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ミヒャエル・ギーレンで聴く ツェムリンスキー「抒情交響曲」



抒情交響曲
アレクサンダー・ツェムリンスキー, 1871-1942
(ミヒャエル・ギーレン指揮, ウィーン放送交響楽団)
常にマーラーの「大地の歌」と比較されるわけですが、2人が歌い交わす構成だけで他は然程似てはいないかと。

「抒情交響曲」の方が厄介な楽曲でしょう。特に素直にホモフォニーで歌えない様なオケとの歪んだ調性の対位的関係は印象的です。

その印象はフィッシャー・ディースカウ(Dietrich Fischer-Dieskau, bar)とユリア・ヴァラディ(Júlia Várady, sop)のご夫婦が歌う1981年録音(DG)の鉄板のマゼール/BPO盤が頭に擦り込まれているからでしょうね。
さて今回は超えられるでしょうか。

バリトンはローラント・ヘルマン、ソプラノはカラン・アームストロングです。







抒情交響曲 Op.18 (1922)
1. わが心, 穏やかならず - 2. お母様, 若い王子様が - 3. お前は夕暮れの雲 - 4. いとしいお方, 私に話して下さい - 5. 恋人よ, お前の甘い口づけから解き放してくれ - 6. 最後の歌を歌い終えたら, お仕舞いに - 7. 安らぐがよい, わが心よ

まず冒頭1.でオケは刺激的な音を鳴らし陰鬱な表情を濃く作ります。バリトンは伸びやかな低音を響せますが、オケが激しく覆い被さります。独特なオケとの対位的印象は薄く協調的ですね。

4.の流れはオケがややギクシャク、sopもmez的でこのパートに欲しい官能的な印象が弱いかも。短く激しい5.バッチリ決めて来ますね。"グレの歌"のバルデマル王を思わせる様で素晴らしいです。

6. 7.の別れの交わしはsopが切れ味の中に哀愁を聴かせます。歌詞よりも力強いです。barはそれに応じて緩やか穏やかにまとめていますね。これがこの曲のラストらしさです。
1.で登場した象徴的なV字動機が6. 7.にも出て、ラストを締め括ります。



オケ・歌手共に濃厚で出し入れの強い抒情交響曲です。揺さぶりもあってギーレンらしい流れでしょうか。

鉄板マゼールBPOの'まとまり'に較べると、こちらは'激しさと濃厚さ'です。歌手陣は前者が表現力なのに対して、こちらは太く強くでした。

ディースカウ/ヴァラディが作り出すオケとの対位的浮遊感の素晴らしさはやっぱり超えられない…?!




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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