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ジェルジュ・クルターク(György Kurtág)の「カフカ断章」ファウスト[vn], プロハスカ[sop]


Kafka-Fragmente (György Kurtág, b. 1926)
Isabelle Faust: vn, Anna Prohaska: sop
ルーマニアの重鎮ジェルジュ・クルターグ、2022年現在96歳!!、がカフカが残した40の詩の断片を掻き集めて四部構成の楽曲にした作品です。ヴァイオリンとソプラノのデュオ曲で、パリ時代に影響を受けたマリアンヌ・シュタインに献呈されていますね。

クルターグの楽風変遷からすると本作の1987年は表現主義や点描的な流れから静音やトゥッティの組合せに変化する時代の作品になります。この時期は前者 無調シュプレッヒゲザングのpf, sop曲 "Drei alte inschriften Op. 25 (1986)" や、新しい空間音響系の後者 "...quasi una fantasia... Op. 27 Nr. 1 (1987/88)" も作っていますね。

個人的にはソプラノのアンナ・プロハスカが本アルバムを聴く一番の楽しみです。近年はアルファレーベルから意欲的な作品をリリースしていて、期待させてくれるDIVAですね。







Kafka-Fragmente, Op. 24, (1987)

Teil 1 19 parts
1度と3度の反復vnに弾んだsop、アルペジオが走りまくりながらシュプレッヒゲザングが暴走、強音のvnとsopの対位、無調のコラボ、突き抜け叫ぶsop、特殊奏法のvn、等々。基本的に無調で跳躍音型や点描音列配置的な古典的な前衛で、sopはシュプレッヒゲザング、vnは尖った演奏です。この激しさ自体 表現主義的ですね。

Teil 2 1 part
1パートですが唯一7'弱と長いフラグメントです。
蠢く様なvnのダブルストップ、暗闇を探る様なソプラノ、"Teil 1" とは明らかに異なるアプローチですね。空間音響系でシャリーノを思わせる様な印象も残ります。無調で変化率は低く、その流れがドロ〜ッと続きます。

Teil 3 12 parts
ここではvnに調性旋律が登場します。でも曲調は激しさを闘わせて、"Teil 1" の機能和声ver.の様相で多様性に舵を切っているのかも。sopはここでも無調で跳躍音型ですから印象は大きく変わりませんね。

Teil 4 8 parts
上記三つのTeil が混ざった様に登場します。全体をまとめるパートになっていますね。


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



"古典無調 - 空間音響 - 多様性"と言ったこの時代のクルタークの楽風パターンが組み合わされています。その変化内容がTeil 1から4で聴き分けられますね。

ファウストとプロハスカは凶暴なヴァイオリンとソプラノで対峙、全体としてはシェーンベルクの "月に憑かれたピエロ" に近いと言ったらわかっていただけるかもしれませんね。ちょっと懐かしい前衛を今の時代の二人で楽しめる一枚です。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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