FC2ブログ

クラリス・ジェンセン(Clarice Jensen)『The Experience Of Repetition As Death』は単なるアンビエント?!



クラリス・ジェンセン (Clarice Jensen, b. ????)
以下前回インプレ「For This from That Will Be Filled」の案内文転用です。

ジュリアードで習いN.Y.ブルックリンで活動する女性現代音楽家でチェリストですね。このブログでもマックス・リヒターのアルバムでの参加で知りましたが、ヨハン・ヨハンソンとの共演もあって、その時点でポスト・クラシカル系の音楽家とわかりますね。
N.Y.ではACME(American Contemporary Music Ensemble)の芸術監督(artistic director)を努めているそうです。

と書きましたが、単なるヒーリング系ではなくてエクスペリメンタリズムも垣間見る面白さがありましたね。ドローン・アンビエントですが、エフェクトペダルを使ったチェロや多層化したループ、ライヴエレクトロニクス等の電子処理を駆使しています。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧



The Experience Of Repetition As Death
タイトルは米女性詩人アドリエンヌ・リッチ(Adrienne Rich)の “A Valediction Forbidding Mourning” からの一文だそうです。テーマは人生に存在する"反復, repetition"と言う概念。え〜と…よくわかりませんね。演奏は本人のチェロとエレクトロニクス処理ですね。

音楽では常套手段の"反復"ですが、その主題(theme)は1. 2. 5.で使われているそうです。実際には二三音の構成なので主題や動機には感じません。







1. Daily
長さの異なる5つのループテープのレイヤで、重なりの偶然性を使っているそうです。
ロングトーンのvc音が重なるドローン系サウンドですね。上記の通り5つの演奏が重なっています。そしてそれぞれが反復で出来ていて、音の並びは機能和声の短旋律主題です。技巧的には興味深いですが、聴くだけですとヒーリング音楽です。組み合わせをテンポ変化を含めて極端にランダムにしたら面白そうですね。

2. Day Tonight
ガサガサしたvoiceの様なエフェクトで、短旋律の主題は1.で使われたものです。徹底反復でドローンに流れますが、そこにシンセの様な音が被ってライヴエレクトロニクス的な流れになっていますね。ガサガサのエフェクトは途中で消滅して後半はミニマル風になっています。

3. Metastable
病院で聞かれるビープ音にインスパイアされたそうです。
低音が響く単音の繰り返しグォーン・グォーンの上に細い単音もしくは二音反復が神経質に流れ込んで増幅して行きます。まさに信号音の重なりです。これはこれで面白い効果を見せてくれます。

4. Holy Mother
タイトルはチョモランマ(エベレスト)を指しているそうです。
澄んだ音色の高音反復旋律が静空間に存在、重厚な低音が覆い被さる様に重なります。途中からミニマル的な流れが強まりますが、ヒーリング的なアンビエントでもあります。この流れは平凡に感じるでしょうねェ。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  映像が付いていて一種のインスタレーションでしょうか


5. Final
"1. Daily"と同じループテープを使っていますが、様々な手法で劣化させているとの事。
vcの音色はしっかりと残した入りで、そのまま続きます。特に劣化の印象はありませんね。音質以外に何か劣化("degradation to erode"です)させてるのでしょうか? ピッチであればわからないでしょう、音質やテンポの歪みならわかるかもしれませんが。よくわかりませんね。



短旋律の徹底反復のドローンですね。そう言うとミニマルに思うかもしれませんが、主流はアンビエントです。

技巧的に凝っているのですが、今回は聴こえる範疇にその前衛的な部分が見えないのが残念。解説を調べずに聴いたら単なるアンビエント&ミニマルとしか感じられないのが気になりますね。




テーマ : 音楽のある生活
ジャンル : 音楽





コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokoton

by kokoton
.

    

ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます