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バイロイト音楽祭2021 ワーグナー歌劇「さまよえるオランダ人」をNHKプレミアムシアターで観る


今回は演出がチェルニアコフですからタダでは済まないでしょうw

何と言っても "エクサン・プロバンス音楽祭2017 カルメン" で現代のセラピー会場に置き換えて原作には無いシーンまで織り込むと言う暴挙?!に出たわけですから。

もう一つはバイロイトでは初めて女性指揮者ウクライナのオクサーナ・リーニフが振る事、それも新演出のオープニング・プレミアですね。




(全編観られます。日本語字幕はありませんがw)

 

演出
やってくれましたね。呪われた船長も居なければ幽霊船も無い、現代の村で起きる復讐劇に置き換えられています。ラストも'去る'(第1稿)でも'救済'(第2稿)でもなくオランダ人が撃ち殺ろされると言うとんでもない筋書きに書き替えられていますね。

母親を死に追い込んだ男(ダーラント)を、息子(オランダ人)が復讐の為に村に戻ると言う話になっている様です。序曲では母がダーラントに邪険にされて首を◯るまでが舞台で演じられます。

その復讐のストーリーがよく見えず、最後になぜマリーがオランダ人を撃ったのか。そもそも呪われて死なないはずw (そこは置き換えでも不自然)


舞台・衣装
舞台は紙で作った様なシンプルな街並み、そこに酒場、糸紡ぎ、食事、と設定を変えて行きます。衣装は今の時代的で特異性はありません。
ごく平凡で意外性が無いのは前衛演出の魅力に欠けましたね。


配役
まずはタイトルロールのルンドグレンの見た目の存在感が凄いです。そしてクドイ表情作りと演技、バス・バリトンは然程でもありませんでしたが。少々やり過ぎでハリボテ的な印象かもしれませんが、ステージでは映えたかも。

ゼンタ(グリゴリアン)はワーグナーの設定する多くの鬱な女性とは全く正反対です。タバコも吸って明るく快活で主張が強い女性ですね。ヤンキーっぽいその役にはフィットしていたかと。sopは見事でした。

ダーラントのツェッペンフェルトは例によって地味ながら緻密な表現力を駆使していましたね。でも敵役には見えませんでした。
エリック(カトラー)は長身で見栄えしましたしテノールも良かったですが、役としては地味です。
マリー(プルデンスカヤ)は本来なら端役なのですが、今回は舞台でゼンタと対等の立ち位置を付けられて、捻じ曲げられたストーリーを演技と表情で表現していました。今回の演出でフィットしたのはプルデンスカヤでしょう。(マリーは乳母ですが、今回はダーラントの妻でゼンタの母です)


音楽
リーニフはとてもメリハリの強い演奏をみせました。ソリストの力感あるアリアにも覆い被さろうかと言った勢いでしたね。とても主張の強い管弦楽だったと思います。序奏がその割には抑え気味でしたね。音楽は第2稿を使っていました。



極端な前衛演出ですが、その面白さが今回は不発。舞台セットや衣装が地味で前衛ストーリーとの視覚的不整合さも足を引っ張った感じです。

今や前衛で鳴らすバイロイト。この程度のストーリー入れ換えとラストの異常性では満足できず?!

最後に気なったのはやたらと"タバコ"を吸うシーンが多かった事ですね。何を主張したかったのでしょうか。



<出 演>
 ・オランダ人 : ジョン・ルンドグレン [John Lundgren]
 ・ゼンタ : アスミク・グリゴリアン [Asmik Grigorian]
 ・ダーラント : ゲオルク・ツェッペンフェルト [Georg Zeppenfeld]
 ・エリック : エリック・カトラー [Eric Cutler]
 ・マリー:マリナ・プルデンスカヤ [Marina Prudenskaya]

<合 唱> バイロイト祝祭合唱団
<管弦楽> バイロイト祝祭管弦楽団
<指 揮> オクサーナ・リーニフ [Oksana Lyniv]
<演 出> デミトリ・チェルニアコフ [Dmitri Tcherniakov]


収録 : 2021年7月25日 バイロイト祝祭劇場(ドイツ)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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