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デンマーク前衛音楽の父:ヴァン・ホルンボー(Vagn Holmboe) の『String Quartets Vol. 1』



ヴァン・ホルンボー
(Vagn Holmboe, 1909-1996)
デンマークの現代音楽家で、前衛開花前夜の年代ですね。(1920-30年台生まれ中心の音楽家が欧前衛全盛期を担います)
C.ニールセンの推薦でデンマーク王立音楽院で習い、その後ドイツ・ルーマニアで学んでいます。

デンマーク音楽アカデミーでは教鞭にも立っており、実はその時に重要なデンマーク前衛音楽家となる二人を指導しています。イブ・ネアホルム(Ib Nørholm, b.1931)とペア・ノアゴー(Per Nørgård, b.1932)ですね。特にノアゴーの影響力は大きく、師事した前衛デンマーク現代音楽家たちが現在大きく活躍しています。



 ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧



String Quartets Vol. 1
(Nightingale String Quartet)
交響曲の印象が強いホルンボーですが、20曲の弦楽四重奏曲を完成させています。ナイチンゲール弦楽四重奏団は全曲録音を目指す様で、スタートの第一集は初中期二作品と中後期一作品の3曲です。

ちなみに未完だった弦楽四重奏曲第21番はP.ノアゴーの手により完成されていて、弦楽四重奏曲の全曲録音はThe Kontra Quartetが既にリリースしています。







1. 弦楽四重奏曲 第1番, Op.46 (1949)
よく言われる事ですが、この時期の作品は幽玄さがベラ・バルトークの印象を与えます。ソロパートが多めで、同じ動機が変奏で絡み合うのが特徴的です。絡み方はフーガ風であったり、モノフォニー的同期であったり、テンポ変化もあって様々で、流れの変容は大きいです。
処々は北欧風景の様なシベリウスの印象を与えるパートも既に出てきていますが、構成的には緩徐楽章を挟む三楽章形式で古典的です。


2. 弦楽四重奏曲 第3番, Op.48 (1949)
第1番と同じ年の作品で、五楽章形式になりました。それでも当然ですが、動機の変奏組合せで構成されているのと出し入れ変化が大きいのは同じです。若干民族音楽和声を感じるパートが増えているかもしれません。


3. 弦楽四重奏曲 第15番, Op.135 (1978)
約30年後の作品で四楽章ですね。それなのにここでも動機の反復・変奏が主構成で、同じ様な調性感になっています。記憶では交響曲では調性の薄さを楽しめる年代に入っていたはず…ですが…



動機の変奏で構築するホルンボーのスタイルがしっかり楽しめます。残念なのは約30年の隔たりの中で変化に乏しい曲並びになっている事でしょうか。

本ブログの前衛指向からいくと どうしても弟子のP.ノアゴーの影に隠れてしまいがちになってしまいます。



 ★試しにYouTubeで観てみる?
  同じナイチンゲールSQで、CDに入っていない第2番ですね
  2021 Copenhagen Summer Festival でのLIVEです



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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