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「Curious Chamber Players」でスウェーデンとデンマーク前衛現代音楽を


Curious Chamber Players
キュリアス・チェンバー・プレイヤーズ
Curious Chamber Players(以下 CCP)は2003年創設のスウェーデンの前衛室内アンサンブルでストックホルムを中心に活動していますね。

メンバーの担当楽器には全員objectとあっていかにも前衛、インスタレーションの方向性も見せる前衛最前線を展開しています。CDだけでなくステージを楽しむ必要があるでしょう。来日もしています。

注目すべきはCCPの創設者であり指揮と作曲を担当するのが宗像礼さんだと言う事ですね。宗像さんはそもそもスウェーデンのエーテボリ大(Göteborgs Universitet)の出身で、教育にも力を入れて各大学でワークショップを開催しているそうです。

今回のアルバムはスウェーデンとデンマークの現代音楽家作品集になりますね。







マーリン・ボング
(Malin Bång, b.1974)
スウェーデンの女性現代音楽家でドナウエッシンゲン音楽祭での活躍で本blogでも紹介しています。B.ファーニホウ、G.グリゼー、P.マヌリ、と言ったビッグネームにも師事していてアンサンブルや管弦楽、エレクトロニクス系の楽曲を得意としていますね。特殊奏法も多く活用しノイズ・混沌の印象です。CCPの在籍作曲家も務めます。


■1. Turbid Motion (2010) for bass flute, bass clarinet, 2 percussions, guitar, piano, violin & cello
 特殊奏法とノイズそして混沌。まさにM.ボングの世界です。楽器の"標準的な音"は出しませんね。ギギギギ…ガガガ…キュロキュロ…と言ったカオスの深みへ引き摺り込まれます。
新鮮味は低いですが、前衛実験の現代音楽です。



イルバ・ルンド・ベリナル
(Ylva Lund Bergner, b. 1981)
スウェーデンの女性現代音楽家です。同国のストックホルム音楽大 他で学び、交換留学生としてイタリアにも行ったそうです。

■2. Euphorbia (2010) for flute, clarinet, percussion, zither, violin, cello & live electronics
 瞑想系のドローンの様な響き、そこに時折特殊奏法のノイズと強音が飛び込みます。ちょっとインド系のエレクトロニカ風でしょうか。中後半は空間音響系の印象もありますね。
ライヴ・エレクトロニクスが入りますが具体的な使われ方は不明です。



クリスティアン・ウィンザー・クリステンセン
(Christian Winther Christensens, b. 1977)
デンマーク王立音楽院(Royal Danish Conservatory)でB.セアンセンやH.エブラハムセンらに習い、その後パリ音楽院でF.デュリユーにも師事しています。
楽風は欧エクスペリメンタリズムの影響を大きく受けていてH.ラッヘンマンの"特殊奏法&ノイズ"の方向性が強いですね。

■3. Andante Con Moto (2010) for flute, alto flute, bass clarinet, piano, violin, viola & cello
 細切れの"音"、特殊奏法、刻まれるリズム、静音の反復、と言ったものがミックスされています。それらがまるで会話をしている様な印象ですね。もちろん主たる動機の様なフレーズは殆どありません。とてもシンプルで複雑な面白い流れです。
括るとするとやっぱりノイズ系になってしまうでしょうか。



宗像礼
(Rei Munakata, b. 1976)
上記

■4. Cascading Lotus (2008) for flute solo
 唯一のソロ楽曲ですが、いかにもフルートらしい前衛の音色ですね。特殊奏法を交えつつ邦楽和声を強く感じます。静な空間があって尺八を思わせるモード系の前衛音楽と言うことになるでしょうか。
フルートの現代音楽と言うと、B.ファーニホウとK.サーリアホと言う強烈な音楽家がいるので新鮮さを出すのが難しいのが事実かもしれません。



ニコライ・ヴォルサーエ
(Nicolai Worsaae, b. 1980)
デンマーク王立音楽院でB.セアンセン他に習い、グラーツ(オーストリア)の音楽大でB.フラーといったビッグネームに師事しています。この時点で楽風が想像できてしまいますね。

■5. Brutalized Beauty (2010) for flute, alto flute, clarinet, bass clarinet, percussion, piano, violin & viola
 いきなり無調混沌のトゥッティの様な強音で飛び込んで来ます。そこからは反復のグリッサンド・ノイズが交錯、静音パートのノイズとなり、特殊奏法の静空間が登場します。
それらが繰り返し登場する魍魎蠢く暗空間音響音楽ですね。



イェペ・ユスト・クリステンセン
(Jeppe Just Christensens, b. 1978)
デンマーク王立音楽院で習い、今は同学院で教鞭をとっている様です。同大でB.ソアンセンまたドイツでW.リームにも師事しています。エレクトロニクスも導入していますね。特徴的なのは日常の中からツールを楽器として用いる事、CCPのobjectとの共通方向が見えます。

■6. Ground vol. 3 (2005) for violin, viola, violoncello & upright piano
 ポリフォニー微分音的でジャジーなピアノ四重奏曲ですね。淡々とした独特の浮遊感、妙な引用変奏、あまり聴いた事がない新鮮味があります。


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  アルバム一枚聴けてしまいます!!



ノイズ系混沌の前衛現代音楽アルバムですね。前衛現代音楽の一つの流れに違いありませんが10年以上前の作品群、今やこの先の音楽を聴きたいと思うのが本音でしょうか。

ベストトラックは"6.Ground vol. 3"で、不思議な流れが楽しめますね。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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