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ジョヴァンニ・ソッリマ のお父さん エリオドロ・ソッリマ(Eliodoro Sollima)『Chamber Music』で聴くロマン主義から前衛への時代



エリオドロ・ソッリマ
(Eliodoro Sollima, 1926/7/10 - 2000/1/3)
前衛の時代に生きたシチリアの音楽家でパレルモの音楽院で長く作曲を教えていました。ピアニストでもありアルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリにも師事していたそうです。
楽風はロマンチックで美しいとありますね。

そして何より人気チェリストで現代音楽家ジョヴァンニ・ソッリマのお父さんだと言う事ですね。(作曲も父エリオドロからバレルモ音楽院で学んでいます)



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Chamber Music
(Ensemble Kinari, Giovanni Sollima: cello)
室内楽集でピアノ四重奏を基本として編成を崩したデュオやトリオが入っています。最後の一曲はチェロが二挺となってジョヴァンニ・ソリマが参加していますね。作曲年代順で前衛時代と楽風変化が味わえます。

"アンサンブル・きなり"には二人の日本人 大西梓さん(vn), 上山瑞穂さん(va)が入っていますね。







1. Sonata, for cello and piano (1948)
I.のレント-アレグロは濃厚に響くvcが美しい旋律を奏でpfがソフトに従に、アレグロになると速く弾むpfが力を見せます。II.は緩徐ですが、ここでも濃いめの音構成になっています。III.のアレグロは速いアルペジオのvcとpfが走り回り、ヴィルトゥオーゾを聴かせる様に組まれた感じですね。新ロマン主義的な美しい旋律の楽曲です。


2. Studi for violin and Clarinet, Transcribed for violin and viola (1961)
I.のアレグロには調性からの逸脱が僅かな不協和音に感じられます。速いアルペジオでアレグロを構成するのはエリオドロのパターンかもしれません。II.の緩徐にも、III.のプレストにも不協和音の構成が明白ですが、その中に美しさを盛り込むのは変わりません。


3. Tre Movimenti, for piano, violin and cello (1968)
2.の7年後で不協和音はありますが、やや調性寄りに戻っている感じですね。三楽章"速-遅-速"構成はここでも同じながら、美しい流れに寄りかかるパターンからの脱却にもなっていて緊張感や幽幻さが高まっています。


4. Evoluziona No.5, for piano and violin (1976)
静パートが強調される楽風へと変わって、静の中に強音が出現する所謂(いわゆる)前衛的流れです。でも無調混沌とはなりませんから大丈夫?! シャリーノのグリッサンドの様な羽虫が飛ぶ様な流れも入っていますが、特殊奏法は使っていませんね。


5. Quartetto No.3 "La leggenda de San Oamiano"
  for piano, violin, viola and cello (1995)
19年後。幽幻さを残しながら調性回帰的な美しさが戻ります。20世紀後半で前衛は完全に停滞を越え多様性を迎えていますから、調性基軸になっているのはまさに時代の流れそのものです。エリオドロの本質である美しさが最大限生きている楽曲だと思います。


6. Aria, for piano, violin, viola and 2 cellos (1945)
最後に一番古い年代の楽曲に逆戻りします。アリアのパートをジョヴァンニのvcで歌わせる3'強の小曲でトリビュートでしょう。スローで美しいこれがコアなのですね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  4celloヴァージョンで、もちろんジョヴァンニ・ソッリマです
  冒頭に語りがありますが伊語で意味不明ですw




エリオドロ・ソッリマの楽曲変遷がよくわかります。新ロマン主義的美しさから無調前衛へ、そして調性回帰の構成変化が明確です。前衛方向への舵きりが5-10年遅い印象ではありますが、時代の変遷が感じられるgoodな選曲です。

エリオドロ・ソッリマ本質の美しさが感じられ、大きな前衛の波を時代と合わせて聴く事が出来るオススメの一枚です!!

好みを分けるとすればディナーミク強調でのYouTube的高コントラストの演奏かも。コントラストを落として奥行を聴かせるパターンも'あり'では。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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