ファン必聴の『マーラー 交響曲 第6番 "悲劇的"』«ネット配信» クラウス・マケラ/RCO 2022年8月28日
クラウス・マケラ | ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
(Klaus Mäkelä | Royal Concertgebouw Orchestra)
(Klaus Mäkelä | Royal Concertgebouw Orchestra)
2027年から首席指揮者就任が決まっているマケラがRCOを振るマーラー6ですね。
本録音は先日の日曜日(28日)に独ベルリン・フィルハーモニーでの演奏会ですが、19(金)はRCOのホールで、今日31(水)は独ケルンでも開催されます。
マケラが都響で同曲を振った7月のコンサートに行きたかったのですが、2021年3月の井上道義/東響を最後に個人的都合で現在コンサートは見合せ中。今回RCOとの一層詰めた内容で聴けるのは嬉しいですね。
本録音は先日の日曜日(28日)に独ベルリン・フィルハーモニーでの演奏会ですが、19(金)はRCOのホールで、今日31(水)は独ケルンでも開催されます。
マケラが都響で同曲を振った7月のコンサートに行きたかったのですが、2021年3月の井上道義/東響を最後に個人的都合で現在コンサートは見合せ中。今回RCOとの一層詰めた内容で聴けるのは嬉しいですね。
Mahler Symphony No. 6
‘Tragic’

[Live at Philharmonie Berlin, 28 August 2022]
■ 第一楽章
第一主題は少し抑え気味に入って勇壮さを増して、アルマの主題は華美に大きく広げてきます。展開部"烈→緩→勇"のコントラスト付けは緩急を色濃く締まり良く、まさに王道の流れです。再現部は約束通りに提示部をテンション上げて、コーダはオケの鳴りの良さを最大限引き出しました。
■ 第二楽章
アンダンテですね。主部主題は少し哀しみを加えてスロー優美に、第一トリオは哀愁へ向かいます。スローでタメを作るように回帰の哀しみの山場を作ると、中間部(第二トリオ)はまさに垂れ込める雲の合間から差す陽光の如きです。曲の持つ性格を見事に表現していますね。
■ 第三楽章
メイン主題の勇壮さは一楽章再現部の第一主題的、トリオはスロー軽妙メヌエットを変拍子を生かしたメリハリ付け、木管動機は大きな変化を避けて流れ重視しています。上手いですねェ。
■ 第四楽章
個性が出る序奏も揺さぶりを排除して煌びやかに作り上げ、モットーで緊張感を与えアレグロ・エネルジコから第一主題をテンションアップ、勇壮そのものの行進曲で突撃!! パッセージと絡んで勢いを増して、第二主題の軽妙さも極端には落としません。提示部を聴き応えある流れに作りましたね。
展開部は第二主題を華々しく大きく響かせ、#1ハンマー後の行進曲は出し入れを使って心地良く勇壮!! 再現部は二つの主題後の騎行はハイテンポで入って激しくテンション高く、でも乱暴さは避けて見事です。コーダは興奮を鎮める様に鬱の色を出して、フィニッシュも落ち着いたまとめです。もちろん長い静寂の後には大きなアプローズが待っています。
展開部は第二主題を華々しく大きく響かせ、#1ハンマー後の行進曲は出し入れを使って心地良く勇壮!! 再現部は二つの主題後の騎行はハイテンポで入って激しくテンション高く、でも乱暴さは避けて見事です。コーダは興奮を鎮める様に鬱の色を出して、フィニッシュも落ち着いたまとめです。もちろん長い静寂の後には大きなアプローズが待っています。
変化球なしの王道完成形のマーラー6です。各パートのキャラクター表現はアゴーギクと言うよりもパート毎にテンポ設定を明確にする事で構築していますね。
変則的な解釈や個性的表現を一切排除しながらも凡百に甘んじない見事さが味わえます。
そして全体は艶やかでRCOらしさを感じますね。これがBPOだったらもっと重心を下げて構えるでしょう。またパリ管とのマーラー(下記第5番, 第9番)と比べても同傾向ながら完成度が上で、マケラとRCOの相性の良さがわかります。首席指揮者就任後は驚くような素晴らしい演奏を残すかもしれませんね。
変則的な解釈や個性的表現を一切排除しながらも凡百に甘んじない見事さが味わえます。
そして全体は艶やかでRCOらしさを感じますね。これがBPOだったらもっと重心を下げて構えるでしょう。またパリ管とのマーラー(下記第5番, 第9番)と比べても同傾向ながら完成度が上で、マケラとRCOの相性の良さがわかります。首席指揮者就任後は驚くような素晴らしい演奏を残すかもしれませんね。
・マーラー第5番 マケラ/パリ管 2021年6月16日
・マーラー第9番 マケラ/パリ管 2020年12月9日