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ハチャトゥリアンの「ピアノ曲集」若手ピアニスト イヤード・スギャエル(Iyad Sughayer)


アラム・ハチャトゥリアン
(Aram Khachaturian, 1903/5/24 - 1978/5/1)
アルメニアの音楽家ハチャトゥリアンと言えば '剣の舞' と言うくらい偏見的?な印象がありますね。年代からいくとショスタコーヴィチ(1906-1975)の3歳上で、旧ソ連時代に活動した作曲家を代表する一人です。

楽風は民族音楽をベースに斬新さがあって近代音楽範疇、当時ソ連のプロパガンダ規制である "ジダーノフ批判" を受けて退廃音楽とされています。



Piano Concerto | Concerto-Rhapsody | Masquerade
(pf: Iyad Sughayer)
ヨルダンの若手(b. 1993)ピアニスト イヤード・スギャエルのアルバムで、オケはアンドルー・リットン指揮 BBCウェールズ交響楽団です。

ハチャトゥリアンの30から60歳台の広い年台三作品で、"2. 組曲 仮面舞踏会" はドルハニアン(Alexander Dolukhanian)によるピアノソロ編になっています。"3. コンチェルト・ラプソディ" は他にもヴァイオリン編とチェロ編がありますがいずれもハチャトゥリアン本人によるものですね。







1. ピアノ協奏曲 変ニ長調, Op. 38, (1936)
三楽章で"速-遅-速"の古典的な構成です。I. アレグロいかにも民族音楽風で主題を変奏するpfとオケの入れ替わりが軸になっていますね。主題(orトリオ)は力感、スローでは調性の薄い幽玄さも見せます。僅かに仏印象派の様な流れも。
II. アンダンテはスロー幽玄、緩徐パートはI.でもそうでしたが、そして民族和声よりも機能和声寄りに作り微妙な調性感も組み込みます。
III. アレグロでは勇壮な主題が回帰、もちろん民族和声です。ドンシャン的な派手さも強まっていますね。中盤にカデンツァが入って、スギャエルは鳴りの良さと表現力を聴かせます。


2. 組曲 仮面舞踏会 ピアノソロver. (1943 origin)
人気曲の組曲版は "ワルツ - ノクターン - マズルカ - ロマンス - ギャロップ" です。
民族音楽をベースにした明瞭で派手な主題で時に舞踏曲の印象が強いですね。"ギャロップ"ではそこに面白い和声崩しが入り、"ノクターン"と"ロマンス"はハチャトゥリアンらしい緩徐になっています。(1.-IIと同じパターン)
スギャエルはここでも鳴りの良さを披露します。


3. コンチェルト・ラプソディ ピアノと管弦楽 ver. (1968)
速い運指のpfアルペジオはここでも健在です。そして緩徐での幽玄な調性感や派手な民族音楽が軸なのも晩年作品でも同じですね。この中で感じられるオケの幽玄調性の流れは、20世紀後半から今に続くクラシック音楽の軸流の一つですね。



いかにも19-20世紀を跨ぐ時代に生まれたロシアの作曲家と言った曲調です。民族和声で派手さ、緩徐は機能和声の幽幻さ、その二つの流れが明鏡ですね。トッピングとして多少の調性崩しが入ります。

ストラヴィンスキーやプロコフィエフの色合い(影響)も感じて、ショスタコーヴィチほどの複雑さはない感じでしょうか。楽風も最後まであまり変わらなかった様ですね。
スギャエルのピアノは歯切れ良くpfを鳴らす印象でしょうか。この一枚ではそれ以上はわかりませんが。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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