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ジェーン・アントニア・コーニッシュ(Jane Antonia Cornish)の多重ピアノ曲「SIERRA」


SIERRA
(Jane Antonia Cornish, b.1975)
米NYを拠点に活動するコーニッシュは英生まれの女性現代音楽家、学んだのは主として英国内(王立ノーザン音楽大学, 王立音楽大学)です。一部の資料ではLAを拠点ともありますが、本CDがNYのBang On a Canのレーベル "Cantaloupe" からリリースされているので少なくともこの時点(2020 rec. 2022 released)ではNYでしょう。

得意とするのは映画やバレエ音楽とあります。でも今回は興味深い複数台(4台, 6台)のピアノ曲集をチョイス、Bang On a Can All-Starsのピアニストによる多重録音です。(4.はソロ曲?)







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1. Sky
高音キーの単音連打で響きが重なり、ペダルよりもリバーブかディレイが掛かっているかの様。そこに短旋律が生じて、高音域の雲に流れが生まれます。
美しく透明感の強い反復による調性の音色です。

2. Ocean
細かいアルペジオの美しい旋律はターン音型を組んだ上昇下降旋律で、癒し効果の様に空間に錯綜します。ペダルなのか残響音はここでも強く、残響音空間を構成しています。ゆっくりと音程の異なる旋律の数が増えて音厚が増しますが、基本的に旋律は反復もしくは変奏です。

3. Sunglitter
1.と2.を混ぜた様な、単音反復と旋律の絡み合いです。キーは1.と同じく高音域で澄んだ音色が広がります。微かな不協和音を交えながら対位法からポリフォニーの気配が上手く使われ、美しさに彩りを与えています。

4. Last Light
美しい上昇音階の楽曲です。キーは高音域から始まり、中音域へと移ります。この曲はpf一台でしょう。
澄んだ音色を越えた残響がやや鬱陶しく感じてしまうかもw

5. Sierra
まず単音連打、そして極短旋律、それがpf台数が増して音数が増えて雲の様に広がります。もちろん上昇下降旋律の反復変奏が全てのベースです。



ヒーリングかアンビエント、エレクトロニカの気配です。基本的に残響音と高音キー主体の流れで、上昇下降動機の反復(変奏)で構成されます。

コンサート以外なら聴くと言うよりもかけておくクールなBGM系でしょう。聴こうと思うとどれも似た曲に感じてしまうかもしれません。




2.5'のオフィシャルexcerptです



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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