クリスティアン・ティーレマン指揮ウィーンフィルの 'クール'な「ブルックナー 交響曲 第九番」
Symphony No. 9 Anton Bruckner, 1824-1896
(Wiener Philharmoniker, Christian Thielemann: cond.)
(Wiener Philharmoniker, Christian Thielemann: cond.)
ティーレマンとウィーンフィルのブルックナーチクルスから第9番(Nowak Edition)ですね。楽曲、オケ、指揮者、共に知られる処なので紹介文は割愛です。
2022年7月28, 30日のザルツブルク音楽祭でのLIVEです。
2022年7月28, 30日のザルツブルク音楽祭でのLIVEです。
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■ 第一楽章
提示部第一主題部は第一動機を少し引っ張って第二動機を鳴らします。第三動機は神経質に と緊迫させてピークの第七動機では間を入れる様に鳴らして来ます。
第二主題は印象を穏やかに変換、第三主題は繊細に入って山場へ向かいます。自然体の流れでしょう。
展開部は第一主題の動機を再現的に作り第七動機は神経質な激しさです。各動機も色付けはしっかりされていますが何処か淡白な印象ですね。パウゼ後の第七動機の鎮めも神経質さを感じます。
再現部の第二・第三主題は再現的安定感を強く、山場は混沌ですが落ち着かせています。コーダは神経質なポリフォニカルからコントロールされた鳴りで締めていますね。
第二主題は印象を穏やかに変換、第三主題は繊細に入って山場へ向かいます。自然体の流れでしょう。
展開部は第一主題の動機を再現的に作り第七動機は神経質な激しさです。各動機も色付けはしっかりされていますが何処か淡白な印象ですね。パウゼ後の第七動機の鎮めも神経質さを感じます。
再現部の第二・第三主題は再現的安定感を強く、山場は混沌ですが落ち着かせています。コーダは神経質なポリフォニカルからコントロールされた鳴りで締めていますね。
■ 第二楽章
主部動機は軽く弾ける様に緊迫させてトゥッティ主題では激しさと厳しさを鳴らします。ob主題は軽妙ですが背景に緊張感を置き、トゥッティ再現で力感復活! まさにこの曲の聴かせ処で王道ですね。
トリオは軽快に疾駆させて主部との対比を作っていますが、二つの動機の絡みは淡白です。
主部回帰では当然の如くトゥッティ主題を軸に作られます。全体としては王道ですが少し面白みに欠けるかもしれません。
トリオは軽快に疾駆させて主部との対比を作っていますが、二つの動機の絡みは淡白です。
主部回帰では当然の如くトゥッティ主題を軸に作られます。全体としては王道ですが少し面白みに欠けるかもしれません。
■ 第三楽章
提示部第一主題は穏やかさから華々しく、コラール主題は鬱に鎮める様に入ります。王道ですね。第二主題は緩やかスローに入ってそのまま木管・金管に繋げますがやや淡々としたイメージでしょうか。
展開部(再現部)は第一主題をゆっくりと、第二主題から緊迫感を作り山場を迎えます。ゲネラルパウゼ後は第二主題でゆっくりと優美さを強調、その後主題・動機に変化を付けて進みますが表情はややフラット気味でしょうか。山場は混沌で激しいこの曲らしさです。
コーダはゲネラルパウゼを大きく取って徐々に鎮めます。でも表情は'淡々として'ですね。
展開部(再現部)は第一主題をゆっくりと、第二主題から緊迫感を作り山場を迎えます。ゲネラルパウゼ後は第二主題でゆっくりと優美さを強調、その後主題・動機に変化を付けて進みますが表情はややフラット気味でしょうか。山場は混沌で激しいこの曲らしさです。
コーダはゲネラルパウゼを大きく取って徐々に鎮めます。でも表情は'淡々として'ですね。
興奮を避けたクールなブルックナー9ですね。王道的で安定的、クセなど無く聴きやすいのですが その分かえって淡白に感じてしまうかもしれません。
頭の中にヴァントの低重心重厚な鳴りが響いているので、どうしてもそう感じてしまいます。そろそろヴァントの幻影から抜け出せる様な演奏に出会いたいこの頃です。
頭の中にヴァントの低重心重厚な鳴りが響いているので、どうしてもそう感じてしまいます。そろそろヴァントの幻影から抜け出せる様な演奏に出会いたいこの頃です。