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ミヒャエル・ギーレンの『ペンデレツキ "広島の犠牲者に捧げる哀歌" "怒りの日" | シマノフスキ "スターバト・マーテル"』


Stabat Mater, Dies Irae, Threnody To the Victims of Hiroshima
(Karol Szymanowski, Krzysztof Penderecki)
RSOがリリースするミヒャエル・ギーレン指揮 ウィーン放送交響楽団のシリーズから近現代音楽集ですね。ポーランドを代表する二人の音楽家を取り上げています。

カロル・シマノフスキ(1882-1937) → 1.
ポーランドの近代音楽家ですね。ストラヴィンスキーと同い年、ベルクの三つ下ですね。本ブログではピアノ曲を多くインプレしています。
"スターバト・マーテル" は後期の合唱作品で民族音楽をベースにした作品を多く作った時代ですね。TEXT内容はキリスト教の宗教内容なので真意は汲み取れません。(キリストを失くしたマリアへの哀歌だそうです)

クシシュトフ・ペンデレツキ (1933-2020) → 2. 3.
シマノフスキと同じポーランドの現代音楽家で、ちょうど近代から現代へと世代を引き継ぎます。もちろん欧エクスペリメンタリズム真っ只中でした。今年(2022)国葬が執り行われましたね。

2.はアウシュビッツの犠牲者へ、3.は広島原爆の犠牲者への追悼です。後者はペンデレツキの代表作で、日本人現代音楽家の松下眞一氏の助言で同タイトルになったそうです。両者共に前衛時代の作品です。







1. スターバト・マーテル Op. 53 (1926)
静で幽玄な流れはシマノフスキらしさ、もちろん調性の中にいます。民族音楽よりも宗教旋法を感じますね。特に歌唱が入るパートでは強く、そこにターン音型で浮遊感を付けていると言った印象です。男性歌唱パートはオラトリオ風ですね。(特にパートV.は壮大です)

全体のパート変化は、そこにリズムと速度変化を付けて作っていますね。後期ロマン派のその先、又は新ロマン主義風な印象も残る美しい楽曲です。ギーレンは淡々としたタクトですね。'らしく'ありませんがw


2. 怒りの日 (1967)
3パートの楽曲です。I.は暗い印象の歌唱が入るパートで流れはシマノフスキの延長線上にある様な印象でオラトリオ風です。もちろん静と強音の強いコントラストを作るペンデレツキらしさが基本構成ですね。
II.はクラスターから入り、パルス的なトゥッティ音も登場します。管楽器の即興的な演奏をバックに合唱団が叫ぶ様に曲を作りますね。混沌的なポリフォニーやサイレンと言った前衛技法も入って、感情的な出し入れが強いパートです。
III.は短く、全体としては跳躍音型が多く暗に蠢き烈を叫ぶ楽曲でしょうか。


3. 広島の犠牲者に捧げる哀歌 (1960)
鋭い弦のボウイングから入るスリリングさ。緊張感を湛える中、全てがポリフォニカルに対峙します。旋律性は皆無、無調混沌で空間を飛び回る"音"の世界ですね。ペンデレツキのエクスペリメンタリズムの頂点と言えるでしょう。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



ポーランドの近現代音楽の推移が楽しめます。シマノフスキのターン音型とペンデレツキの跳躍音型と言ったスタンスの違いも明確で、特にペンデレツキの二曲は素晴らしいですね。

鎮魂をイメージする三曲なので、ギーレンらしいアゴーギクの揺さぶりは避けてタクトを振っているのがわかります。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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