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アルバン・ルシエ(Alvin Lucier)の電子音響「I Am Sitting in a Room」と「Music for Piano XL」


アルバン・ルシエ
(Alvin Lucier, 1931/5/14 - 2021/12/1)
電子音楽と言うか"電子音"と言った時に浮かぶのが米の現代音楽家ルシエです。

タングルウッドでコープランドに師事しますが、30代前半には既に前衛実験の音楽家でした。そして何より実験音楽集団"ソニック・アーツ・ユニオン, Sonic Arts Union"を結成して電子音の装置開発を含めて活動した事でしょう。後期では楽器も使いますが、ルシエと言えば音響処理です。

当初はテープによる実験色濃いもので、その後は様々なものから発生する周波の変位、オシレーターによるサイン波の変調と言った物理的周波を使っています。
"楽風"から行けばインスタレーションも実践して空間音響でもあります。



I Am Sitting in a Room | Music for Piano XL
(Alvin Lucier, Nicolas Horvath: pf in 2)
旧作と後期作の2CDを聴き比べてみます。

I Am Sitting in a Room (1969)
まずは古い作品ですがまさしく代表曲(作品?)でしょう。テープ音楽で多数回のプレイバック再録音の繰り返しです。タイトルの言葉から始まる楽曲解説のトーキングが反復変異されます。
本作品はニューヨーク現代美術館の所蔵にもなっています。

Music for Piano with Slow Sweep Pure Wave Oscillators XL (1992, rev. 2020)
"ピアノと正弦波オシレーターのための音楽XL" は亡くなる一年前に改訂されたXL ver.です。オシレーターとピアノの曲で、ピアノの打鍵とそれに対するサイン波の音響作品です。




1. I am sitting in a room

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1'14"の解説文スピーチが繰り返され、徐々に響きが強まって3回目くらいからは割れる様な反響音が感じられます。
8回目くらいからは室内にこだます反響が軸になってスピーチは不明瞭に、12回目では聞き取る事が難しくなります。
その後はスピーチ自体が音響となり反響音と一体化して、そのイントネーションが作るリズムと音程になります。その流れが続くとリズムと音程は崩れて管楽器の空間音響ノイズの様に、最後は共鳴音空間が創られます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  飛ばし聴きはダメですw


予想を遥かに超える面白い変化で一聴の価値ありです。もう100回続けたらどうなるのでしょう?!




2. Music for Piano with Slow Sweep Pure Wave Oscillators XL

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サイン波音の揺らぎ、そこにpfのワイヤー音が音数少なく入ります。サイン波音は"キーン"と言う共鳴しない単音なので頭が痛くなりそうですw
pfが徐々に単音から和音となって音数を増やすと神経質な音の流れが出来て来ます。それでもポツポツとした頻度ですが。

そんな流れが最後まで延々と続くのですが、そのポツポツとしたpf音と変動の無いサイン波音の絡みが陶酔空間の様に感じる様になります。ラスト1'はサイン波音だけですが、どこかで変化点が来るかと思ってもそれはありません。サイン波は二音発生させている様です。
某実験音楽のライヴハウスで聴けそうなイメージです。



エレクトロニクス処理されたミュージック・コンクレート空間音響と言う事になるでしょうか。

もう一つ特徴的なのは、二曲ともCD一枚一曲で淡々延々と続く中での変化を聴かせる事でしょう。
今の時代にも続くエレクトロニクス前衛の一つの方向ですね。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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