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ヨハネス・モーザー(Johannes Moser)のチェロで聴く「ルトスワフスキ, デュティユー チェロ協奏曲」


Lutosławski & Dutilleux: Cello Concertos
Johannes Moser (b. 1979, vc)
ミュンヘン生まれのドイツ系米人チェリストのモーザーはBPOやNYP、RCOと言った有名オケと共演しています。
今回は20世紀の二人のビッグネーム作曲家の作品を取り上げたアルバムです。共にロストロポーヴィチに献呈されたそうで、同年作品になります。

演奏はトマス・セナゴー(Thomas Søndergård)指揮、ベルリン放送交響楽団(Rundfunk-Sinfonieorchester Berlin)です。





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ヴィトルト・ルトスワフスキ
(Witold Lutosławski, 1913-1994)
ポーランドのピアニストで現代音楽家、ポーランドの現代音楽を担ったポーランド楽派の一人です。
元は新古典主義的でしたがケージの音楽を聴いてから触発されて演奏時に自由度と偶然性の高い、小節区切りでの関連付けをしない・等の方向性になっています。このチェロ協奏曲もその時期の作品ですが実験前衛ではありません。
その後、前衛の停滞期と共に調性回帰しています。

■1. チェロ協奏曲 (1970)
 4楽章形式です。I.はほぼvcソロですが、等拍やグリッサンドを入れた微妙に落ち着かない主題変奏です。
II.はオケの楽器群と浮遊感ある絡みを聴かせますが、その関係はホモフォニーであり対位的でもあります。金管が華やかな音色を利かせ、vcがピチカートで合わせるのはI.の後半の再現風です。
III.ではvcが等拍のピチカートで入りますが、これもI.のキーの再現になっています。その後は渦めく弦の上にvcが重心の低い旋律を奏でる神経質な緩徐パートです。
IV.はなんとクラスターです。その後も激しい音色で構成されて明らかにクセナキスの影響でしょう。
全体としてはパート変化の大きい自由な楽曲印象を受けます。



アンリ・デュティユー
(Henri Dutilleux, 1916-2013)
フランスの20世紀を代表する現代音楽家です。1890年代生まれのミヨーやオネゲルらフランス6人組より若く、時代は実験前衛の隆盛期に生きています。
楽風は調性や楽曲構成の自由度を広げる方向性で、無調混沌の実験要素はありません。

■2. チェロ協奏曲「遥かな遠い国へ」 (1970)
 5パートです。I.は微妙な調性感と緊張感でvcとオケが対峙します。神経質で研ぎ澄まされた関係になっていますね。ベースは聴き易いホモフォニーです。
II.もオケとvcの関係は同じです。ターン音型と跳躍音型を混ぜた様な浮遊的不安定さが軸になった緩徐パートで反復変奏が明確です。
III.では力感と切れ味あるvcが主役、IV.はキラキラとした幽玄緩徐、ラストV.は煌めきも含めたアレグロです。
不安定で神経質な浮遊感と緊張感の楽曲です。



時代は実験前衛系真っ只中ですが、二人の楽風は旧来的な縛りから逃れる様な自由度を広げた音楽です。

今の時代でも十分に通じるクラシック音楽として楽しめます。
モーザーのvcは特別な個性は感じません。全体的にバランスの良い鳴りで聴かせるタイプでしょうか。


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  本アルバムの録音風景とモーザーの解説です





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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