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『チャイコフスキー 交響曲 第5番』2020パーヴォ・ヤルヴィを1960ムラヴィンスキーで聴き比べ


チャイコフスキー 交響曲 第5番
今更の曲をなぜ? それも2020年リリースのP.ヤルヴィを1960年のムラヴィンスキーで聴き比べ??

■週末1/30(土)の原田慶太楼さんと読響のコンサートの予習です
■この曲は個人的に1960ムラヴィンスキーが鉄板!!
■せっかくですから新しい録音(P.ヤルヴィ rec.2019)も合わせて

という事で…w




パーヴォ・ヤルヴィ
チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団



第一楽章
序奏「運命の主題」はスローのアゴーギク。第一主題はテンポを取り戻してディナーミク強調、第二主題第一動機はアゴーギク強調、第二動機もスローの揺さぶりからパッセージは気持ち良く鳴らします。展開部の第一主題変奏は波の様な出し入れですね。再現部はスロー化して抑え気味、コーダもその流れにあります。揺さぶり強調ですが感情移入は薄めですね。

第二楽章
美しい弦のコラールから主部主題のhrも静美に、ob動機は繊細さです。第一トリオはvcと管楽器の対話を色濃い美しさで、山場はテンポアップから迎えます。中間部のclとfgはアゴーギクを振られていて、山場の"運命の主題"は空を覆う黒雲の様です。主部回帰では伴奏の色付けを美しく生かして心地良い山場を。突然の"運命の主題"も唐突性は抑えてラストの美しさが光ります。美しさのアンダンテ・カンタービレです。

第三楽章
主部の第一・第二ワルツは軽妙に、第三ワルツでスロー化ですね。中間部は16連音符を軽妙さを利かせて、主部回帰の三つのワルツも優しさ穏やかさです。コーダのソフトな"運命の主題"の後の強音は広がりです。重さ控えめでワルツらしさ強調です

第四楽章
序奏の"運命の主題"は優しい美しさ、厳しい弦の第一主題は切れ味から重厚さへ。第二主題は流麗な木管、金管の"運命の主題"は華やかです。展開部は勇壮さで弦の響きが印象的ですね。再現部はテンポアップしますが落ち着いて、"運命の主題"からスロー化して山場をシャキッと締めます。コーダは落ち着いて晴々とした行進曲からラストはアッチェランドの様なテンポアップで締め括ります。力感よりもスッキリ感の楽章ですね。


スッキリと心地良い第5番ですね。重厚さや爆裂の対角にいる流れです。

それを証明しているのが中間楽章の二つでしょう。アンダンテ・カンタービレとワルツ、そのものですね。この流れもありのチャイコフスキー5です。






エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニグラード・フィルハーモニー管弦楽団


(4, 5, 6番のset、いずれも名盤ですね)


第一楽章
序奏「運命の主題」は陰鬱なスロー、第一主題は色濃い力感でピークを激しく。第二主題は感情強く、パッセージは力強さですね。展開部はリズムを生かして音厚を増します。再現部は落ち着きから第二主題パッセージで感情を高めますね。コーダは弦の下降音階と管楽器が厳しい音で対峙します。感情こもったアゴーギクとディナーミクが素晴らしい楽章です。

第二楽章
主部のhrはスローで澄んで美しく、ob動機は明るい流れを作ります。第一トリオは静の中の緊張感から山場を大きな鳴りで広げます。哀愁の中間部は"運命の主題"をシャープに。主部回帰では優美さを見せつつ山場で炸裂!! そして突然の爆裂"運命の主題"です。厳しい出し入れで緊張感漂う流れですね。

第三楽章
主部の第一・第二ワルツは優美、第三ワルツは木管の鳴りを生かします。中間部は主部の流れキープし16連音符を明確にバトンタッチして行きます。主部回帰の第一ワルツは少しスケルツォ風、コーダの"運命の主題"後の強音が唐突です。ワルツらしさの中にもシャープさが見られますね。

第四楽章
序奏の"運命の主題"は悠然。弦の第一主題は厳しく速く、第二主題は流れに乗って現れて金管の"運命の主題"はキレキレに激走します。感動ものです!!
展開部はゆっくりと鎮めて哀愁に。再現部は突然暴れて緊張感と揺さぶり強く、スローに落として"運命の主題"から山場を作ります。コーダは祭典的な行進曲でラストは勇壮そのものです。


激しい出し入れと感情溢れる第5番です。ムラヴィンスキーが得意としたチャイコフスキー5、気持ちの入った強音パートに惹かれますね。

半世紀を共にした指揮者とオケの一体感が作る隙の無い見事さ
(脳にインプリンティングされているので) 個人的にはこれを超える演奏には出会えません。




対極にいる演奏ですね。気持ち昂る力演のムラヴィンスキー、肩の力を抜いて優美ささえあるP.ヤルヴィ、どちらも完成度が高いです。

どちらを聴いても損はありませんね。もちろん個人的には何十年も聴いているムラヴィンスキーという事にはなるわけですが。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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