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サイモン・ラトル指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 の「マーラー 交響曲 第8番 "千人の交響曲"」



サイモン・ラトル Simon Rattle
(Berliner Philharmoniker, 2011-9/18 Live rec.)
もちろんラトルが主席指揮者で音楽監督時代の録音ですね。

第一部と第二部で全く異なるストーリー、前者は賛歌であり後者は戯曲のラストシーン。楽曲構成も前者はソナタ形式で交響曲的に、後者はカンタータ的な構成になります。(このブログでは後者も交響曲的な構成にみてインプレしています)

【ソリスト】エリカ・ズンネガルト (#1 sop), スーザン・ブーロック (#2 sop), アンナ・プロハスカ (#3 sop), リッリ・パーシキヴィ (#1 alt), ナタリー・シュトゥッツマン (#2 alt), ヨハン・ボータ (ten), デイヴィッド・ウィルソン=ジョンソン (bar), ジョン・レリエ (bas)





マーラー 交響曲 第8番 "千人の交響曲"


(BPOの豪華マーラー全集です。右は第8番単独のデジタル配信版です)


第一部 『来たれ、創造主たる精霊よ』
提示部:第一部タイトルの第一主題は予想以上に落ち着いて、徐々にテンションを上げ第二主題で緩やかながら延びあるソプラノ(#1)を聴かせます。多重唱は例によって歌合戦ですが、少し落ち着き強めですね。流れとしてはディナーミク強調になっています。

展開部:入りの管弦楽奏はやや陰鬱に、重唱は暗鬱なポリフォニカル印象を残します。第一主題変奏の合唱は一気に激しく展開して、出し入れのコントラストを強く付けていますね。

再現部:"Veni"が展開部ピークから雪崩崩れる様に落ちて、ゆっくり平穏を作る様に流れます。コーダは少年合唱団の"Gloria…"が明るい光を見せて、合唱団とソリストが激しいピークを構成。まぁ標準仕様の盛り上がりと言う事でしょうか。



第二部 『"ファウスト"から最終場』
【1. 序奏:山峡・森・岩・荒地】
5度下降ピチカートが印象的な主題をややスローに、でも木管の鳴りは明確に出しています。ここでも約10分の中でディナーミクによる強弱が明確です。


【2. 緩徐:聖なる隠者たち】
「法悦の神父」が朗々と永遠の愛 "Ewiger Liebe Kern!" を歌い上げ、「瞑想の神父」は力を込めて続きます。ただバス・バリトンが前に出て来ない感じです。


【3. スケルツォ (アレグロ):天使たちと子供たちと】
ポイントの「成熟した天使たち」ではvnソロとアルト(#1)が永遠の愛の力を讃えますが抑え気味になっています。「未熟な天使たち」「祝福された少年たち」がそれに続きますが、印象の薄いパートに思えます。


【4. フィナーレ:マリア崇拝の博士、懺悔する女たち、栄光の聖母】
「マリア崇拝の博士」はこの曲のハイライトでのびのびとしたテノール…のはずですが、残念ながら少し弱い感じですね。もっともっと突き抜ける様なテノールが欲しいです。
もう一つの聴き処 "贖罪の女三人の合唱" はソプラノのハイトーンとアルトの力感のコントラストが聴けましたね。
「懺悔する女 (グレートヒェン)」ブーロックはヴァイブレーションを強めにファウスト救済の願いを力を込めて歌い、それに応える「栄光の聖母」はプロハスカらしからぬソフトなハイトーンのソプラノでした。ここがストーリー上のハイライトですね。


【5. コーダ:神秘の合唱】
「神秘の合唱」は静に鎮めてまさに神秘的、ソリストが入ると山場へ向かい"永遠の母性"を歌い上げます。…が、大々的感動の合唱が不足気味。アゴーギクを少し振って合唱を山場に向かわせた方がもっと気分が高揚したのでは。



個々のパートではラトルらしいディナーミクのメリハリでしたが、今ひとつ焦点が定まらないマーラー8の印象でした。

大編成合唱団の効果とソリスト個々の輝きがやや薄く、ラストはオケの派手さにその前の合唱のピークが霞んでしまいました。個人的にはその辺りをガッツリと感動的に聴きたかったですね。ファウストの魂が聖母により"救済"され天に昇る大団円ですから。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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