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マーラー 交響曲 第9番 名盤・珍盤 80CD聴き比べです [#3 / CD:31-40]

マーラー9番聴き比べ第3弾です。
今回は週末のインバル/都響の新マーラー・チクルスのコンサートを前にインバルの既発2CDを中心に10CDですね。
《後日追記》コンサートのCD発売を機に追記(インバル3CD)しました (2015/3)

【参考】
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)

[リスト] 現在#6回 80CD
 #1:10CD
バーンスタイン[x5 ★☆], アバド[x2 ★☆], ラトル[x2 ★], ゲルギエフ
 #2:20CD
カラヤン[x4 ★☆], テンシュテット[x3 ☆], クレンペラー[x3], ノイマン[x3], ベルティーニ[x3 ☆], クーベリック[x2], 井上道義[☆], 小林研一郎
 #3:10CD 本投稿
インバル[x3], ドゥダメル, サラステ[☆], バルビローリ[☆], ジュリー二, ドラティ[㊟], ムント, 朝比奈隆
 #4:10CD
ラザレフ, ヤンソンス[x2], シャイー[★☆], ジンマン, バルシャイ, W.モリス, シェルヘン[㊟], マデルナ[x2 ☆]
 #5:20CD
ノット[★☆], ハーディング[☆], ギーレン[x2 ㊟], 小澤征爾[x2], シノーポリ[x2 ㊟], ザンデルリング[x4], コンドラシン[x2], ミトロプーロス[x2], サロネン, アルブレヒト[x2 ☆], マズア
 #6:10CD
ショルティ[x2], ロペス=コボス, 金聖響, スラドコフスキー, セーゲルスタム[☆], ゴレンシュタイン, 高関健, 山田一雄, ミュンフン, ネトピル, ノセダ[☆]



エリアフ・インバル, Eliahu Inbal (3録音)

(#1)
Japan Philharmonic SO
[DENON] 1979-11/19


34年前の日本フィルとインバルのマラ9ですね。

第一楽章だけでなく全体的に管楽器に少し弱さを感じます。第一楽章はそれでも処々に狂気を感じさせ、また緩急出し入れで緊張感のある なかなか演奏です。第二楽章も緩く軟らかいレントラーで弦楽器が要所を締めて聴かせますね。第三楽章は解釈自体は平均的な短い楽章なのですが、楽器の纏まりが良くなり、コーダでは「極めて反抗的に」というマーラーの注意書きに近い荒れ方を見せてかなり楽しめます。マーラーの得意とする緩徐楽章が最終楽章にあるのが9番の特徴。それを感じさせてくれる第四楽章ですね。前半にまとまりをやや欠ける感じもしますが、緩いアゴーギクを巧く使って広がりを感じさせて、ラスト5分の消え入る透明感の世界へ導いてくれます。

特別な流れは無く、狂気・興奮よりも切れ味でしょうか。悪くありません。





(#2)
Frankfurter Radio SO
[DENON] 1986-9/24~27


上記7年後のインバルとフランクフルト放送響のマーラー9番です。

第一楽章がぎこちなく感じてしまいます。静かな流れが占めるディナーミク中でffパートは荒れます。でもそれは興奮とか狂気とは違い、落着きません。第二楽章もレントラーとしては独特のリズム感で、個人的にはややスローのギクシャク系に感じてしまいます。
第三楽章も同様の流れです。コーダはアッチェレランドを効かせます。第四楽章は第三楽章までの流れに比べると、速めです。1979年録音よりも1分30秒以上も短いです。ギクシャク感は少ないのですが、この楽章の持つ美しさが弱い気がしますね。ラスト5分で落ち着きを取り戻しほっとします。
・・・・・
ギクシャクとした落ち着かないマーラー9です。この6年間の変化は不思議です。



《後日追記》


(#3)
Tokyo Metropolitan SO
[EXTON] 2014-3/15-17


コンサートに行ってきた都響とのマーラー・チクルスですね。

第一楽章は特徴的な揺らぐ様な流れに身を任せたいのですが、どうもシックリきません。また、管楽器が突き抜ける音をだしたり、今ひとつまとまりに欠ける感じです。
第二楽章も安定したレントラーを期待するのですが その感に欠ける気がします。入りで "らしさ" に欠ける様な間をとったりと 気にかかりましたし、ここでもオケのバランスに締りが感じられません。
第三楽章は特に悪くはないのですが、インパクトや特徴に欠けるでしょうか。それでもこの楽章が一番まとまりがあり、特にコーダはアッチェラレンドに気合か感じられて悪くありません。全体的にはもう少しスローでディナーミクをつけた方が好みなのですが。
第四楽章は入りから情熱が感じられます。この曲の最終楽章らしさが感じられる演奏ですが、好みはやっぱりもう少し"間"があると嬉しいですね。途中の静音パートはやや弱いですかね。

第三楽章の終わり辺りからは悪くないのですが、この曲に必要な強烈な情熱や狂気が見当たりません。それを望むのは酷というものかもしれませんが…
 都響との一年前のこのコンサート、その時のインプレも参考まで。



グスターボ・ドゥダメル, Gustavo Dudamel

L.A.SO
[DG] 2012-2/2-5


現在最も注目される若手No.1ドゥダメルが音楽総監督を務めるロスフィルとのマラ9です。

第一楽章は明瞭な表現です。一回目の頂点にかけてはただの明瞭だけでなく閉じ込めた情熱を振り解く様な展開。第二楽章は多少のアゴーギクを振ったレントラー。第三楽章は太い演奏で重厚ささえ感じますね。最終楽章も美しさではない何かがあります。何かが腑に落ちない様な....。それでもこの楽章の中盤以降が一番良いですね。

重量級のマラ9ですが、もっと暗く渦巻く様な"気"が欲しい気がします。でもコンサートで観たらこの音量感を良いと思うかもしれませんね。(笑)




ユッカ=ペッカ・サラステ, Jukka-Pekka Saraste


WDR SO Köln
2009年Live [Profil]


マーラー第5番では素晴らしい演奏を残したユッカ=ペッカ・サラステ(Jukka-Pekka Saraste)と、首席指揮者を務めるケルンWDR交響楽団(WDR Sinfonieorchester Köln)です。

第一楽章の第一第二主題は切れ味ある中に優美さ、そして展開部の第三主題後の山場を締める切れ味ある流れです。この後は再現部も含めて各主題の変奏が組み合わせれますが、コントラストの効いたシャープさです。
第二楽章のレントラーには微妙にアゴーギクが振られています。ディナーミクもあり、独特な揺らぎを感じる懐の広い演奏ですね。
第三楽章は軽快さが前面に押し出されています。中間部(トリオ)では優美さも見せてくれ、後半の表情変化から最後はストレッタの絡みを強めてアッチェレランドを利かせてフィニッシュします。
第四楽章の弦楽主題はうまいディナーミクとアゴーギクで大きさを感じさせてくれます。第一エピソード後の美しい弦楽はこの曲の印象を強く伝えています。そして第二エピソード後の山場へは情感強く登りつめ、ラストのアダージッシモはマーラーの指示する「ersterbend, 死に絶えるように」の通りに薄く細く冷たい音色で消え入ります。

完成度が高く、全楽章を通して切れ味と美しさのマーラー9番です。緩やかに振られたアゴーギクとディナーミクがマッチしていますね。オススメです。




ジョン・バルビローリ, Sir John Barbirolli


Berliner Philharmoniker
[EMI] 1964-1


LIVEでの良さからベルリンフィル団員が希望して正規録音されたという逸話のマーラー9ですね。

この曲の第一楽章らしくアゴーギクとディナーミクを振ってきます。悪くありません。バルビローリとベルリンフィルの重量級の組合せが見事にマッチしているのでしょう。第二楽章のレントラーも広がりを見せ、若干中だるみを感じますが気持ちの良い展開です。第三楽章ロンドも少々単調になりますがロンドらしいシャープな演奏ですね。第四楽章は、本当は繊細な美しさを見せて欲しいのですが、太い演奏。個人的なイメージとはちょっと違うなって感じです。

重量級のマーラー9番。セッション録音ならお薦めの一枚。わがままヴィルトゥオーゾ軍団BPOが希望して録音しただけありますw
デジタルリマスタリングにより古さは全く感じません。




カルロ・マリア・ジュリーニ, Carlo Maria Giulini

Chicago SO
[DG] 1976


ジュリーニが首席客演指揮者を務めたことがあるシカゴ管を振ったマーラー9です。有名作曲家の第九番をCSOと録音したシリーズの一つですね。

第一楽章アンダンテ・コモド、冷静沈着な演奏に終始します。強音パートもそれなりで、何か起る様な不安定さはありません。第二楽章のレントラー風も柔らかい演奏で、第二主題が少し遅く感じます。メリハリが薄い感じです。きわめて反抗的に.....とは行かない 第三楽章ですが、コーダにかけてそれなり反抗的?  "反抗的"には狂気が必要ですねぇ。第四楽章、繊細さが不足でしょうか。やや音の厚みがじゃまをしています。

特徴の薄いマラ9。スマートな薄味のジュリーニでしょうか。




アンタル・ドラティ, Antal Dorati


Deutsches SO Berlin
[Weitblick] 1984-5/30


Antal Dorati と ベルリン・ドイツ交響楽団のライブ。ドラティというと個人的にはストラヴィンスキーが浮かびます。さてマーラーはどうなかと言う感じになりますね。

第一楽章は特徴らしき物を感じなくスタートします。しかし中盤に入る頃から暴れ始め、曲のイメージを変える様な奇妙な解釈さえ感じます。ギクシャク感が強く素直に付いて行きづらいかも。第二楽章もアゴーギクと言うよりもリズムの取り方が??的な...。
第三楽章、ホルンがもたついているのか そう演奏しているのか。ここでもリズムの取り方が変わってます。クラのお遊びも弱めです。第四楽章は割と普通に美しく出て、他の楽章に較べるとおとなしいですね。

特徴的な解釈もあり、"美しさと狂気"と言うよりも全体的に狂気っぽい、際物好きな貴方にオススメです。面白いと思いますねぇ。
ちなみに海賊盤から正規盤になって登場した一枚です。




ウーヴェ・ムント, Uwe Mund

京都SO
2001-3/22,24,25,26 [BMG]


京都交響楽団とムントの競演盤ですね。

全体的にスローな第一楽章。ディナーミクが低く、やや眠い調子。演奏は丁寧ですが、それがかえって期待させる気配を薄めている様です。第二楽章の入り、レントラーも生真面目ですが、ロンドが少しメリハリがあって締まりのある演奏になります。最終楽章も一部ディナーミクを大きくとる事もあり、後半の二つの楽章が救いでしょうか。

揺さぶりのない、まじめなマーラー9番。やや退屈ですが。




Takashi Asahina, 朝比奈隆

大阪PO
1983-2/15 [FIREBIRD]


朝比奈さんが設立して亡くなるまでの54年間、手兵中の手兵"大フィル"を振ったマーラー9番ですね。

全体的に暗い 第一楽章。演奏も暗く特筆する事はありません。第二楽章も少々眠く、ディナーミク不足の気がします。一つ一つの楽器に力が感じられません。第三楽章も処々でギクシャクした感じ、最後まで期待を越える演奏がないのは残念です。その中であえて言うなら第四楽章のラストの弱音の演奏が良い感じでしょうか。

見晴らしの良くないマーラー9番。人それぞれとはいうものの、コンサートならではとはいうものの、えっブラボーですか?







もちろん日頃聴いておくわけですが、なかなか進みませんねぇ。^^;


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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