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Mary Kathleen Ernst の Keeping Time を聴く

女性現代音楽家の作品をとりあげる事で有名な米国のピアニスト, メアリー・キャスリーン・アーネスト の現代音楽ピアノ・ソロ作品集ですね。個人的に 2014年前半、注目のピアノ曲アルバムです。

タイトルの Keeping Time「時を刻む」は、このアルバムに納められた親交のある女性音楽家達の作品1991年から2012年の流れを表している様です。小曲を集めていますね。

◇KEEPING TIME (3:49, 2011年):表題曲ですね。アーネストが推す若きカナダ人の現代音楽家 Vivian Fung(1974 - ) の作品です。西洋音楽と民族音楽の融合系 が特徴的な作品を出していますね。ここでは歯切れの良い音列で、右手左手が対位法の様な演奏を見せてくれます。ミニマル的は要素も感じられますね。

◇SECRET AND GLASS GARDENS (9:40, 2000年):フルート奏者でもあるアメリカ人現代音楽家 Jennifer Higdon(1962/12/31 - ) による印象主義的な無調のピアノ曲ですね。透明感のある美しい楽曲で、処々に調性感のある流れがあります。コンサートで聴いてみたいですね。

◇DREAM DANCES (8:52, 2008年):同じくフルート奏者でアメリカの現代音楽家Katherine Hoover(1937/12/2 - ) のピアノ曲は中低音域をうまく使った緩徐的な楽曲です。独特の拍子使いが現れて、曲の流れを作って行きますね。やや単調なきらいは否めませんが。

◇MOSQUITO (5:26, 1991年):Jing Jing Luo は中国の現代音楽家のピアニストです。単音の響きを生かして音を並べながら、時折 和音を強鍵する構成の楽曲でとても興味深い作品になります。演奏するピアニストによって、表情が変わる事を前提としているかの様な楽しさがありますね。お薦めです。

◇CHAI VARIATIONS (20:57, 1995) :アメリカの現代音楽家 Judith Shatin(1949 - ) による「Eliahu HaNavi によるチャイ変奏曲」は、Theme(31")からTheme(50")まで20小曲の構成になります。古典調性内の和声なのですが、単音構成を主体としている点が現代音楽のピアノ曲のイメージになりますね。小刻みな展開です。面白いとは思いますが、随所に古典が顔を出して やや意味不明的な......でも生で聴ければけっこう行けるかもしれません。

◇SPONTANEOUS D-COMBUSTION (16:15, 2012年) :ハンガリーの現代音楽家 ニューヨーク在住の Stefania de Kenessey(1956/10/6 - ) の三楽章からなるピアノ協奏曲第1番です。と言ってもピアノソロですが。調性感の強い楽曲ですが、個性的な和声の音楽です。多調で構成されたポピュラーの香りがしますね。

◇A RECOLLECTION (4:02, 1995年) :米国を代表する女性現代音楽家の一人 Nancy Bloomer Deussen(1931/2/1 - ) のミュージングス - サーカ1940 - 第1番 「回想」は美しいピアノ曲です。転調を繰り返すのですが、極端な違和感は感じません。むしろその不安定感が美しさを強調する様です。良いですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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