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バルビローリの「マーラー 交響曲 第6番」4CD聴き比べ


基本的にスローで重厚な演奏で、似た年代(1966-69年)の演奏が4つ残っているのが バルビローリ(John Barbirolli) の面白い処ですね。

特に面白いのは楽章の並びの変化でしょう。ライブの録音では、第二楽章にアンダンテ、第三楽章にスケルツォを持ってくる少数派なのですが、途中のEMIスタジオ録音では逆になります。それもこの短期間で変えて、また戻すのも不思議です。(アバドやギーレンも入れ替えた録音を残していますね)
4録音の内, 3つがニュー・ フィルハーモニア管, 1つがベルリン・フィル(BPO)です。





BPO
[TESTAMENT] 1966-1/13 Live =mono=


 超スローなスタートを切る第一楽章です。しかし、その後はテンポを戻してアゴーギクを振ってきます。途中の第一主題はかなりのハイピッチですね。この辺りからすでにバルビローリ節です。第二楽章アンダンテの緩徐楽章もこの演奏には合いますね。極端に叙情的にならずに冷静な流れですが、その分だけややフラットな印象が強いかもしれません。
第三楽章はあたかも第一楽章の復活の様な演奏になります。第一楽章に比べるとアゴーギクは緩めです。そして第四楽章は重厚です。アゴーギク、ディナーミクともに強めに振っています。ハンマーは2発、濃厚にして切れ味のある演奏です。これはありですね。
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BPOとBarbirolliと言うと どうしても9番が浮かびますが、こういう濃い演奏は将にBPOの真骨頂で相性抜群です。録音がデジタルリマスタリングでもしてくれたら嬉しいですが、TESTAMENTじゃ無理でしょうねぇ。
個人的には4枚の中で一番好きです。





New Philharmonia Orchestra
[TESTAMENT] 1967-8/16

 ロイヤル・アルバートホールでのライヴです。三枚のライヴ盤の中では録音状態も良いですね。
第一楽章はスローなスタートからペースを戻して行きます。BPOとの様な独特のアゴーギクといった癖の強さは影を潜めます。第二楽章アンダンテは、やや叙情的な演奏に変化して来ます。中途半端な感がなきにしもあらずですが。第三楽章スケルツォは特徴的なものは薄くなっていますね。第四楽章の独特な揺らし方もやや薄めになりますが、それでもシャープな演奏です。
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各楽章の演奏時間は上のBPO盤とほぼ同じなのですが、変化の大きさに驚きます。平凡な演奏になってしまった気もしますね。





New Philharmonia Orchestra
[EMI] 1967-8

 例によって第一楽章は超スローのスタート。全体としてゆっくり目で、アゴーギクの振り方がやや緩やかです。とは言え大きなうねりとコーダへ向けては迫力があります。第二楽章には標準的にスケルツォを持って来ています。流れは一楽章と同じで、延長線上にありますね。でもこの並びで変化の無い流れでは個人的に間延び感がします。
第三楽章に配されたアンダンテはいっそう叙情的にスロー、長いです。一二楽章の類似性に対して大きなギャップを感じてしまいます。第四楽章もスロー。雄大というよりも間延びです。
とにかくスローで長く83分、録音は一番まともなのですが異常です。好みは分かれるでしょう。
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ちなみに録音が1967年8月という事になると上記同オケとのLiveの同月にスタジオ録音した事になりますね。演奏時間(83分、他3CDは 74分前後)といい、楽章の入れ替えといい、不思議過ぎです。





New Philharmonia Orchestra
[ARKADIA] 1969-1/22 =mono=

 第一楽章は、スタートは相変わらずですが、その後は常軌を逸した感は薄くなっています。アンダンテに戻した第二楽章はエモーショナルな演奏になっていますね。第一楽章との繋がりなら、やっぱりこの方がシックリくる気がします。
第三楽章は軽めになっていますね。第四楽章も全体的に大人し目、とはいうものの雄大です。終盤で妙なアゴーギクを振っているのは流石はバルビローリでしょうか。
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全体的に特徴は薄く、美ささえ感じる様な演奏になっています。これはフィルハーもニア管のキャラかもしれませんね。基本的には '67年のTESTAMENT盤と似た傾向になります。
イタリアのARKADIA盤(HINT盤でも出ていましたね)で、録音は劣悪なので特にこれを探してまで聴く必要は無いかもしれません。





来日を果たせなかった指揮者バルビローリ。'70年の大阪万博に初来日の予定がありましたが、直前に急逝しています。





その他指揮者でマーラー交響曲第6番の聴き比べを始めました。

Mahler Symphony No.6 -- 90 CDs

 ★:名盤 (一般的にいわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)


 #0:4CD バルビローリ聴き比べ  本投稿
 #1:16CD
バーンスタイン[x2 ★☆], アバド[x4 ★☆], カラヤン[x2 (★)☆], ハイティンク[x2 ★], ゲルギエフ, 小澤征爾, 井上道義[x2 ☆], プレートル[㊟], ワールト
 #2:20CD
ヴァンスカ, ダーリントン[☆], ラトル[x2 ☆], P.ヤルヴィ[☆], N.ヤルヴィ[x2 ㊟], ジークハルト, セーゲルスタム, パッパーノ, ザンダー, ショルティ[☆], ヴィト, シェルヘン[㊟], ズヴェーデン, ノット[☆], J.サイモン, アブラヴァネル, パク・ヨンミン
 #3:20CD
テンシュテット[x4 ☆], シャイー[x2], ヤンソンス[x2], MTトーマス[x2], ハーディング, 朝比奈隆[x2 ㊟], スヴェトラーノフ[x2 ㊟], セル[x2], バルシャイ, 井上喜惟, 山田和樹, クルレンツィス[★]
 #4:20CD
ギーレン[x3 ☆], シノーポリ, メータ, サロネン[☆], サラステ, ヤング, 大植英次[㊟], ボンガルツ[㊟], シュテンツ, ヘンヒェン[x2], アシュケナージ[x2], ヴロンスキー, タバコフ, シュワルツ, マーツァル, ネトピル
 #5:10CD
ブーレーズ[x4 ★☆㊟], ベルティーニ[x3 ☆], インバル[x3]




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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