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ガードナー/ベルゲン・フィルで聴くシベリウス管弦楽集『ペレアスとメリザンド、タピオラ、春の歌、他』



ジャン・シベリウス
(Jean Sibelius, 1865-1957)
近年注目作をリリースするエドワード・ガードナー指揮,ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団のシベリウスを聴いてみました。

年代的にはドビュッシー(b.1862)やR.シュトラウス(b.1864)に近いシベリウス、1894年から1925年までの初期から晩年に渡る5曲ですから、楽曲の変化・推移も味わえるグッド・チョイスですね。「ペレアスとメリザンド*」,「タピオラ」といった代表作も含まれています。(*組曲版で本来11曲のところ8(9)曲で、曲の入替もあります)

インプレは年代順に聴きました。CDでの順番は曲番号です。(作品番号は改作もあるので年代と逆になる曲も多々ありますね)
1.と3.のsopはリーセ・ダーヴィドセン(Lise Davidsen)です。







5. 交響詩 春の歌 Op.16 (1894)
緩やかな旋律の主題が北欧風景的に聴こえるシベリウスらしい北欧ロマン派といった雰囲気を作り出していますね。今回唯一の19世紀の初期作品で、山場へ昇る楽曲構成ですが大仰な印象は作りません。


3. 組曲 ペレアスとメリザンド Op.46 (1905)
冒頭の"I. At the Castle Gate"で一挙に重厚さの旋律が支配する楽風になりますね。それと合わせて"II. Melisande"〜"III. At the Seashore"の緩徐は明らかに印象派風で、その影響を表すかの様です。
"V. The Three Blind Sisters"は今回はsopが入るver.を使っていますが、ちょっとマーラー歌曲風にも感じますね。その後も後期ロマン派的な出し入れを使っていますね。個人的にはマーラー(角笛)的な旋律を処々で感じてしまいます。誰もそんな事書いていませんが…
最後の緩徐は後期ロマン派色が強く、北欧ロマン派?から後期ロマン派や仏印象派の影響になる時期の様相でしょうか。


1. 交響詩 ルオンノタル Op.70 (1910)
sopが入ります。調性ですが神秘・幽幻の音色を濃くしています。明瞭な主題が弱まり、反復・変奏の構成が強くなっていますね。


4. 恋人 Op.14 (1911)
3パートの曲です。I.はアンダンテ風で澄んだ美しい音色と浮遊感ある旋律で、北欧の空気感を感じますね。II.はスケルツォ風、ここでも透明感のある流れになっています。III.はワルツ風で短旋律の動機が反復変奏されて続きます。後期ロマン派的で全体が弱音で構成されているのが印象的です。


2. 交響詩 タピオラ Op.112 (1925)
メリハリが強い楽風に変化していますね。短旋律の反復・変奏が強まって、それがホモフォニーで構成されます。神秘・幽幻な印象はここでも聴かれますね。後半で強音パートが登場しますが、反復構成は変わりません。



技巧や印象派と言った楽風の影響を受けながら、北欧風景的後期ロマン派の流れは最後まで残されていた事がわかりますね。

中後期の幽幻な短旋律の反復・変奏が印象的ですが、それは今の時代のクラシックの一つの潮流でもありますね。その源と言った聴き方もあるかもしれません。(実際にはこの後に欧前衛時代がやってくる訳ですが)

ガードナー/ベルゲン・フィルの演奏は意外や抑え気味の演奏でしたね。予想ではもっと揺さぶって来るかと思いましたが、フィットしてシベリウスの全貌を覗けるアルバムです。



 ▶️ 北欧近現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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