インバルのコンサートを前に、マーラーの交響曲第10番(クック版)を聴いておく

次の日曜日(2014年7月20日)インバル/都響のコンサートの前に、Mahler Symphony No.10 を少しだけ聴いておこうと思います。
(Eliahu Inbal の フランクフルト放送響盤は所有していませんw)

◆Wyn Morris / New Philharmonia O [1972/10]
 言わずと知れたクック第3稿(最終稿)の、1st録音ですね。第一楽章では、揺れの少ない流れの中に 時折狂気の様なな強音パートが現れます。調性の薄さをあまり感じない演奏ですね。9番の最終楽章の延長上には思えない感じです。第2楽章はスケルツォと言うには粗暴に展開されます。らしくありませんね。短い第三楽章は角笛らしさがある演奏でが、すぐに暴れます。(笑) 第四楽章はシャープで時折尖ったディナーミクを展開する、独自の持ち味でしょうね。第五楽章は静音と強音のバランスが良く広がりを感じる演奏です。やや間延び感がありますけど一番この楽曲らしいですね。
ウィン・モリスらしく、ややストイックな第10番です。モリスのマーラー第5番は好きな一枚なのですが、10番は尖り過ぎかなぁ...って感じですね。




◆Simon Rattle / BPO [1999/9]
クック亡き後最終稿を校訂された第3稿第2版になりますが、この曲のマスターピース的なアルバムでしょう。ラトルはこの曲の解析もして、第3稿(最終稿)もボーンマス響と録音を残していますね。
将にヴィルトゥオーゾ系のマラ10です。すべての楽章に共通している流れがはっきりしています。それは適度なアゴーギクとディナーミクです。このマッチングが素晴らしく、切れ味のある締まった演奏となっています。そこはBPOらしさかもしれませんが。
ただ、個人的には少々出来過ぎ的違和感があります。第一楽章などは9番の流れでメリハリをあまりつけない方が好きですし、第二楽章のスケルツォもより優雅な方が好みです。しかしながら最終楽章は素晴らしいですね。静的パートを押し通しながら、それまでの楽章に無い透明感の演奏になっています。
この楽章で救われますが、全体としてはやや肩ひじ張ったマラ10でしょうか。




◆Daniel Harding / VPO [2007/10]
今一番気に入っているマーラーの第10番です。それまでのマーラーの交響曲、第9番までの流れに近い雰囲気を持っているからですね。
第一楽章は将に9番のアダージョのごとく静的に展開されます。第二楽章が好きですね。スケルツォらしい躍動感が、コーダの締めを期待させてくれるワクワク感があります。
三四楽章は楽章自体に興味が薄いのですが、悪くありません。最もキーとなる最終楽章がポイントです。マーラーらしさが薄い感じの第五楽章なのですが、処々に"らしい"音列を感じられて悪くありませんね。
現在ハーディング(with新日フィル)のコンサートを楽しめるチャンスが多いわけですが、基本はベーシックで時折つまらなさを感じる事もなきにしもあらずです。しかし、ここでは楽譜の読込みの上に織り込まれた意図が最大限発揮されいて素晴らしいです。



この他にも、第一二楽章は退屈きわまりないのに第四五楽章を猛烈にドライブするジンマン(David Zinman)のカーペンター版や、クック版最終稿の編成を拡大して楽しませてくれるバルシャイ(Rudol'f Borisovich Barshai)のバルシャイ版と、どこまでがマーラーなのかは別にして、この楽曲には楽しみがいっぱいありますね。その辺りはまた。

クック版最終稿(クックが亡くなった年)は第2稿と表現される事もあり、その場合は第3稿第2版がただの第3稿になります。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA


ものずき、おっさん じいさん、わがままきまま、すきほうだい、しななきゃなおらない.

 kokotonPAPAのブログ  ホームページtop  メールtop



1.このblogで言う現代音楽

2.マーラー交響曲第5番 160CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

カテゴリ
個人的お奨め度*
★   こんなもん?
★★  悪くないね
★★★ 最高です!
☆   +0.5
お友達ブログ
kokotonPAPAカウンター
unique-access