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B.A.ツィンマーマン(B.A.Zimmermann) の1950年代作品集「メルヘン組曲・他」



Bernd Alois Zimmermann (1918-1970)
本ブログでは古い時代(前衛隆盛期)の前衛現代音楽家としては一押しのベルント・アロイス・ツィンマーマンです。いち早く多様性を取り入れたわけですが、時代はセリエル三羽烏(ブーレーズ, シュトックハウゼン, ノーノ)の独壇場。折衷的・日和見的で批判の的となりました。

ツィンマーマンが亡くなった1970年頃からセリエルが目指した前衛が停滞期となり、今まさにツィンマーマンの前衛多様性の時代になった訳ですが…
楽風変化や紹介は下記の作曲家の一覧に入っています。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧



Märchensuite | Canto di speranza | Impromptu | Alagoana. caprichos brasileiros
1950年代の管弦楽作品集です。ツィンマーマンが新古典主義から前衛(セリエル)に踏み込んだ時代になりますね。もちろんセリエルと言ってもヴェーベルンを源流にしたガチガチ雁字搦めのトータル・セリエルを目指していた訳では無いのですが。

ツィンマーマンの音楽がコラージュで頂点を極めるのは'60年代になりますね。演奏はペーター・ヒルシュ(Peter Hirsch)指揮、ベルリン放送交響楽団(Radio-Sinfonie-Orchester Berlin)です。







1. Märchensuite (1950)
7パートの楽曲で、パート毎に曲調が大きく変化しています。調性の逸脱は無く、バックグラウンドにはトリル反復が存在したり、明確な旋律や民族音楽もあります。一部は引用でしょうね。その辺りは後年のコラージュの気配を感じます。幽玄さからカラフル、激しい出し入れと表情変化の大きい新古典主義音楽でしょう。これはこれで面白いと思いますね。コンサート受けしそうです。


2. Canto di speranza (1957)
チェロを中心としたアンサンブル的音楽です。7年間で明らかに曲調が変わって、無調のセリエル的点描の音楽になっています。スローのポリフォニーとホモフォニーの組合せで、よく聴くと反復は濃く、perc.の出番が多い様です。調性を感じる旋律・音階を使っているので極端に不自然な印象は受けないでしょう。その辺りが当時問題視されたポイントかもしれません。


3. Impromptu (1958)
"即興曲"です。ここでもセリエル点描風になりますね。幽玄さと強弱出し入れの強い流れで、調性の香りが濃いです。新古典主義の音楽を強制的に前衛に持っていった感じと言えるかもしれません。2.もそうですが、この時点で既に多様性の現代音楽になっていますね。


4. Alagoana. caprichos brasileiros (1950-55)
5パートの楽曲です。1.と同様に新古典主義の音楽で、パートを区切って曲調を変化させるのは当時のツィンマーマンのやり方だった様です。1.と多少異なるのは一部パートでセリエル点描の方向も見せる事ですね。引用も感じます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  Germany's National Youth Orchestraの演奏です




B.A.ツィンマーマンの前・中期、新古典主義からセリエルへの変化が聴き分けられますね。

セリエルと言ってもセリエルの禁則を盛り込んで、すでに多様性の前衛現代音楽になっています。この先に魅力あるコラージュの世界が待っていますね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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