fc2ブログ

藤村実穂子さんで聴く"ヴェーゼンドンク"と"リュッケルト"『ドイツ歌曲集』



ドイツ歌曲集
藤村実穂子 (Mihoko Fujimura, mez, b. 1966)
前回エリーナ・ガランチャの"ヴェーゼンドンク"と"リュッケルト"をインプレしたので、今更になってしまいますが藤村実穂子さんの同曲録音も残しておこうかと。マイナーver.のピアノ伴奏版(ロジャー・ヴィニョーレス: pf)になりますね。

藤村さんと言えばその表現力の素晴らしさ、そしてワーグナーでありバイロイトであり指輪でしょう。

でも個人的には藤村さんならではの「グレの歌」"山鳩"が好きですね。ヤンソンスとの録音ももちろんですが、2019年の大野和士/都響公演でも素晴らしかったです。

なお、本CDには他にシューベルトやR.シュトラウスもカップリングされていますが、インプレするのはメインとなる上記の2曲です。








ヴェーゼンドンク歌曲集, Wesendonck-Lieder
(Richard Wagner, 1813-1883)
"1. Der Engel (天使) - 2. Stehe still! (止まれ) - 3. Im Treibhaus (温室にて) - 4. Schmerzen (悩み) - 5. Träume (夢)”

1.では艶やかなmezで少しヴィブラートを効かせていますね。苦から天に昇るイメージが浮かびます。2.は力強く鋭く、3.は緩徐パートですが、藤村さんのmezは鋭さで不安を訥々と歌います。pfは抑え気味でコントラストがありますね。

4.は力強さですね。pfとmezが伸び伸びと絡み、痛みと感謝を表現しています。ラスト5.ではpfの穏やかな前奏に繋がる様に穏やかにシャープにmezが登場。複雑な'夢'を歌います。

ヴィブラートを効かせてmezらしい艶やかさのヴェーゼンドンクです。ややpfの方が前に聴こえるのが気になりますが。
個人的にはこの曲はオケver.の方が好みです。


"1.天使"です。演奏(2012)はハイティンクBPOと豪華版です
藤村さんのmezの伸びやかさもオケの広がりとフィットして見事👏
ちなみにCDの録音は2009年ですね




リュッケルト歌曲集, Rückert-Lieder
(Gustav Mahler, 1860-1911)
曲順は指定が無く自由。今回は短めの三曲を始めに、長い二曲は 重厚な "Um Mitternacht" から落ち着きある "Ich bin der…gekommen" で収めると言う流れにしていますね。
"1. Liebst du um Schönheit (美しさゆえに愛するのなら) - 2. Blicke mir nicht in die Lieder (私の歌を覗き見しないで) - 3. Ich atmet' einen linden Duft (私は仄かな香りを吸い込んだ) - 4. Um Mitternacht (真夜中に) - 5. Ich bin der Welt abhanden gekommen (私はこの世に捨てられて)"

1.から感情的に艶やかなmezを聴かせね。pfはちょっとフォローが弱い感じです。2.はpfが技量を見せてmezもそれに負けない様に歌う、そんな感じですね。マーラーらしさは一番強く出ているかもしれませんね。3.はpfがドビュッシーの様な音色を奏でて、mezも抑え気味に菩提樹の香りを歌います。美しいパートになりましたね。この2.から3.の流れが良い感じです

4.の主動機はpfでも違和感が少ないですね。mezはまさに美しく濃く歌われて、真夜中の物思いを表現します。繰り返し出てくる 'Um Mitternach' が印象的です。後半の盛り上がりはオケver.より落ち着きがありますね。
5.は落ち着きが強いパートですが、ピアノ伴奏ですと一層その感が強まります。

表現力を最大限聴かせる艶やかなmezのリュッケルトを味わえます。pfとのフィットもヴェーゼンドンクよりgoodですね。

ただこの曲はルートヴィヒ/カラヤンを超えるのが難しい事を今更ながら感じてしまいます。



艶やかで表現力のmezらしい声域が印象的ですね。ピアノ伴奏なので藤村さんらしいmezが一層強調されたのも確かです。

ただヴェーゼンドンクはオケの鳴りを背景にした方が歌が生きる気がします。このCDがオケver.だったらどう聴けたのか。あくまで個人的な印象ですが、もっと素晴らしかったのではないかなどと思ってしまいます。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokoton

by kokoton
.

    

カレンダー
09 | 2022/10 | 11
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます