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アンサンブル・アンテグラルのオーストリア前衛音楽家作品集「alpenglühen」と言う選択肢



alpenglühen, アルプスの夕映え
(Ensemble Intégrales, アンサンブル・アンテグラル)
オーストリアの現代音楽家5人の作品をピックアップした現代音楽を得意とするアンサンブル・アンテグラルのアルバムですね。アンサンブルがオーストリアのアイデンティティを得るために、同国の5人の音楽家に委嘱したそうです。

個人的には、このアルバムに興味を持ったのはベルンハルト・ガンダーの曲が入っているからですね。このブログでは一押しのエクスペリメンタリズム現代音楽家の一人になります。

Ensemble Integrales以外のメンバーは、Henning Kaiser (tenor), Karlheinz Essl (computer)です。








ヴォルフラム・シュリーク
(Wolfram Schurig, 1967/12/31 - )
オーストリアの現代音楽家でチューリッヒでH.ラッヘンマンに習っています。ダルムシュタットに招聘された事もある様ですね。

■1. A.R.C.H.E., for Tenor Saxophone, Piano and Percussion (2000)
 ポリフォニーとホモフォニーが交錯する即興的な混沌です。ハードな流れとソフトな流れが入れ替わり立ち替わり現れます。無調でしょうが旋律感は存在していて、フリージャズ的な印象もありますね。音にセリエル的な跳躍点描が残っていてエクスペリメンタリズムとして新しいのか古いのか、良くわからない立ち位置かもしれません。少なくともラッヘンマンの様な特殊奏法ベースではありませんね。



ヴォルフガング・ズッパン
(Wolfgang Suppan, 1933/8/5 - 2015/5/4)
英語風にウルフギャング・スパンなのか例によって日本語表記での読み方は良くわかりませんね。オーストリアの現代音楽家で音楽学者、グラーツやウィーンで学んでいます。IRCAMにもいてエレクトロアコースティックには明るいそうです。

■2. Weiten und Male, for Tenor Voice, Violin, Gamepad and Live Electronics (2007)
 4パート構成でライヴエレクトロニクスを使っています。特殊奏法による"音"とvoiceで、旋律はありません。voiceも音の一つか独語の独白・ささやき。全体としてはノイズ系という事になるでしょうか。声とギリギリ・ギギギー・ボヨヨ〜ンみたいな…w
ライヴエレクトロニクスはvoiceに使われているのはわかりますが、他に使われているかは不明です。これはちょっと面白いですね。



カールハインツ・エッスル
(Karlheinz Essl, 1960/8/15 - )
オーストリアの現代音楽家でパフォーマー、F.チェルハに師事してIRCAMでも学んでいます。ソフトやライヴエレクトロニクスを使った電子音楽、他にE-Guitarで前衛ロックにも精通しているそうです。

■3. More or Less, for Violin, Saxophone, Piano, Percussion and Computer (2007)
 2パート構成です。虫の羽音や蠢く様なノイズが空間を暗躍します。ここでも"音"であり旋律はありません。そこにpfが速いアルペジオを投げ掛けて来ます。エレクトロニクスは背景音的に空間に風の流れや炸裂音を与えています。ロックの様なサウンドが入るのもエレクトロニクスでしょう。無調とか調性とかという外側にあるノイズ系で新しさを感じますね。パート2はポリフォニーの即興的反復混沌も登場します。エレクトロニクスもそこに絡んでこれまた興味深いです。



クリストフ・ディーンツ
(Christof Dienz, 1968 - )
オーストリアの現代音楽家で、音楽院ではバスーンを習っていてバスーン奏者としても活躍していました。

■4. Amplify, for Alto Saxophone, Violin, Double Bass (2007)
 ホワイトノイズの様な音のドローンから入ります。多分アコースティックで出しているのでしょうね。しばしすると旋律が現れて来ます。単純反復とロングトーンです。旋律は副次元的な印象ですから、空間音響系になるかと思いきや。エレクトロニクスのノイズや単純反復の洪水となってポスト・ミニマルの様相も呈します。それで終わりかと思うとジャズが出現し、ノイズになって行きます。超多様性エクスペリメンタリズムです!!

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?



ベルンハルト・ガンダー
(Bernhard Gander, 1969/11/29 - )
さてガンダーですね。タトゥーを纏って過激な容貌のオーストリア人現代音楽家で、このブログでは一押しの欧エクスペリメンタリズムの一人です。今更の紹介は割愛ですw

■5. king's message, for Tenor Voice, Tenor Saxophone, Violin, Double Bass and Piano (2007)
 無調前衛オラトリオです。(笑) 過激で荒っぽいアンサンブルは音塊となってテノールに襲いかかります。音は無調爆裂で即興的でも反復的でもあります。テノールも負けずにシュプレッヒゲザングで対応。時にホモフォニーの様に全て固めるのも意味不明?! 狂気を感じる爆裂, これぞガンダーです!!



1.を除けば全て個性的エクスペリメンタリズムで楽しめます。ノイズ系や変化の大きい多様、そしてお馴染みガンダーの爆裂です。

三人(2. 3. 4.)の他の作品を探して聴いてみたいと思います。



 ▶️ 現代音楽の楽しみ方  ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


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