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フィリップ・マヌリ(Philippe Manoury) の『ラボラトリウム Lab.Oratorium』



フィリップ・マヌリ
(Philippe Manoury, b.1952)
お馴染みのフランスを代表する現代音楽家の一人ですね。セリエルからのスタートですが、その後はIRCAMのエレクトロニクス、そして空間音響系と言うイメージでまさに今の時代の欧エクスペリメンタリズムの主流にいます。

マヌリは "サントリーホール サマーフェスティバル 2018" でも来日していますが、その時もIRCAMらしいエレクトロニクスの空間音響系が楽しめました。意外に大きな人でしたね。



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Lab.Oratorium
(Gürzenich-Orchester Köln, François-Xavier Roth: cond.)
『In Situ』(2013)『Ring』(2016) に続く『ケルン三部作』の結論だそうです。"In Situ"は2013年のドナウエッシンゲン音楽祭で披露されて、インプレしています。
ストーリー的な繋がりではなく、空間音響での繋がりですから如何にもIRCAM仏系のエクスペリメンタリズムと言う流れになるでしょう。

LiveElectronicsだけでなく金管をオーディエンスの後ろにも置いたりと工夫を凝らし、また俳優と歌手が入ってオラトリオ的です。TEXT(Ingeborg Bachmann と Elfriede Jelinek による)はアフリカ難民の地中海における惨事をテーマにしています。

演奏はケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団、指揮はもちろんGMD(Generalmusikdirektor)のフランソワ=グザヴィエ・ロトで、sop, mez, ナレーションが入ります。当然ライヴ・エレクトロニクスはIRCAMですね。








Lab.Oratorium (2018-19)
 1. Vorspiel - 2. Ausfahrt und Reise - 3. Geschichten und Cocktails - 4. Grodek - 5. Anlegen - 6. Wanderland - 7. Nachtmusik und Melodram - 8. Mare Nostrum - 9. Abfahrt (Nachspiel)
1.は二人の俳優によるナレーションから入ります。バックにはノイズ系の即興的な空間音響が響きますが、キラキラとした打楽器類も入ってゴージャス、ポリフォニーありモノフォニーありの混沌です。2.は反復・変奏が主体。3.では宗教音楽的&ジャジーに流れて、語りの背景音楽でメロドラマ風な構成でもあります。面白いですね。

4.はノイズ系から空間音響に、5.はバレエ音楽や強音音飽和的、6.はsop, mezが主役。7.はシンプルな空間音響系に戻り、緊張感ある音空間が登場します。8.はテンポの速いアルペジオの混沌的な連奏からvoiceが入り音が乱れ飛んで混沌の様相を強め、ラスト9.は緊張感漲るvoiceで占められます。



超広角の多様性前衛現代音楽で無調で強音主体の空間音響音楽、ノイズ系でもありサチュラシオン系の様な音飽和から混沌、モードや調性回帰パートまであり、どのパートにもvoiceが登場します。

この辺りが現在の欧エクスペリメンタリズムの先端の一つでしょうか。コンプレックスで素晴らしい作品ですから、ボリュームを上げられる環境で楽しめるとベターですね。





練習風景です
ロト他の話も入りますが、独語では????w。マヌリは英語で助かります



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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