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クロノス・クァルテット(Kronos Quartet)の「Mỹ Lai」と言う米国の葛藤を描く現代音楽


Mỹ Lai ソンミ村虐殺事件
(Jonathan Berger: composer, Harriet Scott Chessman: libretto)
"Mỹ Lai" はベトナム語で "ソンミ村虐殺事件" の事です。1968年ベトナム戦争で起きた米軍による民間人虐殺事件で、命令に反して救出に向かったヘリコプターの兵士ヒュー・トンプソン(Hugh Thompson)が語ったストーリーを元に本作品は作られました。

オリジナルのオペラからテノールとベトナム楽器/弦楽四重奏ver.にトランスクリプション、台本はハリエット・スコット・チェスマンです。

作曲は米現代音楽家ジョナサン・バーガー、演奏はテノールのリンデ・エッカート(Rinde Eckert)、カリフォルニアで活動するベトナム楽器奏者バネッサ・ヴォー(Vân-Ánh Vanessa Võ)、クロノス弦楽四重奏団です。







1.Mỹ Lai Lullaby - 2.First Landing: Flight - 3. First Landing: Descent - 4. First Landing: The Ditch - 5. Second Landing: Hovering - 6. Second Landing: Bunker - 7. Third Landing: Postcard - 8. Third Landing: Fishing

1.の冒頭はベトナム語のフィールドレコーディング。そしてアンプリファイド(多分)された弦のグリッサンドが中華和声の様な音を出すと語りは背景にまわり中華和声ポリフォニー混沌に。2.では電子ノイズから暗いエレクトロニクスがヘリコプターを表現、テノールが神に問いかけます。トリル・トレモロを軸に反復・変奏の流れです。3.では目撃した混沌をテノールと楽器が激しい演奏で表現されて、4.後半のラジオ放送引用(風?)の内容はまさに"The Ditch"の困惑さです。

この後も使われる技法は同様ですが、テノールの歌詞が軸となってこの問題を再度問いかける事が主たるテーマだと感じさせられます。特に6.問題シーンでは音楽よりも圧倒する内容でしょう



激しい弦楽四重奏を軸にしたテノールのモノドラマですね。ノイズ系・ポリフォニー混沌・エレクトロニクス(含むフィールドレコーディング)と言った前衛技法を駆使しています。無調でしょうが混沌の中に調性的な旋律感は感じられてモードもあり今の時代の多様和声でしょう。

米国の歴史的なテーマを掘り下げて音楽表現するドキュメント系、いかにも米現代音楽らしさですね。ストーリーと共に聴く価値のある素晴らしい作品です。




作曲したJonathan BergerオフィシャルのExcerptです


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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