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オーヤン・マトレ(Ørjan Matre) の『Konsert For Orkester』と言うコンサートな楽曲



オーヤン・マトレ
(Ørjan Matre, 1979/11/6 - )
ノルウェーの現代音楽家で、ノルウェー国立音楽アカデミーで学んでいます。室内楽や管弦楽を得意としていますが、欧州のエクスペリメンタリズムとの直接的な関わりはない様です。
ただ、調べるとスペクトル楽派の影響がある様な記述はありますが、具体的な展開は不明です。



オーケストラのコンサート Konsert For Orkester (2014)
(Oslo Philharmonic Orchestra, Peter Szilvay cond.)
オスロ・フィルの在籍作曲家時代の作品で、オーケストラのコンサートを一曲で構成している曲です。アイディア的には面白そうですね。
良くあるクラシックのコンサートの流れは次の感じでしょう。

 [I. 開幕]   入場・A音チューニング
 [II. 前半]  小曲と協奏曲
 [III. 休憩] (20'くらい)
 [IV. 後半] 交響曲
 [V. アプローズ]

それを10パート(下記①-⑩)で構成、"④ヴァイオリン協奏曲"はオリジナルの抜粋版採用だそうです。(インプレは勝手ながら上記コンサート区分に①-⑩を対応させています)

2014年オスロ・コンサートホールでの初演では、ホールに入ると演奏が始まっていたりバンダを使ったりと趣向を凝らした様ですね。

演奏は初演と同じペーテル・シルヴァイ指揮、オスロ・フィルハーモニー管弦楽団、vnは北欧現代音楽を得意とするペーテル・ヘルスタール(Peter Herresthal)です。レーベルのLawoを含めてオール・ノルウェーのセットですね。







[I. 開幕] ①幕開け1 - ②幕開け2
何と①はオーディエンスの雑談の中にキラキラする幽幻な音が被ります。②はチューニングの様な印象の静的ファンファーレと神秘的な静曲。合わせて約5分です。


[II. 前半] ③序曲 - ④ヴァイオリン協奏曲
③は②の延長上でちょっとストラヴィンスキー的な舞台音楽のイメージです。ドンシャン風で出し入れが強いですね。
④は繊細なvnの音色から入って陰鬱幽幻なバルトーク風、織込まれた音の複雑な交錯感がありますね。ヘルスタールらしい繊細なvnの音色がピッタリですが、楽曲的に新鮮さは見つかりません。


[III. 休憩] ⑤休憩
2分です。再びオーディエンスの話し声と音が被ってきます。その音の延長に交響曲が続きます。


[IV. 後半] ⑥第一楽章 - ⑦第二楽章 - ⑧第三楽章 - ⑨第四楽章
四楽章の交響曲です。曲的には調性で幽幻な流れ、そして出し入れ強いドンシャンの両面です。②と③の混合という印象で、それがマトレの音楽かもしれません。緩徐の第二楽章は退屈です…と言うか全体的に変化率が低く意外性に乏しい印象です。


[V. アプローズ] ⑩エピローグ
5分です。交響曲のスコアの続きでケジメがつきませんねw 少しづつ静まりますが、何がどうエピローグなのでしょう?!


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



2014年というよりも1914年の音楽だったら素晴らしかったでしょう。100年ほど時代が遡る印象の音楽です。ストラヴィンスキーの「春の祭典」が1913年でオーディエンスをビックリさせたわけですから。

今や春祭を聴いてざわめく事などなく、これで新鮮さを感じるのは難しいのではないでしょうか。

逆に見れば"ドンシャン鳴りと幽幻神秘"の流れを安心して楽しめる音楽かも。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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