アバド指揮 マーラー交響曲5番 聴き比べ 5録音:クラウディオ・アバド追悼

本日のニュースでクラウディオ・アバド(Claudio Abbado)氏の逝去を知りました。20日朝、イタリア北部ボローニャの自宅にて亡くなられたとの事。
昨年2013年10月の80歳での来日予定が中止になってしまったのが今となっては大変惜しまれます。
(チケットを持っていました。上記リンクには中止の通知があります)

今まで80CDを聴き比べたマーラーの第5番ですが、ここまでアップしていなかったアバド氏の録音5つで聴き比べてみます。マーラー第5番の聴き比べ#5になりますね。
(アップ予定で準備していたものでした…)


【参考】
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています

[リスト] 現状のMahler Symphony No.5 の聴き較べです (現在 #12回 170CDまで)
 #12:10CD
 #11:10CD
 #10:10CD
 #9:15CD
 #8:15CD
 #7:10CD
 #6:14CD
 #5:5CD アバド追悼
 #4:20CD
 #3:25 26CD
 #2:20CD
 #1:15CD



クラウディオ・アバド, Claudio Abbado (5録音)
(#1)
Chicago SO
[DG] 1980-2
 アバド47歳の時のマーラー5です。重量級オケのシカゴ響(CSO)を率いた演奏ですね。
第一楽章・第二楽章
スローでゆったりとした葬送行進曲、テンポアップし響き渡る第1トリオ、特徴は薄く真面目です。第二楽章は第一・第二主題の緩急出し入れが効いた流れと展開部後半の迫力は素晴らしいです。ただ平凡さが残るのは免れません。
第三楽章
堂々のスケルツォとレントラー、ホルンの鳴りの良い第三主題、展開部・再現部では微妙にアゴーギクを挟んでいます。構えの大きな第二部です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは暗く沈んだ美しさに厚みのあるディナーミクで重厚です。個人的にはもっと細い方が好きですが。第五楽章はナチュラルに盛り上げて行く自然な流れで安定感があります。二つの山場を迫力で盛り上げた後はパワフルかつ華やかなコーダ、アッチェレランドで締めくくります。
・・・・・
真面目で堂々とした正統的マーラー5です。重心が低く素晴らしいのですが、どうしても+αが欲しくなります。
アバドと知らなければ名演かもw




(#2)

London SO
[Lucky Ball] CD-R 1983-5

 非正基盤にはなりますが、アバドとロンドン響(LSO)によるマーラー5番です。CSO[DG盤]の3年後、BPO[DB盤]の10年前のライブです。1983年5月は来日公演と同月ですね。まさかFM東京の放送? このアルバムには来日公演と同じラ・ヴァルスも含まれてはいますが....
第一楽章・第二楽章
DG盤のCSOのファンファーレより音の止めが強い入りですが、ゆったり感の葬送行進曲からテンポアップの第1トリオは同じ流れです。第二楽章もよく似ています。その分同じく平凡ではあります。
第三楽章
流れがCSOより速い(17'33"→16'34")ですね。特にスケルツォ・レントラーで明白に感じます。その後はアゴーギクでテンポを揺さぶり、結果としてはこの楽章らしい軽快感と躍動感が良くなっています。コーダの切れ味も最高です。ホルンが処々で怪しげなのはご愛嬌w
第四楽章・第五楽章
アダージェットは冷たい流れに変わり、ディナーミクが強く振られます。繊細さと情熱が絡むのはなんとも印象的です。そのまま最終楽章も力感溢れる展開です。静かに立ち上げて行くのが普通ですが、始めから緊張感と躍動感を感じます。展開部の山場からコーダ、フィニッシュは圧倒的!
・・・・・
第一部は上記CSOと同じですが、圧倒的に違う第三楽章以降。その感情がこもる展開には心を打たれるものを感じます。
非正規盤特有のテープのヒスノイズや転写音等、音は良くありませんがそれを補います。




(#3)

Berliner Philharmoniker
[DG] 1993

(右は全集です。アバドのマーラーは外れがありませんのでこちらの方がいいかも)

 バーンスタインのDG盤と双璧の大定番、ベルリンフィル(BPO)とのマーラー第5番ですね。
第一楽章・第二楽章
ベースはCSOの延長線上にありながら、重厚にして壮麗となっています。第二楽章第一主題は押さえ気味、第二主題はよりソフトになってコントラストは弱めですが雄大ですね。でも迫力とかパワーに欠けますね。
第三楽章
実に美しいスケルツォとレントラー、第三主題も穏やかさが広がります。展開部もマイルドで、再現部後半はペースを上げ気味にコーダを迎えます。柔らか温和な第二部です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは暖色系でやや速め、CSO・LSOよりディナーミク抑えめです。第五楽章ゆったりと第一・二主題を絡ませ、コーダの期待を膨らませるように大きなクレシェンドで展開して行きます。コデッタはスローで美しくまるでアダージェットの再現の様、とても特徴的です。山場からコーダ、そしてフィニッシュまで冷静に締めくくります。その辺りがアバドなのでしょう。
・・・・・
近代設備の動物園でライオンを間近に観察する様な安心感と安定感。素晴らしいのですが何か野生の牙が欲しいマーラー5です。
(美味しいコーヒーだけど、ミルクが無い方がいい。みたいなw)




(#4)
Berliner Philharmoniker
[RNW] 1995-5/9
これは "Mahler Feest / The World Listened"題されて、1995年5月にアムステルダム・コンセルトヘボウで行われたマーラー週間を16枚のCDに納められたアルバムに入っています。一般発売されていないのですが、海外サイト等を調べれば購入は可能です。但し、価格は破格になります。
(東京の某大手中古CD店で見つかれば、まぁそれなりの価格なのですが)


 上記DG盤の2年後、同じくBPOとのマーラー5です。
当然DG盤(BPO)とよく似た演奏ですが、全体的にマイルドなベールから切れ味が見えて見晴らしが良くなりました。
特に第五楽章はコデッタの超スローをやめた事と、コーダからラストを適度なアッチェレランドで締まり良くフィニッシュ、大喝采です。
・・・・・
DG盤と同じBPOとのライヴで似た傾向になりますが、全体的には締まりと切れ味の良さを見せてスカッとしていますね。BPOとの演奏ならこちらの方が好みです。




(#5)
Lucerne Festival O
[Euro Arts - DVD] 2004
 DG盤BPOの11年後、自ら創設したルツェルン祝祭管を振るアバドですね。CDでは出ていないのでDVDになります。
第一楽章・第二楽章
ここでもそうですが葬送行進曲はアバドは通して静的スロー、第1トリオも適度なテンポでしたね。第二楽章第一第二主題の関係も同様で、極端にコントラストは付けていませんね。アバドらしい第一部です。
第三楽章
軽快なスケルツォですがやや揃いの悪さが感じられます。レントラーは速めで優美、その後も揃いの悪さはあるもののアゴーギクをうまく使って軽快さを感じさせます。オブリガートホルンも情感豊かです。ちなにみ主席ホルンは起立演奏ですね。軽妙洒脱な楽章になりました。
第四楽章・第五楽章
アダージェットも静的に入りながらディナーミクを効かせるのはアバドらしさですね。揺らぎを与える様にアゴーギクも振っています。
最終楽章は緩やかにスタートして、ここでも重さ控えめに上げて行きます。もちろんコデッタも軽やかです。山場は華やかに、コーダからフィニッシュへのアッチェレランドもシャープに決めました。
・・・・・
一気に5枚を聴いてみて上記4枚よりもシンプルですっきりとした印象です。枝葉を取り除いたアバド・マーラー第5番の本質を見た気がします。気持ちは☆です。





アバド氏の冥福を心からお祈りいたします。
R.I.P. Maestro Abbado.




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。

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