ユン・イサンの Symphonies 1 & 3 を聴く

ユン・イサン(尹 伊桑 Isang Yun, 1917/9/17 - 1995/11/3)は微妙な生い立ちの現代音楽家ですね。
日本統治時代の朝鮮生まれで韓国からドイツに移り帰化しています。その後韓国に戻る事はありませんでした。政治活動にも熱心な事でも知られていますね。

交響曲第3番 (1985) は一楽章形式のベルリン時代の作品になります。韓国民族音楽と十二音技法の融和された壮大な楽曲で、処々に耳馴染みのある韓国音楽らしさが聞き取れます。実験的な無調の作品とは違い、旋律は残されて迫力の強音パートは現代音楽であり、静音パートに民族音楽が配されると言った風になります。メリハリの強い刺激的な作品です。

交響曲第1番(1982–1983) は四楽章からなるベルリン時代の作品で、基本的な展開は第3番と同じく強音パートと弱音パートの組合せになります。作曲年代も近いので当然かもしれません。こちらの方が、楽章間での差別化が感じられます。第二楽章は、特に速度表記はありませんがadagio緩徐楽章風です。ここでも緊張感の溢れる素晴らしさを感じられますね。韓国民族音楽らしさは第3番よりも薄いですね。

交響曲第一番は社会派、第三番はタオイズム(Taoism:道教・道家をさす欧州語。自然とか無為と同義)に傾倒した自然派作品と言われますが、聴いた限りでそれほどの主張の差異は感じません。第三番の方が煮詰まった作品という気がします。
強弱の出し入れで構成されるのは現代音楽では常套手段になり、聴く方も安心感がありますね。その範疇と言ってしまえば、そうなのですが。

演奏は 浮ヶ谷孝夫 指揮、"ポメラニア・フィルハーモニー管弦楽団 (Pomeranian Philharmonic Orchestra)Filharmonia Pomorska Bydgoscz" になります。クルシェネクの交響曲でお馴染みの浮ヶ谷孝夫は、イサンの交響曲全集も出していますね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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