小松左京 の 虚無回廊

結局、未完に終わった作品。これは小松左京氏の追悼刊としてそれまでの三巻を一冊にまとめられたものだ。久々に一気読みして疲れた。

生命の目指す物は、起源の目指す真実とは、と言った部分がテーマのはず。しかし、それだけでは作品にならないので複素平面の様な数学的事象と宇宙、仮想実体化した男女の関係、と言ったパターンをとらないとならないのがSFとしてのジレンマの気がする。複素平面、先日仕事の中で非ユークリッド幾何学による発想の転換で使ったが、その虚実の平面を複次元化した実宇宙と虚宇宙の話は使い古されている気がする。題名はその間をつなぐ空間を称している。(第三巻に記述)

しかし本質は一つのAE(人工実存)の中に作り上げられた役割分担であるAI(人工知能)が、個性そして自我を目覚めさせていく処がポイントなのは言うまでもないだろう。それこそが”思考”であり”存在”そのもの。そして実存から離合した意識が”全体意識”といった物に結実されるて集結されたと思われるのは想像に難くない。
なぜ生命は生まれたのか、進化とは何か、何を目指しているのか。

書き始めたらきりがないので、別の機会にしよう。
壮大な宇宙ロマンを好む人よりも、”真実”とは何かを考える事が好きな人にお薦めしたい一冊。あらゆる物に真実はある....などと考えるなら読まずにいていい。”真実”は真実、存在や宇宙を含め全てを包括して一つしかない。科学・哲学・宗教・芸術、と言った様々なアプローチが存在するだけ。科学の中だけとっても理論数学や宇宙物理学、等々のアプローチがあるはず。

最後についている座談会などは未完の補追、追悼でしかない。味わいを壊す、読まなくて良し。

テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

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