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"musica viva #38" オンドレイ・アダーメク(Ondřej Adámek) の「Follow me | Where are you?」


オンドレイ・アダーメク
(Ondřej Adámek, b. 1979)
プラハ生まれのチェコの現代音楽家アダーメクは、チェコ(プラハ音楽アカデミー)とフランス(パリ国立高等音楽院)で習っています。

作曲、指揮者、合唱マスターの顔を持ち、エレクトロニクスにも長けているそうでP.ブーレーズが初演のタクトを振ったりもしていますね。また前衛ダンスとのコラボもあってインスタレーションの方向性もあるのかもしれません。

楽風は曰く「現代音楽エレメントと変容させた遠い文化*のエレメントを合わせた」ものだそうです。
* distant culturesとあるのでモードと言う事になるでしょうか


 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧



Follow me | Where are you?
(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)
"musica viva"の委嘱作品ですね。→ musica viva とは

1.はヴァイオリン協奏曲(三楽章)で、人気ヴァイオリニストのイザベラ・ファウスト(Isabelle Faust)の為に書かれています。そして2.はメゾソプラノとオケのための11パートの楽曲でロンドン響との共同委嘱作品になっています。(カトリック, ユダヤ, ヒンドゥー, のTEXTで人と神の存在を問います)

演奏はバイエルン放送交響楽団で、指揮者は1.がペーター・ルンデル(Peter Rundel)、2.はサイモン・ラトル(Simon Rattle)でmezはマグダレーナ・コジェナー(Magdalena Kozena)と豪華な布陣ですね。







1. Follow Me (2016/17)
まずノイズ&グリッサンドの反復vnソロから入って来ますね。それにオケのvnが山彦の様に絡みます。そこまでが序奏的で、その後は各楽器群がその動機?に縺れて混沌とした音塊となります。パウゼを挟んで静パートも類型のノイズ&グリッサンドを主題の様に扱って調性的な音階に達します。とても面白い第一楽章です。

その後も吹奏楽器が呼吸の様な音色を出したり、各楽器が旋律と呼べない様な音を並べたりと前衛色が強い流れですね。ソロvnはグリッサンドと言うかポルタメントと言うかグニャグニャとした変化が印象的で、ファウストは力強さと幽幻さを鳴らします。
ノイズ&グリッサンドの蠢く魑魅魍魎の様な音楽ですね。


2. Where Are You? (2020)
mezはvoiceとsongを混ぜた表現主義的な印象を受けますね。古い言い回しですがw (下記YouTubeを見ると拡声器も使っている様です)

そしてここでもノイズ、かつての特殊奏法でのそれとは違いますが、を基本として旋律感の低い音の並びが中心です。特徴的なのは明らかにラグダンスの様な曲の引用と思われるパートや幾つかの民族音楽らしさの出現でしょう。拡声器だけでなく他のコンクレートの音色も感じ、ポリフォニーのトゥッティも登場します。そう言う意味では前衛技巧的コラージュの構成感もありますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Lucerne Festival 2021 での LSOのPVで、指揮とmezはCDと同じです
  これを観るとCDではわからない技法が駆使されている可能性が高いですね



混沌系の前衛音楽でしょうね。動機らしきものは存在して反復・変奏されますが、それが音楽的な流れを作るわけではありません。主役はグリッサンドとノイズの混沌です。

動機は時に調性に寄って"多様性の…"と書きたい処ですがセリエル系が息絶えて久しい今、前衛でさえ調性か無調かを問う事自体が無意味な時代になりました。

久しぶりに面白い前衛現代音楽を楽しめました。オススメです!!




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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