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ベートーヴェンへの賛歌『ルートヴィヒを探して | Searching for Ludwig』マリオ・ブルネロ、ギドン・クレーメル


Searching for Ludwig
Gidon Kremer, Mario Brunello, Kremerata Baltica
興味深いアルバム、alphaレーベルらしい?、が出ましたね。

ベートーヴェンは定期コンサートでぶつからない限り 今やほぼ聴かないのですが、二人のチェリスト/現代音楽家マリオ・ブルネロとジョヴァンニ・ソッリマの名前があると視線が向いてしまいます。

そもそもはM.ブルネロとクレメラータ・バルティカがベートーヴェンの生誕250周年を祝うドイツの "Kronberg Festival" 共演で意気投合、南米ツアーを前に1.-3.を録音する事で出来上がったそうです。タイトルも「Searching for Ludwig」で決まり、ラスト一曲はG.クレーメルのチョイスになるベートーヴェン・トリビュートアルバムですね。

ブルネロは1.はチェロですが2. 3.は指揮者、クレーメルは4.でvnの弾き振りです。







1. ‘Muss es sein? Es muss sein!' (レオ・フェレ, 1916-1993)
仏音楽家でシャンソン歌手でもあるフェレの曲で、この曲だけvc, strings, perc. の編成ですね。他は弦楽奏曲(弦楽オーケストラ)です。
 陰鬱で濃厚なブルネロのvcソロから入ります。1'半くらいからフェレの語りが刺激的に加わると打楽器も入って、弦楽奏が音の厚みを加えて進みます。攻撃的なシャンソン、鮮烈さを加えて戦場の様に流れます。フェレの"Ludwig!!"の叫びが印象的です。中間部(トリオ)でvcソロが現れて、最後はフェレの叫びで終わります。


2. 弦楽四重奏曲 第16番 Op. 135 弦楽合奏版 (ベートーヴェン)
アレグロから優美さの流れを作りますね。展開部では切れ味を見せてコントラストは良いです。ヴィヴァーチェも延長線上にあってシャープに、トリオでもあまり流れに変化を付けません。四楽章形式になっていて全体としては古典色の強さが残ります、唯一の楽章を除いては。個人的興味はそのマーラーに影響を与えたとも言われる、第三楽章の緩徐のロマン派の様な流麗さですね。この時代ならメヌエット的でしょうから。ブルネロはその対比を意識していると思います。(近いタイミングでマーラー10の弦楽奏を指揮していますから)


3. Note Sconte (ジョヴァンニ・ソッリマ, 1962-)
唸る様な前衛的弦楽奏を背景にして、ベートーヴェンの動機と思われる旋律が奏でられます。パートにより小編成の古典弦楽奏になり、強弱のメリハリを明確に付けたベートーヴェンらしさを強調するかの様です。現代音楽と古典の邂逅の様な流れであって欲しかったのですが、冒頭パート以外はほぼ古典展開でガッカリ。ベートーヴェンが好きな方は新たな旋律・動機が楽しめるかもしれません。そうなると前衛的な色付けが邪魔?! 要は中途半端感が足を引っ張っているかも…


4. 弦楽四重奏曲 第14番 Op. 131 弦楽合奏版 (ベートーヴェン)
7楽章の名曲ですね。聴き処の一つ、第一楽章を繊細で美しい緩徐表現で入るのはクレーメルらしさでしょうか。第一楽章がアレグロではないのもこの曲の特徴ですね。メインの第四楽章は見事にメヌエットの変奏曲になっていますね。全体的には古典を尊重した軽妙な室内楽に仕上げている感じですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  クレーメルの脳裏に浮かんだというバーンスタイン/VPO(弦楽)の演奏です
  晩年の1981年で濃厚な弦楽奏曲になっていますね。これは一聴に値します!




ベートーヴェンの後期弦楽四重奏二曲は当然のごとく古典ですが、2.の第三楽章のロマン派の先取りの様な美しさが前後楽章や4.から異彩を放っています。

現代音楽二曲では、1.のフェレは尖った流れが魅力的で、3.のソッリマはベートーヴェンへのトリビュート感が強い古典楽風でした。1.以外アルバム全体としてはベートーヴェンで、旧来のクラシック音楽ファンの方に受け入れられ易い感じです。個人的興味は1.だけでしたが…w

クレーメルとブルネロの共演が無いのは寂しいですね。ソッリマは今年(2020)の来日がcovid-19で中止になりましたが、来年2月に一部延期なので来て欲しいです。(チケット所有なのでw)




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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