オペラ:モーツァルトのドン・ジョバンニ の観比べ聴き比べ 3つのDVD です

何となくドン・ジョバンニ(Don Giovanni : 1787, Mozart)を観たくなりました。^^;
オペラでモーツァルトと言うと ”フィガロの結婚” 等、人気ですよね。でも個人的には中途半端な感じがしてあまり観ません。イタリアオペラの様に息も絶え絶えのアリアでもなく、ワグナーの様なストリー性と音楽でもなく、ドビュッシーの幽玄さでもなく、と言った風です。
オペラは舞台があってのモノと思っていますので、DVD 3枚を聴き比べです。

◆ユロフスキー:フィンリー 2010 グラインドボーン音楽祭
 所有の中で一番新しい作品です。ドン・ジョバンニ当り役のジェラルド・フィンリー、そしてkokotonPAPAの好きなケイト・ロイヤルがドンナ・エルヴィーラを演じています。でも、一番人気を博したのはレポレロのピサローニかもしれません。
衣装は現代風(1900年代後半でしょうか)イタリアンスーツ&ドレスで、舞台はややアブストラクト、演技もストーリーにこだわらない、といった将に現代のドン・ジョバンニです。
少々残念なのは、ドンナ・アンナとオッターヴィオの掛合いが今ひとつだった事。そしてツェルリーナとマゼットもの遣り取りも、もっとユーモアがある方が好きです。全体的にシリアスな気配が強いのは、このオペラにはそぐわないと思います。
今の時代の演出ですとアバンギャルド風になるので、最後の石像の展開は苦しい感じがしますね。ここでも騎士団長は石像ではなくゾンビみたいに出てきますので頷くシーンの驚きなどが今ひとつ合いません。ジョバンニがツェルリーナ(本当はエルヴィーラの侍女)に呼びかけ歌うシーンもマンドリン(もしくはリュート?)が使われるのですが、当然持たないですからその音を奏でる演奏とシックリこない気がします。ラストは地獄に連れて行かれたはずのジョバンニの死体が血にまみれて現場に存在します。まぁ、時代が変化しているので仕方ないですね。




◆アーノンクール:ジルフリー 2001 チューリヒ歌劇場
 DVDの画像がアップ過ぎですね。舞台を観ている感じがしません。舞台は単純化されているので背景に影響される事が少ない演技主体の演出になるので、それでも良いのかもしれませんが残念ですね。
ロドニー・ジルフリーのジョバンニはプロポーションといい気配といい適役だと思います。そしてツェルリーナのリリアナ・ニキテアヌが良かったですね。
でも主役を食っちゃったのがエルヴィーラ役のチェチリア・バルトリ。グロテスクなまでの表現は好きになれませんねぇ。歌唱シーンのドアップも少々鬱陶しいですし、最後の「修道院に行く」と言う台詞も全く合いません。^^; 演出のユルゲン・フリムなのか、やっぱりアーノンクールなのか。どちらにしろ意図でしょうね。
演出では、地獄に堕ちても女たらしのジョバンニがラストで背景に出てくるのも一興です。衣装はやや古典的な風合いでしたので違和感はありません。出演者達が身に纏ったコートの出来が素晴らしかったと思います。
もう一つ良かったのはアーノンクールの演奏ですね。カーテンコールの拍手もアーノンクールが一番でした。(笑)
エルヴィーラの件さえ無ければ、とても洒脱でクールなドン・ジョバンニです。
海外版なのに珍しく日本語字幕は入っているので変だなと思っていたら、NHKが制作協力していたんですね。最近は中国語の字幕が入っている事が増えましたが。




◆フルトヴェングラー:シエピ 1954-10 ザルツブルグ音楽祭
 原作の意図を感じられるならこれでしょう。CDでもお馴染みの名盤になり今更ですが、古さの割には画質はカラーで十分耐えるレベル、音質はSPよりは良いですね。このオペラの源流を再確認する為に観たと言って良いかもしれません。
背景・衣装・演出は古典的です。そこがポイントだと思いますね。原作の展開はこの時代を背景に書かれているので上記DVDでコメントした様な違和感はありません。演出が一人歩きしていない安心感があります。
多分19世紀末から20世紀半ばはこの様な演出で観られたのではないでしょうか。フルトヴェングラーとVPOも舞台進行とマッチした重厚な演奏ですね。動くフルトヴェングラーも貴重です。始めだけですが。ヾ^^;

ドンナ・アンナ(エリザベト・グリュンマー)、オッターヴィオ(アントン・デルモータ)、エルヴィーラ(リーザ・デラ・カーザ)のシリアスなシーン。この三人の歌は素晴らしく、ソプラノ二人の短いですがコロラトゥーラも楽しめます。
演技ではジョヴァンニ(チェーザレ・シエピ)、レポレロ(オットー・エーデルマン)の掛合い、ツェルリーナ(エルナ・ベルガー)、マゼット(ヴァルター・ベリー)の喜劇シーンも楽しく、流石は名演ですね。
ジョバンニのシエピとレポレロのエーデルマンの体格が違いすぎて、あれでは入れ替りに無理がありますね。(笑)
オペラがイタリアからオーストリア・ドイツに広がって一番人気があった古(いにしえ)の時代を彷彿させてくれる事も楽しみの一つです。マーラーも指揮者としてこのオペラを得意としていたそうです。一度は観ておきたいですよね。これを観てドン・ジョバンニを再確認できてホッとしました。



それにしても約3時間弱の作品を続けて楽しむのはパワーがいりますね。その分だけ充実した時間でしたが。^^v


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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2.マーラー交響曲第5番 160CD
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