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1982 武満徹世界初演曲集:岩城宏之 & 札幌交響楽団

興味深いアルバムがいきなりDGから登場ですね。

1982 Historic Recordings
(Toru Takemitsu, 1930-1996)
Hiroyuki Iwaki, Sapporo Symphony Orchestra
本2021年「武満没後25年記念企画」のアルバムですね。演奏は武満サウンドで知られる札響、そして武満さん自らも立ち会って、指揮は初演マニアの岩城さんですから初演集になりますねw ご本人曰く"水のシリーズ作品"だそうです。

武満さんなので今更の紹介文は割愛。晩年に近づき調性回帰の美しさを聴ける1982年作品ですから楽しみです。時代も前衛の停滞期に入って久しい時期になりますね。

1982年6月27日 札幌市民会館 「武満徹世界初演曲 札響特別演奏会」からで、2CD, 1.5時間ですが2枚目の52分は武満さんの当日の講演です。"音"に対するこだわりやJ.ケージ、調性回帰について語っていてとても面白いですが、今回そこのインプレは勿論ありません。







1. A Way A Lone II, for String Orchestra
押しては引く様な幽幻神秘な弦楽奏曲ですね。調性動機の反復変奏的構成が存在して無調やセリエル時代からの決別は明確です。基本的にはホモフォニーで時にフーガの様に構成されます。流れの中にシェーンベルクの"浄夜"を思い起こさせる様な気配がありますね。そう言う意味では新ロマン主義的なのかもしれません。


2. Toward the Sea II, for Alto Flute, Harp and String Orchestra
  1. The Night - 2. Moby Dick - 3. Cape Cod
アルト・フルートとハープと弦楽オケの協奏曲です。"1. The Night"は尺八の様なflと箏を思わせる様なコンチェルトですね。バックの弦楽奏はここでも出し入れの強い流れを作っています。
"2. Moby Dick"では変化と幽幻さを増して表情やストリー性を感じる流れを作り、"3. Cape Cod"はフルートの反復とハープのコードが印象的ですね。
全体的にアンダンテ風、3パート共に終盤に現れる美しいハーモニーが武満さんらしさです。


3. Dreamtime, for Orchestra
基本的な楽風は1. 2.と変わりませんが、管楽器が入る事で幽幻な弦楽奏が生きて来ますね。特に弦楽に絡む木管はフィットしている感じです。鍵盤打楽器や金管もキラキラとした幽幻さを演出しています。武満さんらしい透明感ある幽幻さが光る一曲ですね。ディナーミクも一番強いでしょう。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  米女性指揮者オールソップとボーンマス響の演奏です
  こちらの方がディナーミクを抑えて透明感が強いかも




前衛が多様性時代に入ってからの調性基軸の幽幻な音楽です。今の時代のクラシック音楽の一つ流れ、その源流の様に思えますね。

確かにやや寂しくはなりましたが、前衛から調性への足掛かりともなった"カトレーン"から繋がる美しい風景は普遍ですね。

意外や最も楽しめたのは武満さんの講演だったかもしれません。実験音楽への熱い思いも語られて、札響へ愛情も伝わります。最後の質問の答えは秀逸ですね!!



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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