マーラーの交響曲第四番を聴き比べておこう:2014年4月19日カンブルラン/読響のコンサートを前に

マーラーの四番は、一番・八番を別にすれば あまり聴く方ではありません。「シュワルツコップの一癖ある最終楽章」なんて応えると"らしい" ヾ^^;

久しぶりのマーラー第四番のコンサートだからちょっと聴いておかないとね。と言う事で少しだけ聴き比べました。今更の録音ばかりですが。



◆M.T.トーマス San Francisco SO [San Francisco Symphony] 2003-9/24-28
 今やマーラーの交響曲を聴くなら外せないM.T.T & SFSO。聴くとすれば、これかもしれません。第一楽章の古典的な展開も冷静に雄大に演奏します。スケールの大きさを感じさせてくれるのが嬉しいですね。残念なのは第二楽章で、面白さは感じられません。そもそも個人的にこの楽章にピンと来ないのは確かなので仕方ありません。
M.T.T.の素晴らしさは第一楽章と、次の第三楽章ですね。この緩徐楽章は時間的にも長く、この楽曲のポイントだと思っています。静的エモーショナルで冷静な演奏が素晴らしいです。第四楽章の「天上の生活」はメリハリのある最終楽章になっていますが、個人的にはもう少し天上らしい軟らかさが好きですね。でも、この展開なら締まります。ソプラノは米を代表するコロラトゥーラLaura Claycomb。この時35歳 素晴らしいです。米国セットによるマーラーですね。
録音も良く、今的なマラ4だと思います。お気に入りです。




◆ゲルギエフ LSO [LSO] 2008-1
 ゲルギエフがロンドン響と行ったマーラー・サイクルから第四番です。第一楽章は古典的な優雅さを押出しながら、独特のディナーミクとアゴーギクを振って迫力を見せます。第二楽章はだいたい第一楽章と似た展開が多いですが、ゲルギエフも同じですね。でもやっぱりイマイチ楽章です。(汗)
第三楽章は緩い演舞の様な優美さです。上記M.T.Tが冷たさなら、こちらは温かさ。少々中だるみを感じますが。第四楽章、ソプラノは上記と同じくLaura Claycombになります。演奏は緩やかな流れと切れ味の中、ローラ・クレイクムも表情豊かに歌います。
全体に大きなうねりのマラ4ですね。今ならハイブリッドSACDのマーラー全集がお買い得。




◆バーンスタイン Amsterdam Concertgebouw [DG] 1987-6
 『バーンスタインの』DG盤マーラー4番です。思いのこもった第一楽章は力感いっぱい。言わずもがなのバーンスタインです。特有の古典的な気配が薄いのは好みですが。そして第二楽章も同じ様に繋がり、良い展開で聴かせてくれます。個人的にそれが逆手になるのが第三楽章でしょうか。この楽章のクールさはありません。暖色系のアダージョに力のこもった山場の組合せです。
最終楽章は何かと話題になるボーイソプラノ(Helmut Wittek)ですが、ここでもアゴーギクを効かせてリズミカルな感じさえさせる天井の至福になります。
いずれにしてもバーンスタイン。上記M.T.T.とのあまりの違いは驚愕です。




◆アバド VPO [DG] 1977-7
 BPOではなくてVPOとの盤にしました。この当時、アバドはシカゴ響との録音がメインですが4番はウィーンフィルとの共演です。みんな勝手に"なるほど"、って思いますよね。
全楽章通して違和感の無いのは流石はアバドでしょうか。個人的には何と言っても第三楽章の静音パートと強音パートのバランス、これが好みです。特に静音では冷たい静けさが漂い、好みの演奏です。
最終楽章も良いですね。軟らかいソプラノ(Frederica Von Stade)と演奏の組合せは将に「天上の生活」に相応しいと思います。
その他の楽章は、緩やかな中に締まりをみせる出来ですが極上というわけでもありません。でも安心感は確実にありますから、よくも悪しくもその辺りがアバド?かな。




◆メンゲルベルク Royal Concertgebouw [Philips] 1939-11/9
 あまりに古いのですが、マーラーが生きた時代の演奏者の録音となれば聴かない理由はありません。第一楽章はかなりアゴーギクを効かせてきます。でも騒ぎ立てるほど違和感のあるものでもないです。好きになれない第二楽章も同様に展開されて自然な流れで、安心出来ます。
違和感は第三楽章にあって、録音の問題でフラット過ぎです。こうなると、この楽章をメンゲルベルクが本来どう演奏したのかは不明ですね。アゴーギクに異常な展開はありませんからよけいです。
第四楽章も録音のせいでしょう、ジョー・ヴィンセント(Jo Vincent)のソプラノのパートではオケとのバランスはよくありません。ヴィンセントのソプラノは殊更にエモーショナルに天上を表現する事なく淡々としています。
録音が録音ですから観賞用と言うわけにはいかないですが、その分差し引けば(どうやってw)この解釈に格別に時代を感じると言う事はないですね。^^;




◆クレンペラー Philharmonia O [EMI] 1961-4
 クレンペラーのイメージとは少し違う演奏です。第一楽章は優雅な古典そのものです。時代が逆行した様。そして苦手な第二楽章はややアゴーギクを使って好きな演奏、聴いていて違和感を感じません、になりますね。第三楽章は第一楽章と同じ解釈で所謂緩徐楽章とは違います。それでも悪くありません。
最終楽章はそれまでの流れと異なり、オケもソプラノ(Elisabeth Schwarzkopf)もシャキシャキです。でもエンディングの仕舞いがうまく、歌詞に合わせる様に緩やかに集束します。名ソプラノ・シュヴァルツコップが楽しめるのも嬉しいです。
全体的に古典の香りが漂う中に、第二第四楽章の様な異なる展開が挟まれて個人的には面白いと感じます。そこを注目すれば、やっぱりクレンペラー?
今から入手するなら驚きのリマスター効果の廉価盤セットでしょう。




◆カラヤン BPO [DG] 1979-1〜2
 カラヤンBPOですねぇ。えっ"カラやん"? 最高にクールで、血の通わない演奏です。出来がどうのこうのではなくて、好きか嫌いかでしょうね。Edith Mathis のソプラノは表現豊です。(これが誰の演奏か聴かされなかったら、どう反応するか...…自分でもわかりません 汗)




CDにしろレコードにしろ"録音"なので、エンジニアの技量裁量 また時代の技術で大きく変わってしまいます。(そこまで踏み込んだカラヤンは、そう言う意味では別格かも)
本当のところはコンサートでないとわかりませんね。好みの演奏でなくても、素晴らしい演奏というのはコンサートには存在しますから。

歌詞の内容は当然ながら必須ですね。でもキリスト教徒ではないので、使徒の名前がでてくる天上の本質はわかりかねますね。

今回カンブルランのマラ4を聴きに行こうと思ったのは、全体クールな中に刺激を交えた様な料理をしてくれるかもしれないという期待です。さて当日はどんな演奏をしてくれるでしょうか。
楽しみですね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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