FC2ブログ

今気になるCHANDOSのエドワード・ガードナー(Edward Gardner), 二つの『浄夜』シェーンベルク と フリート



Verklärte Nacht
Edward Gardner (エドワード・ガードナー, 指揮者)
今年からロンドン・フィル(LPO)の音楽監督に就任する英中堅指揮者のガードナー。この処注目度の高い作品をCHANDOSレーベルから次々とリリースしていて、2020年だけでも「ペレアスとメリザンド」「ピーター・グライムズ」と気になるCDを出しています。この注目セットから新たに出たのが四人の近現代音楽家の作品集ですね。曲的には後期ロマン派ですが。

ドイツの詩人リヒャルト・デーメル(Richard Dehmel)の "浄夜"(Verklärte Nacht) を元にそのままタイトルにした二曲を並べたのがポイントですね。"浄夜"と言えばシェーンベルクですが、フリートの作品は初めて聴きます。

もう一つのポイントはテノールのステュアート・スケルトン(Stuart Skelton)です。同じくCHANDOS/ガードナーの「グレの歌」でもヴァルデマル王で起用されていましたね。A.フィッシャーのマーラー「大地の歌」でもヘルデン・テノールらしいハイトーンを聴かせてくれました。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧








フランツ・レハール
(Franz Lehar, 1870-1948)
レハールと言えば「メリー・ウィドウ」ですねェ。年代的には近現代ですが、その範疇のイメージは誰もないでしょう。歌曲を聴くのは初めてです。

Fieber (1915)
 後期ロマン派の色濃いテノール歌曲ですね。スケルトンのテノールがヘルデンらしいトーンで聴かせてくれますが、少し押し出しが弱いかもしれません。楽風はレハールらしく時に舞曲の様に、またシェーンベルクの「グレの歌」を思わせる様な色合いも見せますね。結構楽しめるかもしれません。



オスカー・フリート
(Oskar Fried, 1871-1941)
ユダヤ系ドイツ人音楽家で指揮者でマーラーとの懇親があり、意外にも"第6番・第7番・大地の歌・第9番"のベルリン初演をBPOで振っています。作曲家としては不遇を送った様です。

Verklärte Nacht Op.9 (1901)
 原作と同じ様に男(テノール)と女(メゾソプラノ, Christine Rice)が登場して、男女間のかなりシビアな語らいを紡ぎますから基本的なストーリーは知っておいた方がいいかもしれません。mezは意図強く問題のパートを歌い、tenorがそれに応えます。ストーリー性を感じる二人の歌いで、演奏は美しい後期ロマン派楽曲でラストは大きく広げます。ここでのスケルトンは伸び良く聴かせてくれますね。ただ、クリスティーネ・ライスの方が勝っていますが…



アルノルト・シェーンベルク
(Arnold Schoenberg, 1874-1951)
言わずと知れたシェーンベルク、その初期の無調に足を踏み入れる前の後期ロマン派時代の傑作ですね。録音は多々存在しますが、ガードナーはどうでしょうか。今回はオリジナル弦楽合奏版(1917)のコントラバス・パートを見直しした1943ver.を採用しています。

Verklärte Nacht Op.4 (1917, revised 1943)
 まず導入部動機は暗く美しいのですが、かなり抑え気味にそして揺さぶりを入れて来ます。その後も揺さぶりは強めで、前半は不安げな流れを作ります。この辺はストーリーと合わせている感じです。弦楽合奏版と言うとカラヤンが浮かぶわけですが、あの濃厚な美しさよりも不安を掻き立てる様な揺さぶりが特徴的ですね。後半も美しい流れは排除されて、強い揺さぶりがギクシャクする様な印象を受けます。好みかと聴かれると、ちょっと違う???かもw
個人的には濃厚な甘美さと激しさが"浄夜"です。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  DG盤ではありませんが、カラヤンBPOですね
  最高のDG盤はもっと静にスローから迫りますがこれも素晴らしいです




エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト
(Erich Wolfgang Korngold, 1897-1957)
ユダヤ系オーストリアの音楽家ですね。前衛隆盛期に後期ロマン派の楽風で苦労し、米国で映画音楽家として活動していますね。ここにコルンゴルトが入っているのが少し不思議です。

Lieder des Abschieds Op.14 (1920-21)
 "別れの歌"、後期ロマン派と言うよりもロマン派のリート管弦楽ver.的でしょうか。穏やかな美しい流れとスケルトンらしい落ち着いたテノールです。これはこれで味わい深い印象ですね。オリジナルはmezとpfのリートですか?!



ガードナーのスタンスが "グレの歌" でもあった様にクセのある揺さぶりが特徴的である事が 今回もシェーンベルク "浄夜" でわかりますね。他の曲は頭にないので、それほど違和感を感じる事はありませんでした。

スケルトンのテノールも"グレの歌"の時の印象と同様で、やや引けた個性を感じました。4.が一番良かったですね。今回のベスト・トラックはフリートの"浄夜"でしょうか。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

kokoton

by kokoton
.


    


カレンダー
02 | 2021/03 | 04
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます