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ベラ・バルトーク "管弦楽のための協奏曲" 聴き較べ [ショルティ | セル | ライナー | ブーレーズ | フィッシャー | カラヤン | バーンスタイン]


6/19(火)の都響のコンサートに先立つ聴き較べ第二弾、Béla Bartók のコンオケ "Concerto for Orchestra"。この曲にまつわる話はググって下さい。"なるほど?!"です。

第一楽章、全体にはメロディーにバルトーク風な気配がありますがコーダはダイナミック。第二楽章は民族音楽風に始まるスケルツォ(Allegroになっていますが)です。陰鬱なるスタートの第三楽章Elegiaは、激しく揺れる構成。第四楽章は民族音楽風な第一主題には遊び心が感じられますね。第五楽章はアップテンポで、弦の上に管が奏で、いかにもFinaleらしい構成でラストを迎えます。


バルトークは晩年は新古典主義的になり、重厚な音楽作りになってますね。実にコンサート向きの曲です。オケの各楽器の主席演奏者のソロが協奏曲の主役を務める訳ですから力量は問われますね。

今回は7人のタクト "ショルティ | セル | ライナー | ブーレーズ | フィッシャー | カラヤン | バーンスタイン" で聴き比べておこうと思います。面白いのはシカゴ交響楽団が三つの演奏を行なっていて、いずれも素晴らしい事でしょう。





①ゲオルグ・ショルティ/シカゴ交響楽団 [Decca]


 Georg Solti / Chicago Symphony Orchestra によるこの演奏を一番良く聴きます。管楽器の美しさが素晴らしく、アゴーギクもディナーミクも良いバランスだと思いますね。上記のこの曲の印象は本演奏によります。



②ジョージ・セル/クリーヴランド管弦楽団 [Sony]


 George Szell / Cleveland Orchestra によるこの演奏、やっぱりこの曲は米国オケがいいのかなぁって思わされます。バルトークが米在住時に書いたから? それはいいとして、ここでは暖かみのある演奏を感じますね。ショルティ盤ほどの重厚さは避けている感じです。



③フリッツ・ライナー/シカゴ交響楽団 [RCA]


 ややゆっくりめのテンポ展開でクールなFritz Reiner / Chicago Symphony Orchestraの演奏。それにしてもシカゴ響はショルティといいこのライナーといい、実に素晴らしい演奏をします。指揮者の考えもこの曲に関しては特別大きな隔たりを感じません。するとオケの実力が発揮されたと言う事もあるでしょう。第二楽章のスケルツォっぽさが際立つ演奏です。



④ピエール・ブーレーズ/シカゴ交響楽団 [DG]


 Chicago Symphony Orchestra を Pierre Boulez が指揮した演奏。ここでもシカゴ響は素晴らしい演奏をみせます。ライナーよりもいっそう醒めた演奏です。
そこがブーレーズらしい。興奮しない高揚感。しかし第五楽章に強いアゴーギクを仕込みます。素晴らしいスピード感と引き。そこへ集約する様な流れですね。この第五楽章は素晴らしいです。
ちなみに8枚組でブーレーズのバルトークを集めた盤です。いずれも聴き応えある演奏でオススメですね。



⑤アダム・フィッシャー/ハンガリー国立交響楽団 [Nimbus]


 Adam Fischer 指揮、Hungarian State Symphony Orchestra。アゴーギクの強い演奏。でもディナーミクはさほど振って来ませんね。少々平板に聞こえてしまうかもしれません。特に第二楽章はちょっと寂しいかも。



⑥ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 [DG]


 Karajan BPO のコンオケですねェ。重厚なる弦楽の世界はこのセットならでは?! 第一楽章から完璧な演奏もこのセットならでは?! 重厚さもこのセットならでは?! ついついKarajan BPOというフィルターが入ってしまう自分がいるので仕方ありませんw
無論悪い訳は無く第三楽章など白眉に違いないでしょう。
1965年録音です。



⑦レーナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック [Sony]


 冷静なるBernstein / New York Philharmonicの演奏です。Sony時代のバーンスタインは後年の様な情熱を演奏に持ち込んではいないのが特徴ですよね。1959年41歳のバーンスタイン、ここでの演奏も将にスマートです。
残念ながら、その4年前の録音になるライナーを超えられるものは無いかもしれません。





①ショルティのメリハリ、③ライナーのクールさ、その辺りを聴いておくのがオススメかと。個人的にはクールさと最終楽章への流れを彫り込む④ブーレーズも魅力的です。

暴れた演奏を所有していないのが残念。この曲は多少乱雑でもパワーを前面に押し出した若手指揮者のライブ演奏盤が出るのを期待したいところでしょうか。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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