マーラー 交響曲 第5番 名盤・珍盤 聴き比べ #1 [15CDs/100CDs-over!]

6/6(wed)にPaavo Järviが手兵フランクフルト放送交響楽団(Frankfurt Radio Symphony Orchestra)を率いてのコンサートがあります。演目二曲目はマラ5。そこで何枚か聴き較べてみました。

特別好きな曲と言う訳ではないのですが、ライブで取り上げられる事が多い事、CD発売枚数が多くいろいろな指揮者を楽しめる事で聴く機会は多いです。(気がつけばCDもいつの間にか100枚以上に....)
100枚の道も1歩から、まずはバーンスタインの5CDを中心に15枚を聴き比べです。

【参考】
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ○:とっても変わっています

[リスト] 現状のMahler Symphony No.5 の聴き較べです (現在 #10回 150CDまで)
 #10:10CD
 #9:15CD
 #8:15CD
 #7:10CD
 #6:14CD
 #5:5CD アバド追悼
 #4:20CD
 #3:25 26CD
 #2:20CD
 #1:15CD




★ バーンスタイン / NYPO
[Sony] 1963
 若き日のバーンスタイン版です。一言で言うとあっさり風味。アゴーギク、ディナーミクともに抑え気味。下記DG盤と較べると同じ人間のタクトとは思えないですよね。でも、この演奏はすっきりきちっと決めた演奏で終始しているので、不必要な重々しさを避けるには個人的には好きな一つかもしれません。
今買うなら全集盤がSonyから破格の安価盤で出ますね。


☆ バーンスタイン / VPO
[DG-DVD] 1972-4,5
 DVDです。CDで出ているDG盤1987年録音と同じVPOとのセットで、その15年前のウィーンのムジークフェラインザールでのライブ録音になります。(DVDもCD発売にはなっていないものはカウントです)
第一楽章は第一主題第二主題ともに興奮とアゴーギクを抑えぎみ、かつ とても纏まった流れの良い演奏です。第二楽章も美しく、VPOらしさを感じます。スケルツォはpart.2になりますがpart.1第二楽章の流れに乗るように美しい三拍子で入り、そしてコーダまで飽きさせる事無く突き進みます。アダージェットはやや叙情性を豊かに。最終楽章は割と速めのピッチでコーダに向かいます。途中の山場は軽く押さえて、ラストのアッチェレランドを奇麗にまとめます。
個人的には好きな演奏です。(映像に影響されているかも…笑)


バーンスタイン / VPO
[LCB?] 1987-8/30 at Salzburger Fes.
 ザルツブルグ音楽祭でのライヴになりますね。DG盤同年9月6-8日の前週の演奏です。一楽章第二主題は緊迫感が強いです。特筆すべきは第二楽章の緩急豊かな演奏で、出し入れが強く迫るバーンスタインらしい迫力は良いですね。この楽章の終盤の山場はグッとくるものがあります。第三楽章は入りで、珍しくホルンがつまずいたり、演奏も今ひとつ掴みどころがありませんし管楽器の乱れも気になります。アダージェットは甘美さを押さえ気味、冷たい空気の様で好みのパターン。ただそれがフラットに感じてしまい、前後楽章との繋がり感が弱いかもしれません。最終楽章は軽快にスタートしながらお約束で徐々に上げて行きますが中だるみを感じます。その入りの元気さがアダージェットからの違和感を感じますね。もっと静的に入って盛り上げる方が好みです。暴れ気味のコーダは見事にきまります。

非正規盤ですが、日本の代理店?が帯やライナーまで作って発行していましたね。録音は悪く、ライヴの緊張感が好きな人以外は購入する必要はないでしょうね。
非正規盤はバーンスタインだけでも他にあるのですが、わざわざ探して購入はしていません。


★ バーンスタイン / VPO
[DG] 1987-9/6-8
 好きかどうかは別にして まずはこれなのかなって事で。超有名盤で、今更感想もないでしょうが。^^;
重厚でややゆったりとしたテンポのこの演奏はやはり聴かせてくれますね。一般的に第二楽章は第一楽章の延長線上の解釈。ここでは緩急の出し入れでアゴーギクを効かせた演奏でやっぱり流石ですね。それでいてバランスもいい感じ。
第三楽章も揺さぶりの大きさを生かしながら雄大なスケルツォを演じるし、一転スローバラードの様な美しいアダージェットへ。ただ残念なは途中でfに強める箇所。ここは流して欲しい感じ、個人的には。全体として柔らかめにしてほしかった。


★☆ バーンスタイン / VPO
[MEMORIES] 1987-9/10 at PROMS
 Bernsteinのこれを正規盤と呼んでいいのかは別にして紹介。ロンドンのロイヤルアルバートホールで、BBC主催の恒例プロムスにおけるライブ。DG盤の9月6-8日に続くライブと言う事になります。
スローな第一楽章の渦巻く様な迫力はDG盤よりも強い。それはホールの関係かもしれないし、向かい合った音のせいかもしれません。第二楽章、スタートから緊迫の演奏を見せつつ すぐさま懐広い第二主題へ。この緩急が見事。バーンスタインのマラ5の素晴らしさはこの第二楽章が際立つ事かもしれませんね。第三楽章スケルツォも長さを全く感じさせない緊迫感と衝撃的な迫力。第四楽章アダージェットの美しさは清貧と言うよりも蕩ける様な甘美さ。DG盤と同じ様に途中のffをもう少し抑えてくれると嬉しかったのですが、これが後の楽章との繋がり感の良さかもしれません。そして第五楽章の充実の演奏、観客は演奏が終わるなり大ブラボーです。
正規盤並の音質になり、DG盤よりも音の響きやVPOの充実 緊迫を感じられるますね。バーンスタインを年代順に聴いてみましたが、変化が良くわかりイメージ通り楽しかったです。


カラヤン / Berliner Philharmoniker
[DG] 1973
 バーンスタインと来れば、次はカラヤンBPOですねw
重厚ファンファーレからコントラストの強い葬送行進曲、第一トリオは速く荒く、第二トリオは陰鬱さの第一楽章。第二楽章は速く荒れ気味の第一主題に鬱な第二主題で、そのコントラストが明確な第一部です。
第三楽章はスケルツォ、レントラーともに落ち着きません。第三主題以降も同様の流れの第二部です。コーダの暴れ方は迫力ですが。
アダージェットは暖色系で甘美、くどさ好みの別れるところでしょう。最終楽章の前半は薄味ですが、山場はBPOらしさ全開の迫力、フィニッシュ前のコーダから暴れてアッチェレランドで駆け抜けます。
 重厚さの中に適度に荒れて悪くはないのですが、処々で締まりに欠けるカラヤンのマーラー5ですね。荒れ方が雑なのと、古い録音のせいもあるかもれません。


★ プレートル / VPO
[WEITBLICK] 1991
 今やフランスの重鎮プレートルのマラ5。実はこれが悪くないですよ。揺さぶりは少ないけど重厚、そして美しさ見事なアダージェット。ディナーミクはそれほど大きく振らないが全体的にボリューム感のある演奏。ライブで各楽章間での観客席の音も入るけど、演奏の充実感で気にならず。ライブで演奏が充実すると最高だなぁ、って感じです。ウィーンフィルの演奏も流石と言った処ですね。


小沢征爾 / BSO
[Phiiips] 1990
 スローテンポ。あまり揺さぶりをかけた演奏ではないですね。時折 変化を持たせた音だしをします。一楽章にくせの強さを感じます。第二楽章にかけてはややダルな感じで切れ味が欲しいかもしれません。スケルツォも同じで、尚更長く感じてしまいます。アダージェットは美しさよりも、悲しみを感じます。
全体的にやや持て余し気味の感じでしょうか。


★☆ ジンマン / Tonhalle Orchestra Zurich
[RCA] 2007
 David Zinmanとトーンハレのマラ5、第一楽章が異常なまでに陰鬱です。テンポ遅め、ディナーミク薄め。将に葬送行進曲にふさわしい感じです。特徴的ですね。続く第二楽章も薄い音を基調として静かな展開、そしてそのままスケルツォも流麗な流れになります。一楽章をマーラーの意図をくんで葬送行進曲としたなら、二楽章の"嵐のように"、スケルツォ"力強く"は当てはまらないかな。そう言った解釈ではないと言う事でしょう。でも個人的には全然悪くないです。
そうなれば第四楽章は予想通り、清・聖・静 なるアダージェット。この美しさはちょっと格別かもしれません。ロンド-フィナーレが少々中だるみ的で、最大無二の欠点かも。
全体的に澄んだ水の様。これはありですね


○ モリス / Symphonica of London
[IMP] 1973
 Wyn Morrisと言うとクック第二稿のマラ10の初レコーディングで有名でしょうか。
ここでは全体的に重厚感かつ強引、ディナーミクが強いと言うよりもf系の強音出し。第一二楽章はスローにして爆裂的。演奏は かなり荒っぽい。このオケはあまり知らないので、何とも言えないのですが、バランスは?かも。スケルツォからはやや走り気味になります。荒い事には変わりはないのですが、前半は抑えた展開で後半からはまた暴れ始めます。アダージェットも早め。従って甘美な、と言うよりも流れの中の楽章的。この演奏ならそうなるでしょうか。第五楽章も後半にかけて暴れてくれます。(笑)
下手なのか荒いのか、思い入れなのかヤケクソなのか、こういうグチャグチャのもけっこう面白くて好きですね。


[注]ここにあったゲルギエフは#10へ移動し、2CD,1DVD比き比べにしました
ブロムシュテット / NHK SO
[KKC King] 1985-12/5
 スウェーデン人指揮者Herbert Blomstedtはマルケヴィッチやバーンスタインに師事していますね。これはN響の名誉指揮者になる1年前の録音です。
第一楽章は教科書の様な葬送行進曲と第2トリオですが、第二主題(第1トリオ)が抑え気味です。続く第二楽章の序章から第一主題は激しさを生かし、第二主題でうまく引きます。展開部から再現部もコントラストを生かして王道演奏ですね。
第三楽章は速めのスケルツォからレントラーで落ち着き、第2トリオ以降もコントラストがあり全体として速めですが安心感のある演奏です。聴きやすいですね。
第四楽章は一転スロー、甘美というわけでもなく重量感のアダージェット。モタれます。個人的にはもっと透明感の強い方が好みです。最終楽章は軽やかに主題が絡みながら上って中間部の山場まで流れよくつなぎ、コデッタからコーダは漲る迫力を見せて見事なフィニッシュです。
大きなクセやミスは無く、安心して聴けるマーラー5。気になるとすればアダージェットでしょうか。


ドゥダメル / Simon Bolar Youth Orchestra of Venezuela
[DG] 2006
 Gustavo Dudamel指揮、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ。指揮者も若きベネズエラ出身ドゥダメル、演奏は同国のユースオケ。今や注目度の高いセットですね。
若いメンバーで かつライブ。それらしい活気を感じられて楽しいです。指揮はディナーミクやや強め。全体を通して、死というよりも生命感あふれ返る演奏になってます。ちょっと凄い。飽きさせませんね。やっぱりこの指揮者とオケは侮れません。


ドホナーニ / Cleveland Orchstra
[Decca] 1988
 CHRISTOPH VON DOHNANYI指揮 クリーブランド響。出だしはTpが少々弱いかなと言う感じくらいで特別な意図は感じられませんが、第一楽章は少々 中途半端でしょうか。第二楽章も平凡さから抜け出せない展開。多少のアゴーギクがあるくらいです。スケルツォでは3/4拍子の楽しさを巧くこなし、圧力感を抑え気味の流れ。アダージェットも美しいというよりも弱々しい感じです。ここでこそ緩やかな中での間が欲しい気がするのですが。
全体を通して不健康系のマラ5、Tpの音がスカスカしているのも気になりますね。


マーツァル / Prague SO
[vars] 2001-2/13
 Zdenek Macalとプラハ交響楽団のバランスの良い第一楽章。重厚さを避けながら葬送行進曲をこなして良い流れを作ります。第二楽章も同様な展開で、緩急の出し入れがうまく 引きつけます。スケルツォも明るく優美で飽きさせる事が無いですね。アダージェットも優しさを感じます。華飾ではないですが、冷徹でもなく、美しく聴かせにかかります。若干のアゴーギクを掛けていますね。第五楽章は前楽章を振り払う様な明朗な入りで上げて行く。コーダの締めが緩いかな。
バランスよいマラ5。音も悪くないですね。せっかくならアダージェットをもう少しだけあっさりとして欲しかったです。


マーツァル / Czech PO
[Exton] 2003
 チェコフィルにチェコ人の指揮者Zdenek Macal。とにかく丁寧な音を出しますね。管楽器と弦楽器のバランスが素晴らしいオケ(録音?)です。(プラハ響もチェコだけど)
第一楽章は無理のない解釈で美しい演奏。第二楽章は力が足りないかも。第三・五楽章はフラットに。しかし、聞き終わってみれば、第四楽章アダージェットに焦点がある気がします。2001年と同傾向にあるのは当然でしょうね。
アダージェットに印象が残るのは、好みの分かれる処かもしれませんが、この解釈は一つのバリエーションとして有りなんでしょう。



大物有名盤もいいですが、マイナー盤にもWyn Morrisの様な興味深いバリエーションが有ります。そう言う中からお気に入りを探して聴くのも楽しみですね。これから紹介したいと思います。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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