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キャロライン・ショウ(Caroline Shaw) の『Narrow Sea』広がりあるパーカッション



Narrow Sea
キャロライン・ショウ (Caroline Shaw, b.1982)
N.Y.を拠点に活躍する米女性現代音楽家ですね。前回の弦楽四重奏曲インプレで紹介済みなので割愛です。今回はソプラノ/ピアノ/パーカッションの楽曲になります。

"Narrow Sea"はジョージ・クラムのアメリカン・ソングブックに倣っているそうです。それで楽器編成が理由がわかりますね。もちろん米聖歌と米民族音楽(例えばアフリカ系アメリカ人の)をベースにしている事もクラム同様のスタンスです。クラムはスパニッシュ・ソングブックも作っているので、同様にシリーズ化する可能性もあるのかもしれません。また、何となくジュユリア・ウルフの方向性も感じてしまいますが、そこまで深堀はしていないでしょう。

"Taxidermy"はパーカッション曲でプリンストン時代にフラグメントが作られているそうです。当時Sō PercussionのメンバーEric Cha-Beachとハミングもしているとか。

編成はsopがドーン・アップショウ(Dawn Upshaw)、pfがギルバート・カリッシュ(Gilbert Kalish)、perc.がソー・パーカッション(Sō Percussion)です。TaxidermyはSō Percussionですね。


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1. Narrow Sea I-V (2017)
5パート楽曲です。美しいpfとsop、そこに被るパーカッション。そんな構成です。基本は女性のリート曲なのですが、特殊なパーカッションが入る事で奥行きが広がっていますね。

注目すべきはそのパーカッションで、鍵盤打楽器以外に様々な道具類を用いています。他にエレクトロニクス(ライヴ・エレクトロニクス?)も使っていますね。それで曲の変化量が大きくなって魅力がアップしています。この存在の有る無しで曲のイメージは大きく変わってしまうでしょう。白眉はIII.で、ピアノの特殊奏法でツィムバロムの様に弾いたりもして、後半は実験系前衛的にパワーのカオスの色付けもしています。

sopとpfは調性の美しさでC.ショウらしさです。最後は冒頭回帰が入ってループの様な感じも作られていて、ラストの歌詞は"Narrow Sea"について本人が語った最後の文面を表現している様です。


2. Taxidermy (2012)
シンプルなパーカッションで、緩やかに変奏されながら反復します。その中に微妙なピッチとテンポのズレやポリリズムが挿入されて行きます。ガムラン風になったりしつつ、音量が厚くなってvoiceも入り込みますね。detailとpardonです。これも面白いパーカッション曲ですね。ポスト・ミニマルと言っていいでしょうか。


 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Official Videoで録音風景でしょう。全曲楽しめますね
  特殊奏法をはじめ打楽器類が全てわかります



美しいソプラノのリートにパーカッションと様々な特殊奏法が彩る素晴らしさになっていますね。ミニマル色も随分と減っています。

Sō Percussionの表現力がなかったら、ただのリートで終わっていたかもしれませんね。前回"Orange"のインプレではパターンの狭量さを感じてしまいましたが、今回は表情豊かで自由度が高くキャロライン・ショウのこれからが楽しみになる一枚でした。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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