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ジブオクレ・マルティナイティーテ(Žibuoklė Martinaitytė) の代表作「In Search Of Lost Beauty」


ジブオクレ・マルティナイティーテ
(Žibuoklė Martinaitytė, 1973/5/4 - )
リトアニアの女性現代音楽家で活動の拠点はニュー・ヨークです。
リトアニア音楽アカデミー等リトアニア国内で学んだ後に仏IRCAMや独ダルムシュタットでも習い、その後 米に渡っています。B.ファーニホウ、T.ミュライユ、他ビッグネームにも師事していて、経歴上は欧エクスペリメンタリズムの流れに沿っていますね。

以前"Saudade"をインプレしていますが、そこでは2013-19年の楽風変化をみる事ができました。



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In Search Of Lost Beauty
「失われた美を求めて」は彼女の代表作でピアノトリオにエレクトロニクスとビデオを組み合わせてありますからインスタレーションの方向性もあるかもしれません。
ご本人の解説の一文には "slowed down as to transport us into an alternate dimension" とあり美を抽象的に捉えて非具体性の様々な単語で表現されていています。今の時代の幽幻性の音楽なのでそうなるのでしょう。
ちなみにビデオはモネの睡蓮にインスパイアされているとの事で、これも彼女の作品です。

ピアノトリオはKaren Bentley Pollick (vn)、Monica Scott (vc)、Marja Mutru (pf)です。







InSearchOfLostBeauty.jpg
(ジャケット写真です)


In Search Of Lost Beauty…, for violin, cello, piano, electronics, and video (2016)
1. Prelude (subliminal) - 2. Blue - 3. Ephemeral - 4. Longings in Perpetual Motion - 5. Interlude (transient) - 6. Serenity Diptychs - 7. Shadows of Memories - 8. Interlude (fleeting) - 9. Inhabited Silences - 10. Postlude (evanescent)

前奏と結部、二つの間奏曲を含む10パートの楽曲です。
緊張感漂うダークノイズドローンな1.前奏曲から、2. Blueでは倍音の響きを中心にして空間音響系の流れを明確にします。テープのヴォーカリーズ(エレクトロニクス)も絡みますね。
3. Ephemeralでは静穏化して音の分離分散を始めますが音響系から崩す事はありません。4. Longings in Perpetual Motionでは低周波振動が強調されて床が響き、短旋律の反復が登場してマルティナイティーテらしさが出て来ますね。

5. 間奏曲はトリル・トレモロがグリッサンドと絡みます。技巧的には変化していますが空間音響系である事は変わりません。6. Serenity Diptychsでは哀愁感あるvnの短旋律反復が執拗で、7. Shadows of Memoriesはトリル・トレモロとエレクトロニクスが奏でるジャングルの音風景(野鳥)で面白いですね。

8. 間奏曲は風の音、9. Inhabited Silencesはそこにロングトーンとグリッサンド。そしてpfがパルスを叩くと流れが速まりトリル・トレモロが切迫し短旋律反復に続きます。そして10. 結部では再び風が吹き抜けます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  公式excerptで映像も作品の一部です



ポストミニマルでElectroAcousticな空間音響系音楽です。ドローンと短旋律反復の組合せで構成されて、トッピングはトリル・トレモロとグリッサンドです。

欧エクスペリメンタリズムの流れを汲む前衛現代音楽の一つで、その手の音楽を聞きたい方にはオススメ出来るアルバムですね。前回インプレの時とやや印象は異なる感じです。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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