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「ショスタコーヴィチ 交響曲 第6番」聴き比べ | コンドラシン, バーンスタイン, ムラヴィンスキー

週末のコンサート、東響定期#688 井上道義「ショスタコーヴィチ 6番」の予習です。古い録音にはなりますが、①コンドラシン, ②バーンスタイン, ③ムラヴィンスキー、ロシア物では好きな三人の指揮者で聴き比べておきたいと思います。

ショスタコーヴィチの交響曲としては少し変わり種の#6だと思いますが、ショスタコを得意とするミッキーこと井上さんがどう料理するかとても楽しみです。






【全体インプレ】
 ① コンドラシン:第一楽章偏重, 意外や控え目
 ② バーンスタイン:スローで強いコントラスト, ストーリー性
 ③ ムラヴィンスキー:変則性の強い主張, 個性的

個人的にはオススメはバーンスタインですが、極端な主張を展開するムラヴィンスキーも素晴らしいです。







キリル・コンドラシン
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

(Kirill Petrovich Kondrashin, Moscow Philharmonic Orchestra)




第一楽章
跳躍旋律の主部主題は弦楽はアゴーギクとディナーミクで色濃く。木管に主題が移った後、弦楽から金管は神経質に。イングリッシュホルンが中間部に現れると落ち着きを見せますが、背景の弦のトレモロが緊張感を煽ります。主部回帰は入りの明るさが印象的に、優しさを感じる流れになっています。
色濃く神経質な楽章です。

第二楽章
主部は軽妙さから力感を増して、中間部も慌てる様子はなく落ち着いて進めピークを築きますね。木管と弦ピチカートの主部回帰でも淡々とした印象を受けます。

第三楽章
主部第一動機はウイリアム・テル序曲っぽさ、アゴーギクで第二動機に繋げて、動機を心地良く絡ませます。中間部は少し重量感を与えて切れ味良くピークを作り、fg動機からは繊細さを見せます。コーダは軽快さと爽快さから、フィニッシュは少しかき混ぜてコンドラシンらしさを見せます。


第一楽章の重厚さターゲットのショスタコーヴィチ#6ですね。後半二楽章は軽妙さを主体としています。

コンドラシンとしては濃厚さが抑え気味に感じますね。後半二楽章でも、もう少し色合いを付けて来るかと思いました。





レナード・バーンスタイン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

(Leonard Bernstein, Wiener Philharmoniker)




第一楽章
主部は鬱は薄いのですが、ディナーミクを大きく振って抑揚を付けて来ます。弦楽は重厚で、続く管楽器もその上に乗っている感じです。中間部動機は鬱をスローに表現して葬送風の流れを繋げ、後半flが出ると静の緊張感に包まれます。一転主部回帰では明るい光が射す様に入って、緩やかな流れで締め括りますね。いかにもバーンスタインらしいスロー重量感です。

第二楽章
主部は明るくハッキリとした流れからシャープさを増して進み、中間部は落ち着いた流れからピークを激しく鳴らします。木管が冷静に主部回帰を出すと、そのままクールな流れをキープして終わりを告げます。

第三楽章
主部第一動機は速く軽妙、続く第二動機でも軽妙さを崩さず、そのまま絡んで進みます。中間部はテンポを落とし重厚な三拍子が出現して舞踏風に。ソナタ再現部的な主部回帰から、コーダは明確な明るさに一変してカンカン踊りの様な明るさに染め上げて終わります


スローで強いコントラストと濃厚さのショスタコーヴィチ#6です。明るさや鬱さの表現が明確に付けられていますね。

一楽章ラストの薄灯から三楽章コーダでは明確な明るさへ、この曲の持つ変化(ストーリー)を見事に聴かせてくれますね。





エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

(Evgeny Mravinsky, Leningrad Philharmonic Orchestra)



(これだとは思うのですが…)


第一楽章
弦楽の主部主題はやや速めで鬱の色を濃く、後半金管が出ると緊迫します。イングリッシュホルンが主部変奏動機を静かに出すと中間部で、静鬱をキープしながら進んで後半は静の中の緊迫感が強いです。主部回帰は明るさを見せますが基本は暗く、光は見えません。最後は、マーラーなら"死に絶える"と表現するでしょうね。暗く鬱なベールに包まれた楽章です。

第二楽章
木管が上昇下降旋律で走るハイテンポで緊迫の主部、後半は慌ただしく追い立てる狩の様相です。中間部でもテンポはキープされて低弦のトレモロが緊迫感を作り、主部回帰は緊迫の名残を見せながら緩やかに収束します。速くて緊迫感の楽章です。

第三楽章
主部第一動機はウイリアム・テル序曲の印象強く、第二動機は跳ねる様に、いずれもテンポは速いですね。中間部は速いまま三拍子を明確に激しさを増してピークを作り、続くfg動機からは少し緊張感を解放して来ます。そのまま主部回帰、コーダも明るさよりも飛ばしてフィニッシュです。終始速い流れキープになっています。


速くて鬱と緊張感の対立するショスタコーヴィチ#6です。第一楽章を鬱に染めて、後半楽章は一気に突っ走ると言った極端な構成が個性的です。

明るさを徹底して殺し, 暗鬱とのコントラストも作りません。この明確な主張がムラヴィンスキーらしさかもしれませんね。




さて週末(2021-3/27, サントリーホール)のコンサートはいかに。何年かコンサートの井上さんは聴いていないのですが、スローを使った表現力の様な気が…
インプレは残す予定です。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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