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オーケストラ・アンサンブル金沢 / 岩城宏之『武満徹 | メシアン | 一柳慧 | 高橋悠治』で聴く前衛全盛から停滞

懐かしいアルバムを聴いてみたいと取り出しました。

武満徹 | メシアン | 一柳慧 | 高橋悠治
(岩城宏之 cond. オーケストラ・アンサンブル金沢)
日本を代表する現代音楽の指揮者、岩城さん(1932-2006)ですね。奔放なイメージでクラシック以外でもタクトを振っている印象が残っています。日本の現代音楽の初演マニア?でしたよねw

オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)の音楽監督で、同楽団では日本ではあまり聞かない"Composer In Residence"を取り入れていました。海外では若手・中堅の現代音楽家がそのポジションに就いて楽曲提供している事が多いですよね。

本アルバムは岩城さん没後に、OEKから編集されてリリースされていたと思います。各作曲者はいずれもビッグネームですから、個別の紹介は無用ですね。武満さんとメシアンは前衛全盛期の、一柳さんと高橋さんは前衛停滞に入ってからの作品と言うのも面白いチョイスです。後者のお二人は今でもお元気なのが嬉しいですね。一柳さんと言うと、どうしてもオノ・ヨーコさんが奥様だった事が浮かんでしまいますが。







1. 地平線のドーリア =武満徹= (1966)
2群17弦楽奏です。それぞれが一声部を受け持つマイクロ・ポリフォニーの楽曲で、[半音を含む4音]x2のドリア旋法のオクターヴ種を使っています。
無調の静空間にロングトーンを中心とした弦の音色が交錯します。調性回帰的な時期と相まって武満さんらしい細く美しい旋律が時折現れるのが印象的ですね。そこにドリアが使われている様に聴こえます。


2. 異国の鳥たち =オリビエ・メシアン= (1956)
メシアン得意の鳥の鳴き声のピアノと管楽器・打楽器の曲で、代表作の一つですね。
よく飛び跳ねて、煌びやか、五つのピアノのカデンツァも鳥の動きを感じます。カラフルでキラキラとしていて、いかにもメシアンと言った感じです。ポリフォニーでの生き生きとした流れもOEKの演奏が雰囲気を上手く作っている感じです。このカラフルさをブーレーズも引き継いでいる気がしますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  コンスタンティア・グルズィ指揮のこちらの方が音が厚いですね
  個人的にはOEKの繊細な色合いの方がこの曲にフィットしているかと



3. インタースペース =一柳慧= (1987)
弦楽奏曲です。幽玄・神秘的で多様性時代らしいクラシック音楽ですね。調性感が強くて突飛な音階は無く、スローで暗鬱な印象が支配しています。また、動機からの変奏的な流れも感じます。


4. 鳥も使いか =高橋悠治= (1993)
三味線をリードとして、ポリフォニーになって和の唄いが入って来ます。邦楽和声、機能和声、それぞれが混沌と組み合わされたポリ和声楽曲です。反復や行進曲のリズムも入って来ますから徹底したごちゃ混ぜ風の面白さがありますね。何でもありの、この時代の前衛現代音楽を代表しているのかもしれません。B.A.ツィンマーマンに聴かせたかったですね。



個々の作品の素晴らしさもさることながら、1956-1993と言う20世紀後半の前衛音楽の変遷も味わえる楽しい一枚でしたね。

以前は中途半端な印象だったのですが、時代が作品に追いついて来たのかもしれません。今やセリエルの呪縛から解き放たれて、モードや調性との折り合いを付けるのが前衛の主流の一つに違いありませんから。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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