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カスパー・ロフェルト(Kasper Rofelt)の室内楽作品集「Dichotomy」と言う二項対比音楽の難しさ


カスパー・ロフェルト
(Kasper Rofelt, b.1982)
デンマークの現代音楽家ですね。高校時代から音楽を習っていましたが、デンマーク音楽アカデミーでB.セアンセンやP.ノアゴーと言ったビッグネームに師事しています。スカンジナビア及びバルト諸国では知られた存在の様ですね。

音楽技法?的には二つの方向性(対比)があるそうで、一つは音の高さ(音調, pitch)でありもう一つは音色(音質, timbre)だそうです。



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Dichotomy
Danish Chamber Players (Ensemble Storstrøm)
室内楽作品集ですね。楽器構成は多様で、デュオやトリオから編成違いの室内楽まで広がります。

紹介欄でもありますが"二つの対比"を使うのが基本で、タイトル "Dichotomy" 自体が "二分法, ダイコトミー"「二つの概念の矛盾または対立」です。
6. Sérénade pour Ionesco の四楽章 "Conversation avec Louis and Gustav" ではそのタイトル通りベートーヴェンとマーラー二人の楽曲をモチーフにコントラスト付けされているそうです。
そしてその6.以外は抽象(abstract)もしくは絶対音楽(absolute music)だとライナーノートにありますね。能書きが多いのはいかにも前衛現代音楽らしいですw







1. Dichotomy (2020)
part I.は無調のホモフォニーな絡みで抑揚が抑えられ、一昔前の点描音列配置の印象でしょうか。モチーフの変奏パターンも感じますね。
part II.では一層の反復変奏が明確になりますがミニマルと言うよりも無調点描的な印象が残されます。抑揚は強調されて印象は違いますね。


2. Entourage II (2013) for violin, horn and piano
1-II.に近い反復変奏の楽曲ですが、7年前のこの曲の方が調性感が強くフーガの構成も明らかでしょう。その分古い前衛の音列配置の印象は少な目かもしれません。


3. Forward! (2014/20) for the unusual instrumentation of the Bb contrabass clarinet, harp, piano and string trio
約2'のフラグメントで、Bbのバスクラがあって楽器の編成がいかにも前衛的です。モノリズム単音反復の徹底が面白いですね。


4. Around (2015) for cello and piano
2'弱のフラグメント風のデュオで、同じ動機の反復変奏です。


5. Stay (2012) for flute, clarinet, violin and cello
5'弱の小曲です。2.と近い年代で、同じ様に調性軸の反復変奏です。各楽器でホモフォニーに絡みながら進み、これはミニマルと言われても仕方ない楽曲でしょう。


6. Sérénade pour Ionesco (2009/19)
I. Ouverture - II. Berceuse - III. Intermezzo - IV. Conversation avec Louis et Gustav - V. Intermezzo - VI. A Room With No Windows or Doors

流れる様なアルペジオが、それまでの楽曲とは異なりますね。そして静とトゥッティ、モード風、特殊奏法、引用と言った新たな技法も入って来ます。新しい方向性を感じましたね。
IV.のマーラーは第9番第一楽章展開部の動機の引用だと思いますが崩して面白さがあります。


7. Cantando (2007/19) for eight instruments
静とトゥッティのバランスがここでも構成の軸になって、調性を微妙に崩した美しい動機が入って来ます。



反復変奏をベースに、古い点描音列配置的な印象やミニマル風で少々残念です。
3. 6. 7.に面白さを見いだせますが、K.ロフェルトの"二つの対比"の音楽理論的な奥深さが個人的には駄耳で味わえませんでした。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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