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ピエール・ジョドロフスキ(Pierre Jodlowski)の破壊的混沌「Séries for Piano and Soundtrack」


ピエール・ジョドロフスキ
(Pierre Jodlowski, b. 1971)
9年前に「Drones・Barbarismes・Dialog/No Dialog」をインプレしていて、以下の様に紹介しています。

フランス人現代音楽家でパフォーマーも含めて他分野に活躍しています。リヨン国立高等音楽学校でフィリップ・マヌーリに師事しIRCAMでも学んでいます。現在はフランスとポーランドを拠点に活動中です。名前から見てもポーランド系?
作風はIRCAMのCURSUSプログラムによる電子音処理がベースの様ですが、時にポリフォニックであり即興的です。また一方では統一的なリズム感のある展開も見せてくれますし、もちろん空間音響系の残響的でもあります。でも音列配置的な傾向は全く感じる事は無く、まさに今の前衛現代音楽です。

その後もIRCAMとの関係を続けてエレクトロニクスを軸にダンス・演劇と言った他分野芸術との協業も多く、マルチアーティストとしての活動へと進化している様です。



Séries for Piano and Soundtrack
(Małgorzata Walentynowicz, pf)
タイトル通りのピアノとエレクトロニクスの作品集です。そして個別の楽曲タイトルを見るとカラー・シリーズで6タイトル6色が振られているのがわかります。

以前から演奏されていたピアノ&エレクトロニクスの楽曲を今回のポーランド人ピアニストであるマウゴルザタ・ヴァレンティノヴィチの提案でまとめたのが本アルバムで、全曲LIVEです
年代順に聴いたインプレになります。(No.がCD順です)





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2. Séries Noire (2005)
語りとelec.ノイズのテープと強音インプロビゼーション的pfの組み合わせ、コラージュです。語りは何らかのサンプリングで、この曲の為にvoiceを採用しているのではないでしょう。
pfは技巧性も高く破壊的な強音の出し入れです。台風とか嵐の真っ只中みたいな…


1. Séries Blanche (2007)
まず入りのpfは調性単純旋律の反復になりました。微妙な変奏から左右の手が対位的になり、調性が緩やかに崩れてエレクトロニクスでディレイとループの様に入って来ます。この時点でポリフォニー(もしくはヘテロフォニー)になって、シンプルな混沌を作り出します。pfの打鍵が強まってクレシェンド、破壊的混沌へと進みます。
コーダ?はノイズとシンプルな高音pfの響きで収束です。


5. Séries Rose (2012)
fpは残響音を中心に、テープは何らかのシーンの対話、それがコラージュされます。信号ノイズなどelec.ノイズ、pfはアルペジオが増えて空間密度が上がって行きます。シンプルな流れからコンプレックスになるのは上記Séries Blancheと似た展開です。もちろん破壊的混沌へ持って行きます。


3. Séries Bleue (2013)
ハムノイズとpfの短音&残響の入りで、年々pfの入りがシンプル化しているのがわかります。ここでもゆっくりとコンプレックスになって、インプロビゼーション系のポリフォニーな流れに。単純な上り坂ではなく、繰り返してその流れが現れます。ディストーションした電子楽器音も入ったり、ドローンの様な流れになったり、ロック風になったりと作風多様化も見られます。でも後半は破壊的混沌ですw


4. Séries Rouge (2017)
エレクトロニクスなのかチューニングなのかpfは微分音的な崩れた音色を出して来ます。他の音も聴くと特殊奏法なのかもしれません。それが曲の軸となっていて、即興的混沌ではありますが明らかに音楽技法の変化が感じられます。でも後半は破壊的混沌ww


6. Séries Cendre (2022)
pfとエレクトロニクスが等拍的なリズムを刻む新しい技法が登場します。とは言え全体は混沌コラージュで後半破壊的混沌www



pfとテープの混沌コラージュです。pfは処々で調性旋律が出ますが、基本は無調混沌系。エレクトロニクスは昔で言うテープのサンプリング(フィールドレコーディングを含む)になります。ソフト(CURSUSプログラム?)を使ったライヴエレクトロニクスでしょう。

多少の変化はあってもドラスティックな楽風変化はありません。破壊的混沌は好きな方向で面白いのですがやや時代を感じてしまうかも。そんな感じの作品です。




"5. Séries Rose (2012)" でピアニストはCDと同じヴァレンティノヴィチです


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