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ドブリンカ・タバコワ(Dobrinka Tabakova)の管弦楽集「Concerto For Viola And Strings / Earth Suite 他」


ドブリンカ・タバコヴァ
(Dobrinka Tabakova, b. 1980)
ブルガリア系イギリス人の女性現代音楽家です。生まれはブルガリアですが、1991年にロンドンに移住、音楽関係はロンドンの王立音楽アカデミー(RAM)やGSMD, キングス・カレッジで学んでいます。

ルイ・アンドリーセン、フィリップ・マヌリ、ヤニス・クセナキス 等の前衛系のマスタークラスにも通っていましたが、ジョン・アダムズの影響が大きいかも

以前ECMレーベルからリリースされた"String Paths"が2014グラミー賞ノミネートで注目されましたが、その時は まぁECMだったので…



Orchestral Works & Concerti
(The Hallé Orchestra, Delyana Lazarova: cond.)
二曲の協奏曲を含む管弦楽集です。16年間(2004-2020)の四作品が年台バランス良く並ぶので彼女の技法的な変遷を確認出来そうです。

演奏はデルヤナ・ラザロワ指揮/ハレ管弦楽団で、2.はマキシム・リザノフ(Maxim Rysanov, va)が、4.にはガイ・ジョンストン(Guy Johnston, vc)がソリストで入ります。

ちなみにタバコワはハレ管の "Artist in Residence" (2022-23)で、本作はハレ管の副指揮者ラザロワのCDデビュー、タバコワとラザロワは同じブルガリアのPlovdiv生まれだそうです。

例によって年代順に聴いています。(No.が収録順です)





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2. Concerto for Viola and Strings (2004)
調性の流れで反復変奏が軸になっています。幽玄な気配を漂わせるのは今の時代のクラシックの典型でしょう。
ただ、耳障りの良い動機が存在しているのが珍しいかもしれません。明瞭な動機や主題を配さないのが今の主流になりますから。
四楽章で、アレグロ/緩徐/スケルツォ/アレグロ、そう言う感じです。前衛性はありません


4. Concerto for Cello and Strings (2008)
ここでもノコギリ音型のギザギザした反復旋律がより強調されています。それと上昇下降の音階が続く流れです。どのパートもそう言った構成なので同じ曲がいつまでも続く様な印象になってしまいます。背景にミニマルがいると思うとわかりやすいかもしれません。


1. Orpheus' Comet (2017)
約10年後の5'の小曲で、入りはちょっと混沌的になりました。でもノコギリ反復は明確に軸となっています。そして鳴りが派手になって米フィルムミュージック風のクラシックに寄りましたね。


3. Earth Suite (2018-20)
ドンシャン的な出し入れの強い流れ、そしてトリル・トレモロ的な反復、それが一層明瞭になりました。こうなるとポスト・ミニマルになるでしょうか?!
興味深いのは緩徐の第二楽章で、僅かながら対位的なスローの不安定さを作ります。今まで無かった流れです。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  第一楽章 Tectonic です



機能和声の反復変奏ベースの楽曲です。
ギザギザとした反復の流れはミニマル方向になって、動機も存在して旋律感もあるので聴きやすい今の時代のクラシック音楽になるでしょう。

楽風は新古典主義的な流れからフィルムミュージック方向へと変化している様です。調性の縛りからの自由解放性はありません。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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