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アルトゥーロ・フエンテス(Arturo Fuentes)の「Broken mirrors, Liquid crystals, Ice reflection, Glass distortion」ディオティマ弦楽四重奏団



アルトゥーロ・フエンテス (Arturo Fuentes, b. 1975)
オーストリア/インスブルック在住のメキシコ人現代音楽家アルトゥーロ・フエンテス(Arturo Fuentes, 1975 - ) です。1997年からミラノ(ドナトーニに師事)・パリ(INA-GRM, IRCAMで活動したH. Vaggioneに師事)・ウィーンで学び、器楽曲や電子音楽だけでなくダンス・ビデオ・エレクトロニクスの劇音楽も手がけています。
極端ではないですが各楽器に特殊技法を展開する構成はラッヘンマン的でもありますね。(以上、前回"Space Factory"インプレ文と同じ)

CDのリリースがNEOSや今回のKAIROSという処を見ると欧エクスペリメンタリズムの流れに乗っているのでしょう。ダルムシュタットやドナウエッシンゲンでの話は聞きませんが、師事した音楽家を見てもそうなりそうです。


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ディオティマ弦楽四重奏団, Quatuor Diotima
今回は弦楽四重奏曲集で、演奏はディオティマSQです。
フランスの音楽院出身者四人により1996年に設立されて、古典から前衛までレパートリーがありますね。"ディオティマ"の由来はプラトン他の作品に出てくるヒロインの名前で、ノーノの弦楽四重奏曲からとっているそうです。H.ラッヘンマンやB.ファーニホウと言ったビッグネーム他、前衛現代音楽家に委嘱していますね。







1. Broken Mirrors (2008 / rev. 2014)
無調でポリフォニー、特殊奏法を前面に出す感じはありません。先鋭で刺激があるボウイングで明確な反復もなく、いかにも欧エクスペリメンタリズムの印象でしょう。破壊的でも静の空間でもなく、やや古い印象になるかもしれません。後半のロング・トーンとの絡みは面白いですね。


2. Liquid Crystals (2011)
特殊奏法ではないのですが、音の構成が面白いですね。ちょっとシャリーノを思い浮かべました。ポリフォニーですが、何やら動物が蠢いている様な感じです。表情があって、後半にノイズ音が入ったり、1. に比べると面白さがありますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  ディオティマSQによるLIVEステージです



3. Ice Reflection (2014)
2.の延長上で、細かいトリル・トレモロでのグリッサンドも入って来ます。旋律というよりも擬音の様なポリフォニーで、ネズミが走り回っている様な。一瞬の"間"も多くなって一層その感が増している感じです。単純反復も少し出て来ていますね。


4. Glass Distortion (2015)
この曲だけ25'と長く、メインディッシュでしょう。無調ポリフォニーからの脱却感があって、背景音に前面音の様な構成があります。ドローンの様な超ロングトーンのバックグラウンドが 3.に入った感じです。前面音は短旋律らしき音も出て来ましたし、明らかなノイズ系の音もあります。トリル・トレモロも反復感があって、ホモフォニー的なパートも見られます。少し多様性に入って来た感じがありますね。この曲が一番面白いです。



類型性を感じる前衛弦楽四重奏曲です。いかにも欧エクスペリメンタリズムの音楽で、今や新しさを感じられませんねェ。

ただ、作曲年代と共に面白さは増しているので、また聴いてみたいと思います。ライナーノートのスコアを見ると無調で拍子記号とBPM指示があって、構成はシンプルですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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