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ゲルギエフ指揮 / ミュンヘン・フィル の「マーラー 交響曲 第2番 "復活"」は心地良さ



ヴァレリー・ゲルギエフ Valery Gergiev, b. 1953
(ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団, 2015-9/16-20 Live rec.)
ゲルギエフが2015年から首席指揮者を務めるミュンヘン・フィル(Münchner Philharmoniker)とのマーラー2 "復活" ですね。

同セットのマーラーは「第8番"千人の交響曲"」を先にインプレしています。またwebでのLIVEの第5番もインプレ済み。いずれも素晴らしかったので、遅ればせながら第2番を聴いてみましょう。最終楽章は歌詞を見ながら聴きたい曲ですよね。感激が倍になります。

ソプラノはアンネ・シュヴァネヴィルムス(Anne Schwanewilms)、メゾソプラノはオリガ・ボロディナ(Olga Borodina)です。




マーラー 交響曲 第2番 "復活"



第一楽章
第一主題は落ち着いて出て、緊迫感を作るとパッセージからは緩やかに第二主題の優しさに繋げています。コデッタは行進曲の色を残しますね。
展開部は前半の第二主題の緩やか優しさが印象的で、コデッタの激しさと対比を明確に作ります。
再現部は淡々とした流れで、コーダの葬送は強い鬱ですね。刺激と落着きのコントラストが明瞭な第一部になりました。

第二楽章
主部はスロー優美な中に微妙なアゴーギクを入れた古典色の動機、トリオは繊細にリズムを強調して来ます。回帰で少し揺さぶりも増して、上手くコントラストを付けたアンダンテです。

第三楽章
主部はアゴーギクで緩い波の様な『子供の不思議な角笛』、トリオで明るさを出します。コーダを含めてトリオの管楽器の動機をしっかり鳴らしますね。

第四楽章
主部アルト「原光」は約束通りに低く落ち着いた独唱で、中間部もvnや木管と落ち着いた流れを作っています。O.ボロディナのアルトがフィットしていますね。

第五楽章
提示部第一主題は勿論一瞬の激しさから一気に落ち着いて朝の光の清々しさを作ります。第二主題"復活"の動機はその流れから金管が入って、後半の動機パートでアゴーギクの強い表情変化になります。
展開部"死者の行進"は出し入れの強い見晴らしの良い行進曲。実に素晴らしく、ゲルギエフは"悲愴"を思わせる様な流れを作っています。
再現部は緊張感を残しながらバンダと掛け合い、テンションアップ、そして鎮めてと見晴らし良い管弦楽の前半です。合唱は極静スローに現れてソプラノも切れ味を見せつつ静かに登場、光が射すように流れが広がります。上手いですね。ここでもアルト"O Glaube"の緊迫感が見事!!、ハイコントラストな男声合唱、sop/alto重唱がテンションを上げ、ラスト"Aufersteh'n"の山場を作り上げます。フィニッシュ前に作る一瞬の静音もピッタリです!!



程よい緊張感と心地良さの"復活"ですね。最終楽章集中型ではなくて、全楽章高完成度型のマーラー2です。最後まで気持ち良く聞き通せますね。

個人的にはテンシュテットの非正規盤アバドのザルツブルクデビューの様な流れも懐かしいですが。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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