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ジェイソン・エカート(Jason Eckardt)の「Passage」認知心理学とCIA


ジェイソン・エカート
(Jason Eckardt, 1971/5/17 - )
米現代音楽家です。元はジャズ・メタルのギタリストでしたが、A.ヴェーベルンを聴いて作曲に専念する事にしたそうです。
年代からいくととても不自然?な印象ですが、M.バビットにも影響を受けているそうなのでセリエル系が源流なのでしょう。
IRCAMやISCMそしてダルムシュタットにも登場していて、様々な大学で教鞭にも立っています。

楽風は無調で微分音や多様なリズム/ポリフォニーが軸とあります。音楽以外の物や事に触発されての作品が多いそうで、代表作である今回の"パッセージ"もその方向性です。



Passage
(JACK Quartet, Jason Hardink: piano 2)
1. Passageは少々テーマが変わっています。 知覚・感覚の遮断と人間心理に関する影響と言う、CIAが歴史的にテーマとして関わった事柄に関するものだそうです。(Project Bluebookを思い出します)
それを三つのパート "I. Subject (主題)- II. Ascension (昇天) - III. Testify (証明)" に分けています。よくわかりませんし、聴いてわかるものでもないでしょうが、ステージでは軍が尋問に使うライトが使われるとか。(下のYouTubeで見られます)

2. pulse-echoは楽器の持つ基本的なデザインからインスピレーションを受けているとの事です。

こう言った能書きの'頭でっかち'感がいかにも前衛的だと思いますw





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1. Passage, for string quartet (I. 2011/II. 2014/III. 2018)
[I. Subject] パルス的に弦楽音は飛び交います。旋律感は低く衝撃音的で、僅かなトリル・トレモロや微分音的なショートグリッサンドを挟みます。でも統制感は強くカオスではありません。似た楽曲が浮かびません。
ところが突如として明確なポリフォニーとなり、インプロビゼーション風に激しく、また細かいピチカートの繊細な絡みで、と変化を付けますがこれは'ありげ'に感じます。
後半は静音空間の中に主部?のパルス的な展開と中間部?のポリフォニーが混ざった形式となります。とても興味深い前衛音楽になっています。

[II. Ascension] ここでも静空間に音を散らばす流れで入ります。出現する音に統制感があって計算された構成が特徴的です。ポリフォニーではなくホモフォニーでしょう。音楽か音か、そのボーダーです。
後半には激しいインプロビゼーション風ポリフォニーが現れますが、それがないまま終わった方が面白いと思うのですが。

[III. Subject] それまでに出てきた技法・構成が表情を変えて構成されます。入りは執拗な反復強調と言う風、そして微分音グリッサンドのシャリーノ風ホモフォニー、'ギコギコ'ノイズ系も明確に現れます。


2. pulse-echo, for piano quintet (2013)
静空間に音の散らばりで緊張感と神経質な流れに終始します。"1-II. Ascension"に近い構成ですが、ここでは最後まで激しいインプロビゼーション風ポリフォニーは現れません。それがgoodです。
技法的には、pf特殊奏法、パルス的音発信、残響音、も使われています。



神経質さがあって練られた構成感が見事なのですが、全体とするとどこかで聴いた的エクスペリメンタリズムに感じてしまいます。

メインの技法はインプロビゼーション(風)とポリフォニーでしょうか、元ジャズプレイヤーだったルーツを感じます。そして烈と静のコントラストです。
CIAとの関係はわかりませんでしたがw、ベストトラックは "1-I. Subject" でしょう。



Jack Quartetの"1-I. Subject"のLIVEです。使われているのは問題の照明でしょうか



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