顔とかw


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2017年9月14日 上岡敏之/新日フィル の マーラー交響曲第5番 at サントリーホール ★

先月まで"2017リニューアル"で休館していたサントリーホール、再開後は今日が初でした。演目はコンサート機会の多いマーラーの5番。暑さの残る六本木です。

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マーラー5番は160CDのインプレもブログにあり、コンサートターゲット曲の一つです。マエストロ上岡敏之さんの2010年ヴッパータール響との好演LiveCDも#6に入っています。(もちろん事前に聴いてきました)



前半の楽曲にも少しだけ触れておきますね。古典を聴かなくなって数十年、カデンツァに何を採用しているかさえわかりませんので本当に印象のみです。(汗)
事前にスマートなポリーニ(w/アバドBPO)盤と血色の良いギレリス(w/セルCleveland管)盤を聴いてきました。

■ ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 op.58
 デジュー・ラーンキ(Dezsö Ranki)のpfは硬質で無表情、上岡/新日フィルは良い鳴りでキレがありました。
第一楽章は特に印象は有りませんが、第二楽章はラーキンの硬い音色が緩徐楽章に沿わない感じです。第三楽章はオケはこの楽章らしい音色を奏でましたが、pfの打鍵の硬さは気になりました。


マーラー:交響曲第5番 嬰ハ短調
 7年前のヴッパータール響との個性的なスローを生かした美しさから一転、落ち着かない揺さぶりのクセモノに変身でした。(独特のアゴーギクが根底にあるのは同様です)
第一楽章葬送行進曲ではcbのピチカートや管楽器の一音を投げる様に強調します。第一トリオは暴れ、第二トリオは美しい流れなのにvnは聴いたこともない強烈なビブラートを仕込みました。第二楽章の展開部第二主題での極端な静音対応はここでもありましたが、大きなアゴーギクと細かな揺さぶりがしっくりと来ません。クセモノは歓迎ですが、落ち着かない第一部。
第三楽章、スケルツォからレントラーは速めで全体は揺さぶりと荒れです。力強さの指示はあってもこの荒れ方は不釣合で、まとまりを感じられない第二部です。
第四楽章アダージェットも速めで入りながらのアゴーギクは、座り心地の良くない椅子の様。ここでのvnの大ビブラートは考えられません。第五楽章も頭の一音をやたらと長く保持したりとクセモノぶり発揮の第三部でした。



近年のマーラー5番のコンサートでは稀に見るクセモノでしたね。もちろんクセモノが嫌いなわけではありません、シェルヘンとかマデルナ好きですから。
ただ、細かいパートを弄くり回すのは好みではありません。また、リードのtpやオブリガートhrが怪しげな音を出し、管楽器群を主として音もまとまりも????ではちょっと……ね ^^;

クセモノぶりが様になっていたのは上岡さんの指揮スタイルと、一人ノリノリ姿だったコンマス崔さん?!w





とは言え、会場はフラブラと大喝采で皆んな大喜び。やっぱり駄耳の証明かな (笑)
いろいろな演奏に出会えるのもコンサートの楽しみの一つですね。




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2017年8月24日 読響サマーフェスティバル2017 ルイージ特別演奏会 の R.シュトラウス at 東京芸術劇場 ★☆

訳あって一ヶ月以上コンサートを空けてしまいました。夏の気候が梅雨の様な今年の東京、でも昨日・今日は晴れ間が出てくれました。今日は池袋です。

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ファビオ・ルイージを迎えてのリヒャルト・シュトラウス交響詩スペシャルですね。Fabio Luisiと言うと個人的にはオペラでの端正さ、マーラー5番ではアゴーギクをスロー側に振る 全体としてはジェントルな印象なのですが、読響とのシュトラウスではどうだったでしょう。

メインディッシュの「英雄の生涯」はカラヤンの3CDとシュトラウス本人指揮で事前インプレしておきました。(残念ながらルイージ盤は未所有ですが、頭の中で鳴っているのがカラヤンと言うのは問題かもw)



R.シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」Op.20
力感に欠けるのは残念な感じもしますが、全体としてはルイージらしいスマートなドン・ファンでした。
 冒頭のテーマは速めで、切れ味と言うよりも爽やかさを感じました。前半・中盤の2人の女性との出会いは、ルイージらしくスローに女性を表現してコントラストを見せ、後半の山場は激しさよりもスムーズ。
ラストのドン・ファンの死は、弄りようがないでしょうね。


R.シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」Op.40
素晴らしさは三つ [3. 英雄の伴侶]のコンマスの長原幸太さんのvn、迫力満点の[4. 英雄の戦場]、そして第1稿採用の[6. 英雄の隠遁と完成]のラスト、死を迎える英雄でした。
 [1. 英雄]はドン・ファンと似て力感よりジェントルさ。[2. 英雄の敵]の敵は速すぎで、揶揄する気配が弱いです。
[3. 英雄の伴侶]の技巧的なvn(妻)が素晴らしかったですね。クールかつ情感ある音色で魅せてくれました。オケの表情と絡みは今ひとつかも。[4. 英雄の戦場]は白眉‼︎。ルイージらしからぬw激しさで、読響の炸裂感は最高でした。[5. 英雄の業績]と[6. 英雄の隠遁と完成]は弱音の表情に欠けた感じがありましたが、ルイージが採用した第1稿は妻のvnに見守られながら英雄のhrがラストを静かに終える流れで素晴らしかったです。




個人的には、ドン・ファンと英雄の両テーマにビシッとした力強さが欲しかったですね。
でも、「英雄の生涯」の三つの良さで楽しませてもらいました。
ルイージの指揮スタイルが思いの外激しいのに驚きましたね。





【PS】ハイドン:交響曲第82番「熊」についてはインプレするだけの知見がありません。


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2017年6月30日 大野和士/都響, アルディッティ弦楽四重奏団 at 東京オペラシティ ★★★

梅雨で天気が今ひとつの中、第835回 定期演奏会Bで初台へ行ってきました。

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今回のポイントは明確ですね。
1) 先週に続くアルディッティSQの日本初演
2) 昨年(2016年6月9日)の大野/都響で演奏した以下二曲の延長戦
 ・歌劇『ピーター・グライムズ』「4つの海の間奏曲」
 ・スクリャービン / 法悦の詩 交響曲第4番
 (前回は迫力パートの素晴らしさと引き換えに静音パートの情感不足を感じましたが)



ブリテン:パッサカリア 歌劇『ピーター・グライムズ』より Op.33b (1945年)
全体的に強音構成でしたね。
 『ピーター・グライムズ』Op.33 第2幕第2場への間奏曲ですね。前回の「4つの海の間奏曲」をOp.33a として、この二曲を作品番号にa,bで抜き出し管弦楽曲としてあります。
6-7分の小曲、ベース低音の上に現れる各楽器の旋律とクレッシェンド、そして沈黙へ。初めから明瞭な鳴りで始まり、ラストの静音でも、消え入る様な様子はありませんでした。


細川俊夫:フルス (FULSS, 河) ~弦楽四重奏とオーケストラのための(2014年)[日本初演]
細川さんらしい神経の様な細い線、そこに弦楽四重奏の脳神経の刺激ような切れ味が絡み、最後は同期して巨大生命の覚醒なごとく。素晴らしいですね。
 アルディッティQに献呈された弦楽四重奏曲「遠い小さな河」を元に、40周期年記念に再び献呈された弦楽四重奏協奏曲ですね。恥ずかしながらの初聴きです。
静音でロングトーン、ロングボウイングのオケにアルディッティのトリルやグリッサンドが刺激します。そのままオケも同調する様に技術的にもクレシェンドしながら進み、キレキレの弦楽四重奏のカデンッアへ。そして渾然一体となります。


スクリャービン:交響曲第3番「神聖な詩」 Op.43 (1904年)
大野和士さんのスタンスが曲にぴったり合った最高の演奏でしたね。派手さが生き、テンポ、拍子の作る流れも素晴らしかったです。
闘争」序奏のtb,tpが特徴的な雄叫びを上げたあと、明確な音色にテンポを上げピチカートをバックの第二主題を伸びやかに、展開部から再現部も派手さ中心に展開します。
官能の悦び」で緩やかな流れに一変すると、トリオでは管と弦の対比を迫力で見せて、穏やかな調べから収束します。
神聖な遊戯」へは全く切れ目無くつながり、跳ねるtpのリズム主題を生かしてテンポアップします。派手さを押し出しながら表情を変化させて壮大なコーダからラストはトゥッティは雄大です。大野さんはティンパニの連打を強く残しながらのトゥッティ2発で締めましたね。




まずはフルスでしたね。繊細さから渾然の一体感へ。アルディッティSQが先週よりも鋭い切れ味が光りました。細川さんが登壇したのも嬉しかったです。スクリャービンは事前に迫力のスヴェトラーノフと爽快なゲルギエフを聴いておきましたが、それらを上回る素晴らしい演奏でした。
一曲目は情景から行くともう少し陰鬱さが欲しい気がしましたが、それを差し引いても晴らしいコンサートに違いありませんね。




都響のページには、わかり易い各曲解説があります。


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2017年6月24日 アルディッティ弦楽四重奏団 at 東京文化会館 小ホール ★★

今回のアルディッティ弦楽四重奏団(Arditti Quartet)来日、本当は6月17日(土)のラッヘンマンとの公演に行きたかったのですが水戸で都合がつかず、今日と来週の都響との共演の二回です。

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現メンバーは以下。もちろん創設メンバーはアーヴィン・アルディッティご本人のみですが、それでも最後にルーカス・フェルズが2006年に加わってから11年目になるんですね。

・アーヴィン・アルディッティ(Irvine Arditti), The 1st Violin
・アショット・サルキシャン(Ashot Sarkissjan), The 2nd Violin
・ラルフ・エーラーズ(Ralf Ehlers), Viola
・ルーカス・フェルズ(Lucas Fels), Cello

アルディッティ弦楽四重奏団来日2017年

当初二曲目予定だった西村さんの初演作品がラストになりましたね。
ご本人が最後に登壇した事もあるでしょうが、結果的に曲構成でも良かったのは。

ラヴェル:弦楽四重奏曲 ヘ長調, Ravel : String Quartet in F major
 意表を付く選曲を一曲目に持ってきたので驚きです。静的な美しさを主としたイメージはおおよそ似つかわしてくない曲ですよね。
そんな中、予想通り最終楽章の激しさが売り物でしたね。キレキレの中にエモーショナルさも生きて良かったです。
でも、三楽章まではちょっと??でした。特徴的な第一楽章の美しい流れは速めで、ラベルらしさ感じられませんでした。全体としては、やっぱりこの曲を入れた意図が個人的にはくめませんでしたね。

細川俊夫:沈黙の花, Toshio Hosokawa : Silent Flowers
 今回一番聴きたかったのはアルディッティが1998年初演しCD(インプレ済みです)にも残している、静寂の中に刃物のような先鋭な弦音が飛び交うこの曲ですね。
切り裂く様なボウイングそしてピチカート、超静音のグリッサンドと間はCDとは一味違いました。アルディッティSQが創り出す緊張感と一体感はライヴならではの素晴らしさでしたね。

バルトーク:弦楽四重奏曲第6番, Bartók : String Quartet No.6 Sz.114
 一つの主題Mestoが各序奏に存在し、それを軸にするこの曲。アルディッティSQらしさを二・三楽章の序奏後の展開に期待しましたが、そうでもありませんでした。激しさと切れ味は薄く、予習イメージのハーゲンSQを超えられませんでした。
Mesto主題が主部となる第四楽章の幽幻さも取り立てての特徴は感じられませんでしたね。

西村朗:弦楽四重奏曲第6番「朱雀」(2017/世界初演)Akira Nishimura : String Quartet No.6 "Suzaku - The vermilion Bird"
 二楽章形式 [I. 鬼(Ghost)と星(Stars) - II. 火(Fire)と翼(Wings)] で、東洋の夏とその象徴の古代中国の朱雀(Suzaku)をモチーフにしているそうです。朱雀の持つ四つのイメージを楽章に配しているとのことですね。
これが一番の聴かせどころになりました。高速のトリルとグリッサンドが支配するまさに前衛現代音楽のノイズ系?弦楽四重奏でしたね。
もちろん機能和声的な旋律は存在しませんから「朱雀の飛翔の音列主題」(D-B-E-H-F-Ges-C-A-As-G-Cis-Dis)もその中に現れます。
技巧性が強く、一塊となったアルディッティSQのみごとさが活かされて朱雀の飛翔を感じる素晴らしい演奏でした。



前衛超絶系の現代音楽と古い弦楽四重奏曲のコンビネーション。圧倒的に良かったのは現代音楽二曲でした。
とはいえ、近年言われている通り鋭い尖りからやや円熟の域の味わいになって来ているのは実感します。そしてエモーショナルな古い曲の選択。アルディッティSQに円熟を期待したくないなぁと思ったコンサートでしたね。




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2017年5月31日 諏訪内晶子, マリオ・ブルネロ & ボリス・ベレゾフスキー at 紀尾井町ホール ★☆

第5回国際音楽祭NIPPON公演の一環、ブルネロをお目当に赤坂まで行ってきました。
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今日はkokotonMAMAと一緒です。夕食を早めにゆっくりと軽く一杯。こういう日は事前の楽曲聴き込みとかせずに、ナチュラルに音楽を楽しみました。
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演奏メンバーは豪華です。
・諏訪内晶子(ヴァイオリン)
・マリオ・ブルネロ(Mario Brunello, チェロ)
・ボリス・ベレゾフスキー(Boris Berezovsky, ピアノ)

ベレゾフスキーは個人的には鬼門ですが...



グリーグ:ノルウェー舞曲 Op.35 (ソロ・ピアノのための)
 ピアノをよく鳴らし、ヴィルトゥオーゾらしい演奏を見せてくれましたね。明るい曲風ともマッチしていました。音の粒立ちが良ければ、好みなのですが。
それにしてもベレゾフスキーは、また太りましたねw

コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 Op.7
 硬質で無機質なvn、エモーショナルで朗々としたvc、幽玄さの曲調にとても合っていて素晴らしい演奏でしたね。
乱暴なボウイングでも円やかさのブルネロと、先鋭な諏訪内さんのバランスが生かされ楽しませてくれました。

チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲 イ短調 Op.50「偉大な芸術家の思い出」
 二楽章で主題の変奏による楽曲ですね。50分近くかかる曲ですが、3人の熱演でした。ただ、弦2人は情感的ですがピアノは少々没我的な感じがしました。スローなパートは三重奏の良さが味わえましたね。
アンコールの方がマッチは良かったですが、ブラームスでは何とも...



ブルネロと諏訪内さんのコダーイが曲も含めて最高で、緊張感とスリルが味わえましたね。
全体としては、もうちょっとバリエーションを付けた小曲の組合せでも楽しかったかもしれないと思いました。



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。

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